か「ヒツジと契約したんだけど。どうしよっか？」
メ「シツジと契約したはずなの。彼もそう言っているの。」
ヒ「……どっちでもおなじ……。」

相談の結果、ヒツジのシツジはメイの助手を務めることとなりました。
理由ですか？
メイの仕事が増えてきたからです。（主に、ようせいさん関連で。）

メ「ところで、シツジさん。お名前は？」
執「いえいえ。一使用人に名など不要にございます。」
ヒ「……ヒツジ……。」
羊「はい、ヒツジでございます。ヒエンお嬢様。」
メ「それじゃダメですの。
　　助手を任せる以上は、ちゃんと決めておかないとですの。」
執「では、いかがなさいましょうか。メイお嬢様。」
メ「お、おじょ……か、かーこ！何かないの？」
か「シツジでヒツジだから、うーん……、シーなんとか？」
ヒ「……ヴィス？」
メ「シーヴィス？これでいかがですの？」
シ「それでは、シーヴィスと名乗らせて頂きます。
　　御用の際は遠慮なさらず、お呼びつけ下さいませ。」

こうして、ヒツジのシツジはシーヴィスと呼ばれるようになりました。
それを、影から見ていたものがいました。

う「お？お？なまえ、もらえるお？」

いいえ。うぃすぷさんはうぃすぷさんのままですよ。



――――――――― SOUND ONLY　START ―――――――――

「ねーねー、かーこちゃん、大丈夫なの？」
『あれれー？おかしいわね、空耳かしら？
　数日前には忙しいって追い返されたはずだけど？』
「忙しいんだけど、どうにも見過ごせなくってね。」
『装備のことでしょう？
　あれは、かーこちゃんよりもメイなのよ。
　理由は解ってるし、まして強制するものでもないし。』
「あたしにもこだわりはあるから、なんとなく分かる気はするけど。」
『師匠だっけ？その人が何か作ってたら、どうする？』
「迷わず大人買いするから。そう、迷わずに。」
『それでも、そうしろって言うの？』
「これはこれ、それはそれなんだってば。
　現地調達なんだから、誰かに作ってもらってもいいの。」
『はい、ありがとね。言質、取ったわ。
　脅されて、泣く泣くヒエンに連絡するマスターであったとさ。』
「なー！！ちょっと、ちょっと待って！
　先に相談してきたのは…………」


『――――ということで。ヒエン、聞こえてるわね？』
「……なに？いまいそがしいのに……。」
『そのまま遊んでていいわよ。
　いくつか設計図送るから、余裕があるときに依頼してきて。』
「……かーこちゃんの装備？」
『そう。貴女のオリジナルからの依頼よ。』
「……ん。わかった、そうつたえる。ひつようだったし……。」
『必要ならフォローはするから。それじゃ、頼むわね。』

――――――――― SOUND ONLY　END ―――――――――

かーこは、その一行に歩いて近づく。

案山子は体を左右に揺らし。メイは頭を下げた。
ヒエンたちは、まだ戻って来ていないようだ。