今回のレーネフィアの日記はおやすみです。

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人狩り。
一揆衆同士での私闘・略奪を行う者の総称。
その噂を聞いた時、レーネフィアが表へ飛び出そうとしたのは覚えている。
直ぐに拘束と暗示を行い、無茶な行動はさせないようにしたが。
レーネフィアとしては許せない事柄だろうが、僕個人はこの一揆の目的が新王の打倒である以上強い人間にネクターや物資が回るのはある種合理的である、と考えている。(人狩りの目的が新王の打倒にあるか、というのは置いておく)
ただでさえ一揆衆は困窮しているのだ。財は集中するに越した事はない。
人狩りは賞金首として手配され、捕らえられた人狩りは農業に従事させられるらしい。
……これも考えてみればおかしな話ではある。
何故危険人物を拘束したままにしておかないのか。
そもそも賞金首といっても、賞金は困窮している筈の一揆衆のどこから出ているのか。
強者への資産の移動、ネクター不足により衰えているであろう農産の増強。
ルリアンナ。案外、というかかなりの食わせ者に思えるけれど。

話題を戻そう。
何故こんな話題を今更したかといえば、現在チームを組んで行動している人物の一人……ネロが、その人狩りの被害に遭ったからである。
正確に言えば、それを聞いたレーネフィアが
命令権と上下関係が弱まっている。
彼女にエンブリオが集まっているのと無関係ではないだろう。最近は、彼女の機能も解放されているのを感じる。
吸血鬼としての能力ではなく、同調能力に特化した器。
……あの老人も、厄介な物を作ったものだ。

遠くないうちに、彼女は僕を認識するだろう。

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　振り返り、少女の着ている服装に目を留める。一揆など野蛮な行為をするには似合わなさすぎるドレスだ。
　不思議そうに暫し考えた後、納得したように手をポンと打った。

　と、王城のある方向を指差す。