［基本］OK.　［戦闘］OK.　［取引］OK.　［スキル］OK.　

「ねえ、アズーロちゃん、今日はひとりなんだね」


雨の駅のホーム。
珍しくひとりで電車を待っていたら、声をかけられた。

「えーっと、鈴木くん、だっけ？」
「そう、移動教室で一緒の」

理系教科で顔を合わせる隣のクラスの男子だった。
女の子とも気さくに話してる感じの、爽やか系のイケメンくんだ。
ユカラくんとよくおしゃべりしてるよね。

「ユカラは？」
「部活の助っ人？って言ってたよ。何部かは聞き忘れちゃった」
ユカラくん、ルールさえ知ってれば大体のスポーツはできるものね。
「見学したかったんだけど、台風が来てるから、先に帰れって言われちゃって」

なんでも何年かに一度とかの台風なんだよね？
このローファーで土砂降りの中帰るのは確かに嫌だし、何より暴風が危険すぎる。
仕方なく了承して帰っているところなのだ。
たまには友達と帰ろうかと思ったけど、部活やバイトで断られてしまった。残念。

「仲良いなぁ」
「幼なじみ、だからね」
本当は数年の付き合いだけど（しかも、ユカラくんと深雪ちゃんは旅に出てたから3年会ってないけど！）、説明するのを省略できる便利な呪文だ。
「ふーん」

鈴木くんは私から、なにかを聞き出しそうな顔をしている。

「鈴木くん？」
「本当にユカラとは付き合ってないの？」

促したら、はい、この質問ですね。
一番困る質問ね。
私が知りたい。付き合ってるのかなぁーー！？

「うーんと………よく、わからないの」
「？どういうこと？」
「うーーん………あ、友達以上恋人未満、みたいな？」
ラノベありがとう！ラノベ！
便利なワードだね！

「ユカラと噂があるけど、付き合っているってほどイチャコラしてないからさ、どうなのかなーって興味本位。ごめんな」
「あ、ううん。大丈夫。心配してくれてるんだよね？ありがとう」

私の返事を聞くと、今度は鈴木くんが考え込んだ。
……精霊がざわついてる。
あ、この動きは……。
意を決したように彼は私を見つめて言い切った。

「ね？アズちゃん、ユカラから俺に乗り換えてみない？」

あ。どうしよう。
困ったなぁ。
どう答えたらいいかな。
アイドル時代にファンの人から言われたことがあるけど、それとは重みが全然違うよ。
顔が赤くなるのが分かった。

「えっと……」
髪をかき上げて考える。

「そういう微妙な関係なら俺にもチャンスをくれないかな？ユカラより大事にするよ？」
「うーん………、ほとんど話したことがないし」

想像がつかないしー。
一応ユカラくんなりには大事にしてもらってる……ハズなんですけどね。

「それは、徐々に俺のことを知ってもらえれば……」

グイグイくるよぅ。
どうしようかな。それと、さっき言われたことがすごーく気になるんだけど。

「ねぇ、鈴木くん？
話が戻って大変申し訳ないんだけど、鈴木くんが思う付き合ってるふたりのイチャコラって具体的にどういうこと？」
彼がそういうことしたい、ってことだよね？

「一緒に弁当食べたりとか」
「ユカラくんとは朝も夜も一緒に食べてるよ？お昼ぐらいお互いの友達と食べたいから一緒に食べてないだけだよ」
う！っと鈴木くんの顔色が変わる。

「一緒に登下校とか」
「それはしてるね。ラッシュのときは守ってくれるよ？」
「守るって？」
「なるべく壁際に誘導してくれて、背中でガードしてくれる、みたいな」
「なんだよユカラ！紳士だな！」

「じゃあ、登下校の時、手を繋ぐ」
「う！それは…してみたいなぁ」
付き合ってるとおおっぴらに言える状態じゃないし、難しいよね……。
それに深雪ちゃんになんだが悪いよ。
「俺とならできるよ？」
鈴木くん、めげない。
「……お休みの日はたまに繋いでくれるもんっ！」
かぶせるように私が言ったので、鈴木くんはため息をついた。
「……なんでそれで付き合ってないの？」
「…………うん。でも、ユカラくんもちゃんと考えてくれてると思うから、乗り換えるとかは……考えられない。
ごめんなさいっ！！」

最敬礼でお断りした。
あ、駅のホームだった。
ごめん、目立っちゃうね。
それに気づいて頭を上げると、鈴木くんは苦笑いしていた。
周囲の色がすーっと暗くなっているのを見ると、納得はしてくれたみたい。

「あー……やっぱりだめかぁ。分かってたんだけどね。アズーロちゃん、聞いてくれてありがとう」
……すごくいい人だー。
良心が痛むよぉ〜。

「鈴木くん……。えっと、これからもユカラくんと仲良くしてくれる？？
避けたりされると、ユカラくん、寂しいと思うから」
私のせいでユカラくんのお友達が減るのは悲しい。
「それは勿論。俺が勝手にアズーロちゃんにアプローチしただけだし」
「ありがとう！」
良かった。
にっこり笑うと、鈴木くんの顔が固まった。なんだが顔が赤い。
ん？何か私、悪いことしたかなぁ？

「…………アズーロちゃん、そういう顔、反則」
ぽん、と頭を撫でると鈴木くんは一歩下がった。
ほぼ同時にホームに列車が到着する。
「俺、頭冷やしたいから一本後の電車に乗るよ。ごめん」
「あ、うん。それじゃあ……」
電車の扉が開いたので私も扉に向かった。
乗り込むと振り返る
「また明日ね！」
手を振ると、鈴木くんも振り返してくれた。
それと同時に扉が閉まる。
いい人だったなぁ〜。

「！？」
振り返ると、周囲の人たちから生暖かい視線を感じた。
うわ、なんだか恥ずかしい。
いそいそと私は隣の車両に移動したのであった。


ーーーーーーーーーーーー

帰宅後。
夕食前。
〔わざと父さんのいない時間帯を狙ってきただろ、アズ。
俺に用事？〕
通信具の鏡の前に私はいた。
話し相手は兄のミリオンベルである。

「ねぇ、ミリ」
〔何？〕
ミリは仕事が終わってひと段落したようすで、レモネードを飲んでいる。

「リアーナちゃんとイチャイチャしたいときどうしてるの？」
〔ぶっは！！〕

ミリがレモネードを吹き出した。
リアーナちゃん、というのはミリの恋人である。
仲はいいけど、イチャイチャしてるところは見たことないから正直不思議だったのだ。

〔そ、そういうのは学校の友達の聞くことなんじゃないの！？
実の兄に聞くことか！？〕
「それはそうなんだけど、聞くに聞けない複雑な事情がありまして……」
〔深雪ちゃんに聞いても仕方ないもんなぁ〜〕
ライバルに聞いてどうすんだって話だよなぁ。
テーブルを拭きながらミリがため息をついた。

〔俺の場合、男視点だからなぁ……。参考になるかはわかんないけど。
素直にイチャイチャしたいって言ってもらえると嬉しい、かなぁ〕
「そうなの！？」
〔そりゃそうでしょ。
好きな子がイチャイチャしたいって言ってくれたらイチャイチャするでしょ？
……言われたいなぁ〕
頷き出した。

言われたいのか。ミリ。そうか〜。
リアーナちゃんにそんなこと言われたらデレデレになるよねぇ。
ニマニマしてると、我に返ったらしくミリが軽く咳払いをした。
〔と、とにかく、ユカラくんに素直におねだりすればいいと思うよ。以上！
今日の報告は父さんに適当にでっちあげとくから！〕
「あ、ミリ」
ブ！っと一方的に通信を切られた。

イチャイチャしたい、言ってみようかなぁ。

…………。

シミュレーションしてみよう。

…………………。


『ユカラくんになら……いつだって……』
『危険な誘惑だな。ケダモノになるかもしれないよ』
『そういうユカラくん、想像つかないけど……絶対嫌いになったりしない自信、あるよ』


ぼん！！
夏祭りの出来事が脳裏に浮かんで、頭がショートした。

ダメだ、おねだりしようもんなら、とんでもないことになりそうな、予感しかない！！


枕に頭を突っ伏してモダモダしてたら、雷がドン！っと落ちて現実に引き戻された。
あ、本格的に降ってきたなぁ。
ユカラくんと深雪ちゃん帰れるかな。

タオルを玄関に用意して、あったかいものマグノリアちゃんと作ろっと。

そそくさと部屋を出た。

ItemNo.1 黒いリボン を破棄しました。

守護者の姿が消え去った――

　

　

六角形の柱から天に向け、赤色の光柱が立つ。

どうやら次元タクシーで行けるようになったようだ。

領域LV を 20 DOWN。（LV30⇒10、+20CP、-20FP）

響鳴LV を 30 UP！（LV0⇒30、-30CP）
付加LV を 10 UP！（LV65⇒75、-10CP）

深雪(840) の持つ ItemNo.9 大人の最強恋愛漫画9月号 に ItemNo.5 頭蓋骨 を付加しました！

イデオローグ(474) とカードを交換しました！

踊る阿呆に見る阿呆 （クリエイト：ワンダーランド）


エチュード を習得！
コールドウェイブ を習得！
トランス を習得！
ミラー＆ミラー を習得！
ビブラート を習得！
フリーズノート を習得！
エネルジコ を習得！
エレジー を習得！
ヒーリングソング を習得！
アクアレゾナンス を習得！
パーガティブ を習得！
エファヴェセント を習得！
マナ を習得！
アディクティブチューン を習得！
ノクターン を習得！
高山流水 を習得！
サイケデリア を習得！
石破天驚 を習得！
バルカローレ を習得！
催眠術 を習得！
付加強化 を習得！

◇通常獲得：各CP･FPが5増加した！

ユカラ(839) は 土筆 を入手！
深雪(840) は ジギタリス を入手！
アズ(841) は 露草 を入手！
深雪(840) は 薔薇+1 を入手！
アズ(841) は 鱗 を入手！
アズ(841) は 薔薇 を入手！
深雪(840) は 不思議な粉+1 を入手！
ユカラ(839) は 不思議な粉 を入手！
深雪(840) は 不思議な粉+1 を入手！

▼エイド化候補（基本行動にてエイド化可能）
深雪(840) のもとに インキュバス が口笛を吹きながらこちらをチラチラと見ています。
深雪(840) のもとに 陸鮎 が軽快なステップで近づいてきます。

ユカラ(839) に移動を委ねました。

リュウジン区 L-1（森林）に移動！（体調10⇒9）
リュウジン区 M-1（草原）に移動！（体調9⇒8）
リュウジン区 M-2（森林）に移動！（体調8⇒7）
リュウジン区 N-2（森林）に移動！（体調7⇒6）
チナミ区 D-2（ベースキャンプ）に戻りました！
体調が全回復しました！

『リュウジン区 L-3：チェックポイント《果物屋》』へ採集に向かうことにしました！
　　 - ユカラ(839) の選択は リュウジン区 L-3：チェックポイント《果物屋》

MISSION!!
オオキタ区 N-9：チェックポイント《源泉》 を選択！
　　 - ユカラ(839) の選択は オオキタ区 N-9：チェックポイント《源泉》

［870 / 1000］ ―― 《瓦礫の山》溢れる生命
［443 / 1000］ ―― 《廃ビル》研がれる牙
［500 / 500］ ―― 《森の学舎》より獰猛な戦型
［190 / 500］ ―― 《白い岬》より精確な戦型
［380 / 500］ ―― 《大通り》より堅固な戦型
［296 / 500］ ―― 《商店街》より安定な戦型
［204 / 500］ ―― 《鰻屋》より俊敏な戦型
［143 / 500］ ―― 《古寺》戦型不利の緩和
［61 / 500］ ―― 《堤防》顕著な変化
［123 / 400］ ―― 《駅舎》追尾撃破
［5 / 5］ ―― 《美術館》異能増幅
［108 / 1000］ ―― 《沼沢》いいものみっけ
［100 / 100］ ―― 《道の駅》新商品入荷
［129 / 400］ ―― 《果物屋》敢闘
［12 / 400］ ―― 《黒い水》影響力奪取
［37 / 400］ ―― 《源泉》鋭い眼光



―― Cross+Roseに映し出される。

　

　

　





　




チャット画面に映るふたりの姿。

　





　





　

　

　

　

　

　





　

　

　

　

　

　





　





　





　





清々しい笑顔を見せるふたり。

　

　

　






　








　

　

　

ふたりの愚痴が延々と続き、チャットが閉じられる――

チェックポイント。

仄かな光に包まれた六角形の柱が立っている。

　

･･･柱から滲み出るように、何かが生み出される。



　




それは言葉を発すると共に襲いかかる！