
我々はマシカ神宮に導かれたのだろうか?
フジウルとハクカクは意図せず別行動を取るようになった。
http://lisge.com/ib/talk.php?dt_p=12&dt_sno=3045028&dt_kz=12&dt_st=13
「…ふ~やっと落ち着いたわ~」
ぐぐっとアイスコーヒーを飲んでコップを叩きつけるように置いた。
ついこの間利用した席と同じ席を利用しているが
違うのはサングラスが無くなり頭部に包帯が巻かれている点と
時期外れの厚着の巨漢が相席している点であった。
男はタブレット端末に『僕が此処にいて大丈夫なのか?』と打って見せつけている。
「あ? 大丈夫よ、多分。
堂々としてりゃ怪しまれないって。
てか、暑くないの? あんたも何か飲まない?」
[人前で飲食できないよ]
[悪いがこれだけは譲れない]
「そ、そう…」
必死なタイピングスピードと困った顔で此方も察した。
分厚いコートに長いマフラーなんか巻いていて、見ているだけで暑くなる…
「どういう食事の仕方するのか気になったんだけどねえ」
ちょうどいいタイミングで運ばれてきたタコライスを一口頬張りつつ
[それより]
「ん?」
[君、頭からあんなに出血していたのに気付くまでの鈍さが少々気にかかった]
「あ~……」
返事に困ったが、観念して食事をしながら徐に語り始める。
「私さ、小さい頃交通事故にあったのよ。
『表向き』だけどね」
ハクカクは『ヤのつく家系』の令嬢で
それ故に関わるモノの中でも『事故』は『偶然な事故』なのか疑わしい事例も多々ある。
「んで、ハッキリ覚えてないんだけど…
思い出せないくらいヤバかったのかもね?
とにかく、頭部の皮膚を始めとした移植したのよ。
だからほら、二色頭。こっちはちょっと神経も鈍いの」
毛色の濃い方が移植した部位だ。
タイピングの早い男が、返答に大いに時間を掛ける。
[そうだったのか。当時は誰に狙われていたのか僕でも定かではないが]
[とにかく無事で良かったな]
[真っ当な医療機関を利用できるのは、やはり君達人間の利点だよ]
「真っ当な~? まあ、そうだけどさ~」
いまやカタギとなり、一司書の『人間』であるハクカクだからこそ
一般的な施設が利用しやすいのは確かだ。
雑な食い方をしたせいでちょっと飛び散ったソースを拭きながら
[あいつも、此処に入れたのは君という起点があったからだ]
人間社会での人間の融通のについて改めて語る。
「まあ、きっかけがないと踏み込みにくいし
騒ぐ理由でもないと虚しいだろうしねえ…ん?」
もちゅもちゅ飯を食いながら喋る。
端から見たら大きな独り言だが、会話は成り立っている。
ちなみに相手が返した答えはこうだ。
[場所を変えないか?]
[匂いが残っているほど嗅ぎ付けられやすくなる]
[奴の味方には人間も含まれているのだろう?]
「……ん~~、思い当たる奴はいるっちゃいるけど
たしかにあのバカ(ギベオン)に一度潜られた此処で語るのはちょっとまずいわね。
場所変えようか。気になってたとこあるんだ」
と、提案したのは同区内の動物園。
気になるといっていたのは個人的に気になるレベルでしかない。
[手間をかけさせて申し訳ないね。助かるよ]
「気にすんなって、もっと気軽に頼ってちょうだいよ。
こっちもそのつもりなんだからさ」
とっとと飯を喰らって席を後にした。
http://lisge.com/ib/talk.php?p=10&sno=10354028
「で、あいつの取り巻きの事だけど
花泥棒もそいつに違いないでしょうね。」
花泥棒と聞けば目の色が変わる。
「ネヴネイリーザ、通称ネヴィなんだけど知ってる?」
[ネヴィの名は多少聞いた覚えはあるがその程度だ]
「界隈の中だと結構有名なんだけど、まあそれだけ健全に過ごせたってことなんだろうね。
で、そいつは贔屓の組はあるけど基本的にフリーで特にギベオンに肩入れしている…
チンピラだけどマフィアだわね。いくらでも調子の良いこと言うし、身体能力だって相当高いし
何より異能が厄介この上ないのよ。異能が戦闘力もコミュ力も兼ねてるというか…」
[無所属の破落戸が脅威に成りうると?]
「どうも『逆転させる異能』を使うらしくてさ」
[可能ならば相当厄介だね]
『逆転させる』だけで脅威が断片的にでも伝わるものなのか?
ともかく、話を続けた。
「あと同性と異形が好物なの、そいつ」
隠しきれない動揺…!
ついでにとある約束も思い出したようで
[厄介な奴だ…]
「さっきより焦ってない??」
なかなか面白い男だ。
噴き出すのを堪えつつ続ける。
「商売気質だからねーそいつ、決してバカではないけど教養がないっていうか…
例えば、花なんて地元じゃ高級な嗜好品だけど、そいつ嗜好品を楽しむ気とかなくて
高く売れるもんだとしか思ってないだろうから、イザナギちゃんの花が適切な保管をされているかも怪しい状況よ。」
[すぐに枯れるような代物ではない。普通の花とはまた違う]
[僕が懸念しているのは悪用されていないか、だ]
[あの奇跡の花が何らかの形で奇跡を再現してしまったら?]
[あの花を兵器の一種だと皆に誤解されたくない]
「か、考えすぎじゃない?
って言いたいところだけど、此処って色んな異能があるからな~…」
その花が元々あった島はどういう所かハクカクには判っていないが
彼にとって汚されたくない領域であるのはよく判った。
「………でも待てよ?
花じゃあないけど『ある意味』植物の知識はあるから、そこを探れば辿り着くかも…?」
植物は植物でもイケないハッパのことである。
室内栽培するにしても可能な場所はかなり限定されるものだ。
合わせて推理していこう…こうなるともう名探偵常盤姉妹にも頼れないが仕方ない…

[844 / 1000] ―― 《瓦礫の山》溢れる生命
[412 / 1000] ―― 《廃ビル》研がれる牙
[464 / 500] ―― 《森の学舎》より獰猛な戦型
[156 / 500] ―― 《白い岬》より精確な戦型
[340 / 500] ―― 《大通り》より堅固な戦型
[237 / 500] ―― 《商店街》より安定な戦型
[160 / 500] ―― 《鰻屋》より俊敏な戦型
[97 / 500] ―― 《古寺》戦型不利の緩和
[41 / 500] ―― 《堤防》顕著な変化
[17 / 400] ―― 《駅舎》追尾撃破
ぽつ・・・
ぽつ・・・
エディアン
プラチナブロンドヘアに紫の瞳。
緑のタートルネックにジーンズ。眼鏡をかけている。
長い髪は適当なところで雑に結んである。
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エディアン 「・・・おや。」 |
サァ・・・――
雨が降る。
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エディアン 「ちょうどいい感じ、涼しげでいいですねぇ。・・・・・あ、あれ?」 |
よく見ると雨は赤黒く、やや重い。
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エディアン 「・・・血の雨、とでも?悪趣味ですねぇ。 ワールドスワップはほんと悪趣味。ナンセンス。」 |
降ってくる雨を手で受け止める。
雨は手に当たると同時に赤い煙となり消えてしまう。
地面にも雨は溜まらず、赤い薄煙がゆらゆらと舞っている。
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エディアン 「・・・・・涼しげでもないですし、チューニ感すごいですし、・・・ほんと、悪趣味。」 |
チャットが閉じられる――