
アズーロ日記-6/30更新分
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ユカラくんと“熾盛天晴学園”…通称ハレ高に入学した。
誘ってみるもんだ……。
私もユカラくんも2年生に編入にふることになった。
幸いユカラくんも同じクラスだと聞いて、ちょっと安心。
朝、支度を済ませて玄関に駆けつけると、ユカラくんと深雪ちゃんはもう到着していた。
「ユカラくんっ、ごめんねおまたせ~!」
あ、そういえば、試着以外では見せてなかったな。
制服の襟をつまみ正す。
「ど…どうかな?」
「ああ、似合…」
「わー!めっちゃ似合ってるよ!アズちゃんのためにデザインされたんじゃねってくらい!」
ユカラくんに被せるように、深雪ちゃんがめちゃくちゃ褒めてくれた。
そこまで褒められると照れちゃうなぁ。
少し遅れてマグノリアちゃんも来てくれた。
「まぁ、お二人とも制服がよくお似合いですっ。」
「えへへ、みんなありがとう~。じゃ行こっか、ユカラくん。」
ユカラくんを促してドアを開け外へ出る。
こうして初めての学校生活の初日が幕を開けた。
クラスで自己紹介を済ませ、指定された席に着くと私とユカラくんの赤の周りにはそれぞれ人だかりが出来た。
うわー……漫画だ。漫画の世界だよ。
クラスメイトから聞かれる、住んでるところとか、普通の質問に答えてたら、
「ユカラ君ってすごくイケメンだね、姿勢もいいしモデルさんとかやってたの?」
ユカラくんの席の女子の声が聞こえた。
みんなの視線がユカラくんに移る。
確かに武術や剣術はしてるから姿勢いいよね。
「いや、全然。アズはモデルっていうかアイドルをやってたけど。」
周囲がざわつき、一斉に視線が私に集中した。
ひ!?
急いでユカラくんの横に駆けつける。
「ユ、ユカラくん、昔の話だしこことは違う世界のことだからっ…」
「内緒だったの?」
「そういうわけじゃないけど、なんか恥ずかしいから…」
「そっか、ごめん。」
ドラマはそれなりに好評だったし、モデルは今はもう実家の広告だけだし!
うーん……あとでアイドルは売れずに引退したとか言ってごまかそうかしら。
私たちふたりのやりとりを見ていた男子が私たちを交互に指差す。
「てか知り合いなんだ?2人とも。」
ユカラくんが頷く。
「同じ仕事で来たからね。ヒノデ区のジェイド王国大使館ってとこで一緒に暮らしてる。」
「きゃーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!」
言い終わると同時に女子の悲鳴もあがる。
あ、ヤバイ。
これも漫画で見たやつ。
よくあるやつ。
イケメンクラスメイトとひょんなことから、 共同生活することになる、的な漫画に似てる。
あっという間にクラスメイトに囲まれてしまった。
「あと子供みたいな大人がもうひとりと、俺の妹の4人なんだけど…」
ユカラくん、みんな聞いてません。
とりあえず、私からも大使館の人と、保護者の人(深雪ちゃん)と、ユカラくんの妹と住んでることを説明して、同棲してる誤解は解いた。
でも、同じ屋根の下に住んでいることに変わりは無いよね!
と、興奮はおさまらないようだ。
すると、私の前にいた女の子が呟いた。
「アズーロちゃんと、そういう関係じゃないなら、私、アタックしてみようかなー」
「だめ」
その子の袖を掴んだ。
「ユカラくんは……その、駄目。
ユカラくんは、私の……っ、私の……」
なんなんだろう………?
その子の袖から手を離して俯いて、黙ってたら、
片想いなのか、両思いなのか分からないけど、みんなの中で上手いこと解釈されて応援するよ!
と声をかけられた。
あ、これも少女漫画で見たことある。

[842 / 1000] ―― 《瓦礫の山》溢れる生命
[382 / 1000] ―― 《廃ビル》研がれる牙
[420 / 500] ―― 《森の学舎》より獰猛な戦型
[127 / 500] ―― 《白い岬》より精確な戦型
[233 / 500] ―― 《大通り》より堅固な戦型
[43 / 500] ―― 《商店街》より安定な戦型
[27 / 500] ―― 《鰻屋》より俊敏な戦型
―― Cross+Roseに映し出される。
白南海
黒い短髪に切れ長の目、青い瞳。
白スーツに黒Yシャツを襟を立てて着ている。
青色レンズの色付き眼鏡をしている。
エディアン
プラチナブロンドヘアに紫の瞳。
緑のタートルネックにジーンズ。眼鏡をかけている。
長い髪は適当なところで雑に結んである。
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白南海 「・・・・・おや、どうしました?まだ恐怖心が拭えねぇんすか?」 |
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エディアン 「・・・何を澄ました顔で。窓に勧誘したの、貴方ですよね。」 |
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白南海 「・・・・・・・・・」 |
落ち着きなくウロウロと歩き回っている白南海。
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白南海 「・・・・・・・・・あああぁぁワカァァ!! 俺これ嫌っすよぉぉ!!最初は世界を救うカッケー役割とか思ってたっすけどッ!!」 |
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エディアン 「わかわかわかわか・・・・・何を今更なっさけない。 そんなにワカが恋しいんです?そんなに頼もしいんです?」 |
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白南海 「・・・・・・・・・」 |
ゆらりと顔を上げ、微笑を浮かべる。
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白南海 「それはもう!若はとんでもねぇ器の持ち主でねぇッ!!」 |
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エディアン 「突然元気になった・・・・・」 |
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白南海 「俺が頼んだラーメンに若は、若のチャーシューメンのチャーシューを1枚分けてくれたんすよッ!!」 |
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エディアン 「・・・・・。・・・・他には?」 |
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白南海 「俺が501円のを1000円で買おうとしたとき、そっと1円足してくれたんすよ!!そっとッ!!」 |
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エディアン 「・・・・・あとは?」 |
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白南海 「俺が車道側歩いてたら、そっと車道側と代わってくれたんすよ!!そっとッ!!」 |
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エディアン 「・・・うーん。他の、あります?」 |
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白南海 「俺がアイスをシングルかダブルかで悩ん――」 |
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エディアン 「――あー、もういいです。いいでーす。」 |
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白南海 「・・・お分かりいただけましたか?若の素晴らしさ。」 |
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エディアン 「えぇぇーとってもーーー。」 |
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白南海 「いやー若の話をすると気分が良くなりますァ!」 |
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白南海 「・・・・・・・・・」 |
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白南海 「・・・・・・・・・あああぁぁワカァァ!!!!!!」 |
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エディアン 「・・・あーうるさい。帰りますよ?帰りますからねー。」 |
チャットが閉じられる――