随分と行き先には迷ったが…

今日はレクシーダと合流して地下牢を進もう。

割と調子よくいってるんじゃねぇか？
これならまたあのおっさんに挑戦してもイケそうだと思うが…

んっ！？まだいたじぇろ！？

カニカニエスケープは、前が良く見えないのが難点じぇろ！

……そうか、メルンテーゼの医療なら、もしかしたら治るかもしれないな。
一揆のために色んな世界の技術も持ち込まれているし。

しめじ以外の茸も生えていたけど、
食べられるか分からないものを口にするわけにもいかないしな。
せっかくなら装備を作るのに適した材料のほうが欲しかったけれど。
そちらはどうだった？

……まあ、な。失敗は成功の母と言うし。
とはいえ、もう一度やり直せるなら、あの料理は口にしないよ。

お祭りですからね。
熱き戦いがわたしを呼んだのです。

グレンさんも練習に軽く一戦どうですか？

腕を磨かねば、この先生きのこれませんよ！

もらわれ、ちゃった。

もう、お嫁に、いけない、かしら？

あ、グレンさんにはまだお話してませんでしたっけ？

あたしは、この世界の人間じゃないんですよ。
別の世界から来て、一揆を手伝っています。

なので、仲間を見つける暇がなかったんですよー。
一人は一人で気楽ですけど、なかなかお城に近づけません。
お手伝いが出来ていると信じて、頑張ってはいますが。

この世界ではエンブリオがないとほとんど何も出来ないのがもどかしいです。
戦いが上手くいかなかった時、それは自分のせいなのかエンブリオのせいなのか。
基本、前者だと思いますが、後者にしてしまいそうで……なんだか嫌ですね。
そんな考え方をしたら、おじいちゃんから怒られちゃいます。

戦うか、逃げるか――か。
それなら、エルの周りに居たヒトたちは、みんな逃げていたということだ。

まあ、勝てるかどうかはまだわからないけどね。

へえ、故郷に戻る術、か……。
それは、一人では自分の世界に帰れなくなってしまったということだよね？
それなら、ここに来るのも難しかったんじゃないの？

ああ、うん、大丈夫。あ、来たよ。

ﾛﾛロﾛﾛﾛロォﾛﾛﾛロﾛﾛﾛォ……

ま、必要ならどうにかするわ・・・。
結局はあれよ。私のやりたいようにしたい、そんな我侭ってだけだからね。
欲求が感情を上回るなら、感情を押し殺す術を使うだけよ。

・・・ま、気楽なほうが力を発揮しやすいのは確かだけど。

私の力そのものは、借り物に近いからね・・・。
エンブリオの仕組みを応用すれば、発揮できなくも無い。それで助かっているわ。
ものを言う相方のようなエンブリオとも契約していないし。
其方の方が、やりやすいわね・・・。

あら、逸話を聞くに、立派なものを持って乙女にしか懐かないだなんて、そんな下種の勘繰りをされても仕方ないわよ。
・・・実際に力を使うと成ると、命中精度が悪いのが問題ね。
当たれば強いのだけれど・・・。中々極端で、ね。

修羅の国のような、戦わなければ生き残れない世界が有るとは聞いているわ。
私の郷里も、世界律の壁だかで遮られた向こうに、そんな分割世界が直ぐ近くに広がっていると言われていたものだわ。
まあ・・・今となっては確認のし様も無く、子供を躾ける為の御伽噺だったような節もあるけど。

先に進まねば未来が見えない世界・・・か。
ある意味、この世界も似ているかもね。環境こそ大違いだろうけれど、今の世の流れに身を投じる者にとっては、その両者はとても相似している。

・・・貴方の世慣れた振る舞いが、何となく把握できた気がするわ。
この先どこかで一時的に協調できるなら、率先してお願いしたい位にはね。

他人の為に自分の命を顧みないのは、聖人か、愚者か、その両方だろう。
おれは讃えられる気はないし、そこまで愚かでもないつもりだよ。
おれは、おれに為せる範囲で、為すべきことを為すんだ。

この革命にはメルンテーゼの住人以外も大勢加わっているだろ？
あんたみたいな雇われや、何か事情や思惑がある連中を差し引いても、
それなりの数にはなるんじゃないか？

他の世界がどうなろうと知った事じゃないって奴も少なくない中で、
彼らのように正しく人である事ができるなら、
……おれもそうならないといけない。

来るんだな！
獲物を見誤ったヤツに相応しい最後をくれてやる！

こんなところでナンパに遭うなんて！

こんなところでナンパに遭うなんて！

わいの寝床を荒らしに来るとは、いい度胸じゃのぉ・・・

決まっている、勝つのはこのグレイナードだッ！

行くぞ、進める時に進むのが鉄則だ。

鮎…寄越せぇぇぇッ！！！

うん？
いつぞやの狼…その人がご主人だったのか。

さすがに原っぱにいたときとは面構えが違うな。
お前の野生、見せてもらおうか。

グレンさん達のお手並み拝見ですね。
それじゃあはりきっていきましょうか♪

………宜しく御願いします。

………御願い致します。