「なんか意外かも」と。目をぱちくりさせる。

ふと我に返り気を遣ったが、軽く返されて肩透かしを食らう。
「……これじゃ心配して損みたいじゃない。」　手を額にあて、溜息をつく。

確かに、考えが読み取れない。
そもそも考えてない、と言う相手はやりづらい。
戦いに限らず、それこそ何てことは無い日常生活ですら。

何をするのか予想が付かないから、リアクションが遅れる。
何を基準にしているのか理解できないから、反応に困る。

けれど、無心の心構え……とは言わずともその動作中に考える事をやめることは出来る。

無意識の動作。

それは生理的な動作であり、物理的制限における必然的動作であり、

そして―――

「全く”関係の無い事を考えてる”ときもあるしね。」

笑顔でそう言い放った。

自分のことだと微妙に対応に困るのに、人のことだと首を突っ込みたくなる性分。
人間というのは得てしてそういうものである。

手慣れた動きでピンを引き抜き、握った手榴弾を少し遠くへ向けて投げつけた。
転がって数秒…カキィィン！という結晶音とともにソレは炸裂し、冷たい煙を巻き起こした後に周囲を地面ごと凍りつかせていた。

色々と、それはもう色々と魅力的な薬効があることを聞き、しばし硬直するが、やがて覚悟を決めると、

そのまま目を閉じて一気に飲み込んだ！！(一揆だけに)
しかし、飲み込んだまましばらく目をつぶったままプルプル硬直している。大丈夫なのだろうか。

【前回を思い出し中】