陰鬱な雰囲気の森を抜けて、広庭を目指す。
なんでも広庭の奥に元王宮騎士団副長とやらが居て、
一揆の参加者を物凄い勢いでこれでもかと蹴散らしているらしい。
部下による支援を受けながら肉弾戦を仕掛ける相手のようだ。
情報によるとかなりの破壊力を持つ相手のようで、多くの者が犠牲になっているとか。

『自分一人でもどうにかなる』。
情報を消化する前にこの考えが頭に浮かぶ。
そうであるべき、そうならなくてはならない、当然の事柄として。

その一方で、頭の片隅の冷静な部分が告げている。
正直、一人では、倒せそうにないと。
相手の攻撃に耐え切れない。支援を含めた相手の耐久力を貫き切れない。


　　自分は強いはずなのに、優秀であるはずなのに、何故、こんな、


…迷ったが、他の一揆の参加者に共闘を持ち掛けた。
他者の戦いを観察する事で、得られるものもあるだろう。
様々な世界の者たちとコネクションを作る事にも意味はある。
そう、自分に言い聞かせる。

シュガーは怨霊と会話をしています…