朝起きる。
本を読む。
生きマネキンになる。
本を読む。
夜眠る。
朝起きる。
本を読む。
生きマネキンになる。
本を読む。
夜眠る。
・
・
・
この生活サイクルが出来上がって、どれくらい経っただろう?
ひとつの場所で落ち着いて生活を送るのには慣れていない。
慣れる暇もないくらいに、わたしの足取りは落ち着いていなかった。
最初に決めた『質問』ルールは、
少しずつ、少しずつ、わたしに知識を堆積させていった。
この世界《アンジニティ》は他の世界から隔絶され、内から出ることが能わないことを知った。
(何度も世界を渡ろうとしたが、そのたびに固く押し戻され、失意に沈んだ。)
この世界は驚くほど変化も実りもなく、そして危険に満ちていることを知った。
(諦めて、ここでおいしいものを探す、という希望はこの時点で潰えた。)
貴婦人の『仕事』は、努力の積み重ねと知識の蓄えによって成り立っていることを知った。
(一度『質問』して試したが、これらの本の内容をすべて暗記し、復唱できるようだった。)
貴婦人の言葉は厳しく、詰るような暴言も投げかけられた。
一度、反発の気持ちから貴婦人を食べることを考えた。
今まさに自分が着ている『衣服』を操ることができることに気づくと、諦めた。
(この屋敷のあらゆる場所に布が張られている。裸で襲っても同じことだろう。)
彼女には、勝てない。
ましてや、彼女無しではこの世界で生きられない。
わたしは生かされていた。
わたしはおとなしく知識をつけることにした。
貴婦人の本棚には幅広く専門書が取り揃えられており、
一方で娯楽的なものは少なかった。
……むかしから勉強は苦手だった。
本を読み進めるペースはあまりにも遅く、
すべてのページに目を通しても内容の大半を理解できないでいた。
広く、浅く、少しずつ、どうしても分からない箇所は『質問』を使いながら、
ゆっくりと知識を学んでいった。
〔 人形大全 〕
今日、新しく借りてきた本のタイトルだ。
ぱらぱらと捲り、飛び込んできた不気味なイラストに眉をひそめた。
人体を再現するための、複雑な造形を作り出すための、
工程が絵付きでひとつひとつ著されている。
作りかけの人形、禿げ頭、瞳の埋め込み。
人間らしいものが人間らしくない状態になっている。
ほとんどの絵が『美味しそう』には感じられないのが苦痛に感じた。
ぱらり、と捲ったページには、『手と腕の作り方』が大きく書き表されていた。
わたしは、気づいた。
『作る』 『腕を作る』
そのページを隅から隅まで覚え始めた。
■9:00
水着を買いに行きました。
コメットちゃんと、ふたりで。
家まで迎えに行って、
手を繋いで、くっついて。
一緒にバスに乗って、降りて、歩いて。
いろいろなお話をして。
夏になったら、一緒にプールに行こうって。
 |
サクマ 「…………。」 |
 |
サクマ 「ハザマにプールってあるかしら?どこか……。」 |
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サクマ 「もしあったら……。 みんな一緒に飛び込んでみたいわね。 あの子も、あの子も、あの子も――」 |
 |
サクマ 「……VRで気分だけでも味わえないかな。」 |
■時計
チトセ サクマ
飴を操る異能を持つ咎人。
常に新しい味覚に飢えている。
桃色の髪で、赤と黒の帽子をかぶっている。
 |
サクマ 「…………。」 |
 |
サクマ 「(ふたりが騒いでくれてるおかげで逆に冷静になれるな。 これがコメ付き実況プレイ動画の効果……。)」 |
 |
サクマ 「……運転手さんがニセモノってところは だいぶ当たってたなー。」 |
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サクマ 「うえのほうで誰かがわたしたちを見ている。 運転手さんを通してわたしたちに話しかけている。 うーん、なんだかな~……。」 |
 |
サクマ 「……それで、次のお題はヒノデコーポレーションか。 あの辺だと健作くんのいる倉庫が近かったっけ? カレは今どの辺にいるんだっけ……。」 |
 |
サクマ 「っていうか今の声の主、ダレ?」 |
■帰路
ウシ区とヒノデ区の境目、木立を抜けて川岸に立つ。
下流のほうに守護像が見えるだろうか?
目を凝らしても暗雲と赤いもやが遠方の景色を隠している。
近くのちょうど良さそうな岩に腰かけ、溜息を吐く。
約10時間ほど。
わたしたちがここに降り立ってから経過した時間だ。
その間にも、あちら側では冬が終わり、春が過ぎ去り、そして夏を迎えようとしている。
この時間の隔たりと、記憶の繋がりが、わたしたちを混乱させる。
……そもそもの話。
ただイバラシティを侵略することだけが目的であれば、
記憶を奪って潜伏してなり替わる……そのような回りくどいやり方をする必要はなかったはずだ。
そういう『異能』なのだと、理屈では理解できる。
しかし『主催者』がなぜそのような異能を発現させたのか、意志が不可解で仕方ない。
仮定するならば、それはやはり……――
「私も今回の試合には大変愉しませていただいております。」
――……このゲームを愉しんでいるのだ。
まるでスポーツ番組か何かを観戦するような感覚で。
 |
サクマ 「気に入らない。」 |
手近にあった石を川に投げ入れる。
どぷんという音を立て、黒く暗い水面が飛沫を上げる。
波紋が立つ前に流れに掻き消えていく。
それがフラストレーションを流し去っていくことはなかった。
動物園にいる動物たちは、誰でも安全に見物することができる。
でも、それは即ち動物たちが安全になったわけじゃない。
ひとたび檻から抜け出せば……
あるいは檻の中に入ってしまえば……
突然、牙を剥くことがある。
決して、勘違いをしてはいけない。
仲間の呼ぶ声がする。そろそろ時間だ。
立ち上がり、返事をする。
わたしたちは帰路につく。
次なる戦地を求めて。
Shannon(164) に
30 PS 送付しました。
アンジー(1223) に
85 PS 送付しました。
プテラ(561) から
40 PS 受け取りました。
 |
プテラ 「杖の装飾の分(武器)だよ。 ちゃんと足りてるかな?」 |
ララフィラ(977) に
ItemNo.1 猫目石 を送付しました。
ペーター(557) に
ItemNo.2 木瓜 を送付しました。
エリカ(649) に
ItemNo.10 爪 を送付しました。
Shannon(164) から
ド根性雑草 を受け取りました。
 |
(やりとり終えたその直後、素知らぬ顔で袋が一つ。) |
雫玖(210) から
紅槐枝 を受け取りました。
ララフィラ(977) から
さわやかサマーワンピ を受け取りました。
アンジー(1223) から
氷のナイフ を受け取りました。
 |
アンジー 「そんじゃ適当に処理頼むわ。」 |
具現LV を
15 DOWN。(LV15⇒
0、+15CP、-15FP)
響鳴LV を
3 DOWN。(LV15⇒
12、+3CP、-3FP)
武術LV を
3 UP!(LV17⇒
20、-3CP)
百薬LV を
20 UP!(LV0⇒
20、-20CP)
装飾LV を
5 UP!(LV62⇒
67、-5CP)
ItemNo.14 エナジー棒 に ItemNo.2 紅槐枝 を合成実験しようとしましたが、LVが足りないようです。
ItemNo.14 エナジー棒 に ItemNo.12 氷のナイフ を合成実験しようとしましたが、LVが足りないようです。
ItemNo.14 エナジー棒 に ItemNo.13 を合成実験しようとしましたが、合成材料を見失ってしまいました。
ぺちか(34) により
ItemNo.5 試製武装α【銅月】 に
ItemNo.8 キャンディーリング を合成してもらい、
駄物 に変化させました!
⇒ 駄物/素材:強さ10/[武器]攻撃10(LV50)[防具]活力10(LV50)[装飾]体力10(LV50)/
特殊アイテム
ペーター(557) により
ItemNo.4 コートジャケット に
ItemNo.2 紅槐枝 を合成してもらい、
駄物 に変化させました!
⇒ 駄物/素材:強さ10/[武器]攻撃10(LV50)[防具]活力10(LV50)[装飾]体力10(LV50)/
特殊アイテム
《冒涜する天秤》(512) とカードを交換しました!
暁闇の摂理
(ディメンションブレイク)
クリエイト:モンスター を研究しました!(深度0⇒
1)
イディオータ を研究しました!(深度0⇒
1)
イクスプロージョン を研究しました!(深度0⇒
1)
肉体変調耐性 を習得!
パラライズ を習得!
パワフルポーション を習得!
水特性回復 を習得!
エネルジコ を習得!
医食同源 を習得!
ドラスティックレメディ を習得!
◇通常獲得:各CP・FPが5増加した!

[822 / 1000] ―― 《瓦礫の山》溢れる生命
[375 / 1000] ―― 《廃ビル》研がれる牙
[396 / 500] ―― 《森の学舎》より獰猛な戦型
[117 / 500] ―― 《白い岬》より精確な戦型
[185 / 500] ―― 《大通り》より堅固な戦型
―― Cross+Roseに映し出される。
アンドリュウ
紫の瞳、金髪ドレッドヘア。
体格の良い気さくなお兄さん。
料理好き、エプロン姿が何か似合っている。
ロジエッタ
水色の瞳、菫色の長髪。
大人しそうな小さな女の子。
黒いドレスを身につけ、男の子の人形を大事そうに抱えている。
エディアン
プラチナブロンドヘアに紫の瞳。
緑のタートルネックにジーンズ。眼鏡をかけている。
長い髪は適当なところで雑に結んである。
白南海
黒い短髪に切れ長の目、青い瞳。
白スーツに黒Yシャツを襟を立てて着ている。
青色レンズの色付き眼鏡をしている。
 |
アンドリュウ 「ヘーイ!皆さんオゲンキですかー!!」 |
 |
ロジエッタ 「チャット・・・・・できた。・・・ん、あれ・・・?」 |
 |
エディアン 「あらあら賑やかですねぇ!!」 |
 |
白南海 「・・・ンだこりゃ。既に退室してぇんだが、おい。」 |
チャット画面に映る、4人の姿。
 |
ロジエッタ 「ぁ・・・ぅ・・・・・初めまして。」 |
 |
アンドリュウ 「はーじめまして!!アンドウリュウいいまーすっ!!」 |
 |
エディアン 「はーじめまして!エディアンカーグいいまーすっ!!」 |
 |
白南海 「ロストのおふたりですか。いきなり何用です?」 |
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アンドリュウ 「用・・・用・・・・・そうですねー・・・」 |
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アンドリュウ 「・・・特にないでーす!!」 |
 |
ロジエッタ 「私も別に・・・・・ ・・・ ・・・暇だったから。」 |
少しの間、無音となる。
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エディアン 「えぇえぇ!暇ですよねー!!いいんですよーそれでー。」 |
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ロジエッタ 「・・・・・なんか、いい匂いする。」 |
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エディアン 「ん・・・?そういえばほんのりと甘い香りがしますねぇ。」 |
くんくんと匂いを嗅ぐふたり。
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アンドリュウ 「それはわたくしでございますなぁ! さっきまで少しCookingしていたのです!」 |
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エディアン 「・・・!!もしかして甘いものですかーっ!!?」 |
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アンドリュウ 「Yes!ほおぼねとろけるスイーツ!!」 |
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ロジエッタ 「貴方が・・・?美味しく作れるのかしら。」 |
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アンドリュウ 「自信はございまーす!お店、出したいくらいですよー?」 |
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ロジエッタ 「プロじゃないのね・・・素人の作るものなんて自己満足レベルでしょう?」 |
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アンドリュウ 「ムムム・・・・・厳しいおじょーさん。」 |
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アンドリュウ 「でしたら勝負でーすっ!! わたくしのスイーツ、食べ残せるものなら食べ残してごらんなさーい!」 |
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エディアン 「・・・・・!!」 |
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エディアン 「た、確かに疑わしい!素人ですものね!!!! それは私も審査しますよぉー!!・・・審査しないとですよッ!!」 |
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アンドリュウ 「かかってこいでーす! ・・・ともあれ材料集まんないとでーすねー!!」 |
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ロジエッタ 「大した自信ですね。私の舌を満足させるのは難しいですわよ。 何せ私の家で出されるデザートといえば――」 |
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エディアン 「皆さん急務ですよこれは!急務ですッ!! ハザマはスイーツ提供がやたらと期待できちゃいますねぇ!!」 |
3人の様子を遠目に眺める白南海。
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白南海 「まぁ甘いもんの話ばっか、飽きないっすねぇ。 ・・・そもそも毎時強制のわりに、案内することなんてそんな無ぇっつぅ・・・な。」 |
 |
白南海 「・・・・・物騒な情報はノーセンキューですがね。ほんと。」 |
チャットが閉じられる――