［基本］OK.　［戦闘］OK.　［取引］OK.　［スキル］OK.　

それは死の淵に立つ男を三途の川から追い出して、ハザマの世界に戻る前のほんのわずかな時間。

（……ああ、そうだ）

人の姿に戻ったフェデルタは目を細めて燃えていく彼岸花を眺めながら、ぼんやりと思考する。
もう一つだけ、生者のフリをしに戻る前にしなければならない事がある。
燃える花から舞う火の粉が身体に触れる先から、白のコートは真紅に変わる。
フェデルタは目を閉じて深呼吸をひとつふたつとする。それからもう一度目を開けば燃える彼岸花の中にぼんやりと人影が浮かんできた。

「こうして会うのは二回目だな」

フェデルタが一歩歩み寄る毎に、ぼんやりとした人影は炎に照らされてその姿を浮かび上がらせてくる。

「吉野俊彦」

フェデルタがその名前を呼べば、人影は完全に輪郭を得る。
フェデルタと同じ背格好で、同じ瞳の色を持つ、それ以外は似ても似つかないような少年の姿がそこにはあった。

「貴方が……俺、なんですね」

名前を呼ばれた少年はほんの少し目を丸くしたが、すぐに理解した。
目の前にいるのが夢でみたもう一人の自分なのだと。そして、彼がこの生と死の狭間に自分を呼んだのだと。
しかし、ひとつだけ少年にはひっかかるところがある。

「でも、二回目って」
「なんだ、気付いてないのか？ あっただろ？死にかけた時」
「……あ」

あきれ混じり返されたフェデルタの言葉に少年は、はっとする。
死にかけた時。それは、海に沈んだ時だ。確かにあの時は深く沈むと共に意識を失いかけていた。それを引き留め叱咤した、もう一人の自分。

「……あん時お前は一度死んだんだ。だから、生き返った一瞬だけ、俺はあの場所にいた。すぐにワールドスワップでお前になっちまったけどな……証拠は多分、これだよ」

フェデルタはこれ、と言いながら自分の左頬の三本傷にふれてみせた。
俊彦は鏡写しのように自分の同じ位置にある傷にふれる。
傷のでき方も不可解なのに、やけにはっきりと傷跡が残るので不思議だったそれの理由がはっきりと理解できた。

「……そうだったのか」

あの後からやたら煙草か恋しくなったのは、一度死んだことで境目が緩んだという事だったのだろうか。
それを目の前の男に聞いても恐らくわからないだろう。俊彦は一旦思考を切り替えて、改めて口を開いた。

「……それで、俺を呼んだ理由は」
「ああ、そうだった。時間もあんまねえから、手短に話す……お前と俺を切り離す事に決めた」
「……は？」

フェデルタの唐突な発言に、俊彦はいくらなんでも手短にし過ぎだ、と言いたい気持ちもどこかにいってしまう。

「だから、俺とお前をわけるんだよ」
「言葉の意味はわかります！でもどうやって」

俊彦がぽかんとしたのを意味がわかってないのか、と思ったフェデルタが再度説明になってない説明を繰り返す。
俊彦は大袈裟に手を広げながら疑問を口にした。
すると、フェデルタは眉根を寄せて視線を泳がせた。
当然ながら、その仕草が説明を面倒がっている事を俊彦はわかっている。じ、と呆れ混じりの視線を向けるとフェデルタはため息ひとつはいてから、手を差し出した。

「握れ」
「え、なんですか突然」
「さわれば、読めるだろ」

いいから出せ、とフェデルタに催促されれば俊彦はやや慌てながらも手を出した。
ぎゅ、とお互いの手を握ったその瞬間、俊彦の中に記憶が流れ込んでくる。
最初こそ普通にそれを読み取っていたが、途中から俊彦の顔がみるみるうちに青ざめていく。
震える手をゆっくりと話したかと思えばすぐにその手はフェデルタの両腕を掴んだ。

「どういうことですか！ なんで、愛夢が！」
「……それが、あいつの願いだからだ」
「あり得ない……俺は、そんな価値のある人間じゃない」
「……」
「愛夢の、彼女の幸せを奪うようなものじゃないですか！！ 俺は、そんな――！！」

同じ高さの、同じ色をした瞳が不安に揺れる。もう一人の自分がまるで、先程襟首掴んでみせた従者と同じことを言っている。

「ふ、ふふふ」
「なに笑ってるんですか！」
「いや、悪い。お前、やっぱり俺だなって」

意味がわからないと言いたげな俊彦を尻目にフェデルタは笑う。
あんなに偉そうに従者に啖呵をきったくせに、実際自分の番になればこうなるのだ。
従者に言ったあの言葉は、もしかしたら自分への言い聞かせだったのかもしれない。
ひとしきり笑うとフェデルタは、俊彦の掴む腕を振り払ってその肩に手を置いた。

「……あいつが自分から決めたんだ。ハザマで俺をみて、お前との記憶の大半が偽りだと知ってもなお、お前と過ごした時間に嘘はねえ。お前が生きるなら、力を貸すって」

吉野俊彦を生かすためには魔女の力を借りる他なかった。魂喰らいの魔女――アリィは、人の魂を対価に願いを叶えることが出来る。
しかし、俊彦を生かすために愛夢が死んでしまえば意味が無い。だから、彼女がいずれ育んだであろう命と魂を対価とした。
フェデルタの魂の一部と、言祝愛夢の未来を対価に吉野俊彦は生きることが可能である、と。

「……だけど、あいつに、愛夢に俺は、」
「じゃあ、お前は死にたいか？ ワールドスワップと一緒に消えるのか？」
「……」

フェデルタの言葉に、俊彦はなにも言い返せないままうつむいた。

「お前が生きたくて、お前と一緒に生きたいヤツがいるんだ……俺は、出来なかった」

従者に投げ掛けた言葉をもう一度投げる。あの言葉は本心で、そして、願いだった。
生きていた時に出来なかった。置いていかれたり、置いていったり、正しく時を歩むことが出来なかった。
今だって、長い時間が経ちすぎて歪んでしまっている。共に歩くのではなく、絡み合ってほどけないまま、ちぐはぐになっている。
たまたま、今がほどけているだけなのだ。

「……頼むよ、トシ」

グノウにも迦楼羅にも、吉野俊彦にも、そんな道は歩んでほしくない。
肩に置かれた手がするりと落ちていく。俊彦は力なくぶら下がる手をしばらく見つめてから、ゆるゆると顔を上げた。
泣きそうな顔で、それでも無理やり笑顔をつくってみせる。

「ずるいですよ……フェデルタさん。俺は、そんなことを言われたら、何も言えない」
「……わかってて言ってんだよ。俺だからな」

ゴオォ……

フェデルタの言葉とほぼ同時に二人を囲むように炎があがる。

「……時間だな」

フェデルタの呟きに俊彦の身体が揺らめき、やがて形を失って消えていく。
それを見届けるとフェデルタは深呼吸のをひとつして瞑目する。
激しくなる炎はやがて暗闇をすべて包むほどになり、かと思えば一気に中心に集まって、消える。

そこには暗闇だけが残された。

ENo.158 不浄の滝 とのやりとり


ENo.909 グノウ とのやりとり

スズヒコ(244) に ItemNo.40 炎封石のおまもり を手渡ししました。

ItemNo.8 スイートポテト を食べました！
　体調が 0 回復！（30⇒30）
　今回の全戦闘において 活力43 器用57 充填57 が発揮されます。
　今回の結果でのスキル熟練度が伸びやすくなった！

カニが泡を吹いて倒れる。

泡に紛れて、小さな光の玉が飛び出て空へと飛び去っていく･･･

つむじ(880) に 100 PS 送付しました。

つむじ(880) から アンデシン を受け取りました。

命術LV を 10 UP！（LV30⇒40、-10CP）
料理LV を 10 UP！（LV83⇒93、-10CP）

ItemNo.15 赤色の果実 から料理『うさぎっぽく切れた果実』をつくりました！
　⇒ うさぎっぽく切れた果実／料理：強さ412／［効果1］器用30 ［効果2］幸運35 ［効果3］連撃40


ItemNo.26 に ItemNo.10 ボールペン を付加しようとしましたが、付加材料を見失ってしまいました。
にわとり(353) の持つ ItemNo.39 スーパー不思議な装飾 に ItemNo.14 活力漲る黒帯 を付加しました！
　⇒ 特質強化！効果3のLVが11増加！

にわとり(353) により ItemNo.2 金のピアス に ItemNo.23 ライター を付加してもらいました！
　⇒ 金のピアス／装飾：強さ545／［効果1］火纏45 ［効果2］火化50 ［効果3］－

アンネ(1280) とカードを交換しました！

ウェルダン （ウェルフェア）


アルティメットフォーム を研究しました！（深度0⇒1）
アルティメットフォーム を研究しました！（深度1⇒2）
アルティメットフォーム を研究しました！（深度2⇒3）

デリュージュ を習得！
ツインコンフリクト を習得！
レスレクシオン を習得！
カグツチ を習得！

◇通常獲得：各CP･FPが5増加した！

フェデルタ(165) は 立派な皮 を入手！
グノウ(909) は 朱の光焔 を入手！
グノウ(909) は 立派な皮 を入手！
フェデルタ(165) は 強固な甲殻+1 を入手！
スズヒコ(244) は 強固な甲殻 を入手！

特に移動せずその場に留まることにしました。
体調が全回復しました！

迦楼羅(931) をパーティに勧誘しました！
『ツクナミ区 K-2：チェックポイント《小集落》』へ採集に向かうことにしました！
　　 - グノウ(909) の選択は ツクナミ区 K-2：チェックポイント《小集落》

MISSION!!
タニモリ区 P-4：草原 を選択！
　　 - グノウ(909) の選択は タニモリ区 P-4：草原

［792 / 1000］ ―― 《瓦礫の山》溢れる生命
［433 / 1000］ ―― 《廃ビル》研がれる牙
［464 / 500］ ―― 《森の学舎》より獰猛な戦型
［201 / 500］ ―― 《白い岬》より精確な戦型
［399 / 500］ ―― 《大通り》より堅固な戦型
［326 / 500］ ―― 《商店街》より安定な戦型
［267 / 500］ ―― 《鰻屋》より俊敏な戦型
［197 / 500］ ―― 《古寺》戦型不利の緩和
［117 / 500］ ―― 《堤防》顕著な変化
［147 / 400］ ―― 《駅舎》追尾撃破
［5 / 5］ ―― 《美術館》異能増幅
［152 / 1000］ ―― 《沼沢》いいものみっけ
［100 / 100］ ―― 《道の駅》新商品入荷
［310 / 400］ ―― 《果物屋》敢闘
［49 / 400］ ―― 《黒い水》影響力奪取
［225 / 400］ ―― 《源泉》鋭い眼光
［106 / 300］ ―― 《渡し舟》蝶のように舞い
［110 / 200］ ―― 《図書館》蜂のように刺し
［112 / 200］ ―― 《赤い灯火》蟻のように喰う
［56 / 200］ ―― 《本の壁》荒れ狂う領域
［88 / 100］ ―― 《珈琲店》反転攻勢
［100 / 100］ ―― 《屋台》更なる加護
［81 / 100］ ―― 《苺畑》不安定性
［16 / 100］ ―― 《荒波》強き壁
［100 / 100］ ―― 《小集落》猛襲
［45 / 100］ ―― 《落書き壁》リアクト
［92 / 100］ ―― 《変な像》揺らぎ
［100 / 100］ ―― 《白い渦》不幸
［100 / 100］ ―― 《黒い渦》不運
［21 / 100］ ―― 《線路》駆逐



―― Cross+Roseに映し出される。

　

　

　

星空が映る。

　

微かな波音と共に、弦楽器の優しい音色。

　

　

　

星空のなかに、黒い裂け目。

　

その裂け目にいくつもの小さな光の玉が吸い込まれてゆく。

　

　

　




　




　

　

　

チャットが閉じられる――

何もない、草原。

　

その中で異常に生い茂っている場所。

そこから顔を出す――

　






　

ゆっくりと目を開き、こちらに気づく。

　




無表情のまま、笑い声のようなものを発する。

ゆっくりとこちらへと歩みを進める。

　

少女の歩みを追うように、茂みが作り出される。

･･･身体中が危険を知らせてくる。