■幕間
【8:00:00】
「なあなあ、お前ら。『演習』してみたくねえか」
「互いの実力は実際に戦って知るのが一番手っ取り早ぇ」
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薙ぐ。
突く。
傷だらけの少女の声に気を取られた隙、
懐に刃が飛んで来る。
咄嗟に往なした。
──やがて、双方は武器を下ろす。
『侵略者』同士の闘いは、終わりを迎えた。
おれ達は二班に別れ、演習試合を行っていたのだった。
普段イバラシティの住民に向けているチカラを互いの身で知り、試す。
ものは試しだったけれど、良い経験になったと思う。
異能を持たぬ並の人間ならば、きっと太刀打ちはできない。
まるで呪いが形を成したように、
憎悪ごと刃に込めた斬撃を繰り出すレスター。
それに”神さま”の召喚術は、こちらのチームでも警戒していた。
あの……生者? 死人?
どちらとも付かぬ奇妙な気を持つ、緑髪のあの男。
未知ゆえに、手も読めない。
それから、雛菊。
彼女自身は『侵略者』とは思えぬほど温厚だけれど、行動は的確だ。
戦場に似つかわぬ、きれいな歌は。
ふしぎと聞き惚れるうちに、身体が勝手に動いてしまう。
……祐善が前線に出たのは、予想外だった。
取り分け、あの、レスターと、並び立っていたのだ。
一息ついたところで、隣に並ぶ遼馬の方を見た。
……いけ好かない奴。
だから、あれを提案したのだ。
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怨霊 高国藤久 「なあ、もしおれらが演習で負けたらさ。 なんか罰ゲームしようぜ。 何か有ったほうが燃えるだろ」 |
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怨霊 高国藤久 「人生で有った恥ずかしいコト! ──とかさ。 あ、別に気になる女子の好きなトコとかでもいーよ」 |
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杉乃 遼馬 「は、そうだな。 “負けなかったら、命中率の低い方が罰ゲーム”を、追加しないか? そっちの方が、気が緩まなくて良いだろう?」 |
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怨霊 高国藤久 「(…………まったく、いけ好かない)」 |
嫌がらせ代わりに言ってくれたっていうのに。
まあでも、おれが負けることなんて無いだろう。
あいつは生者のくせに中々動きが良いけれど、
こちとら人の身を棄て、怨霊に変じたモノ。
まさかおれが罰ゲームを受けることなんて──
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雛菊 「それじゃ、結果発表するよー?」 |
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雛菊 「守護に弾かれた分は計上しないとして、 藤久、36攻撃中36ヒットで命中率100%。 遼馬、23攻撃中23ヒットで命中率100%」 |
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雛菊 「同率、勝者なしという訳で……罰ゲームはふたりとも、かな?」 |
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怨霊 高国藤久 「…………」 |
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怨霊 高国藤久 「しょ、勝者なしってことは! チャラになったり……しねえの!?」 |
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雛菊 「う~ん。しないかな?」 |
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杉乃 遼馬 「は。雛菊を審判に選んだのはおまえだろ。 それとも、罰ゲームから逃げんのか?」 |
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雛菊 「ふふ。藤久の恥ずかしい話、聞いてみたいな~」 |
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怨霊 高国藤久 「はあ!? ……ぐ、く…………、くそ……!」 |
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怨霊 高国藤久 「……じゃあ、聞かせてやるよ。誰にも言うなよ! おれの、『人生であった恥ずかしいこと』」 |
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怨霊 高国藤久 「……このセーラー服さ。もうぼろぼろだけど……よく見ろよ、少し丈が短いだろ。 別に誰かのお下がりとか、成長したから小さくなった……、 とかじゃなくてさ。自分で切って短くしたんだ」 |
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怨霊 高国藤久 「……あの頃流行ってたんだよ! 水夫達の間で何か? そういう着崩しが粋? みたいな? イバラシティ風に言うと、モテる……みたいな?」 |
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怨霊 高国藤久 「………………」 |
少年は顔を抑えた。
視線だけをそちらに向ける。
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怨霊 高国藤久 「…………はい、約束は守ったからな。 次! 話せよ!」 |
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杉乃 遼馬 「……おまえも、そういうの気にする奴だったんだな」 |
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雛菊 「微笑ましいエピソードだと思うよ?」 |
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雛菊 「ビシッとした水兵服も似合うんだろうけど、うん。 丈は短めで襟口周りがぶかぶかしているのって、可愛いよね」 |
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杉乃 遼馬 「………雛菊」 |
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雛菊 「?」 |
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杉乃 遼馬 「……いや」 |
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杉乃 遼馬 「こっちの番、か。そっちも絶対に他言するなよ。
高1の春、猫に群がられて猫山になった挙句、 警察に世話になったことがある」 |
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雛菊 「あれ? それ、あたし知らない」 |
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杉乃 遼馬 「……知られてる話だったら、フェアじゃないだろ」 |
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杉乃 遼馬 「まあ、生き物全般───特にじゃれついてくる犬や猫が苦手で、 出来るだけ距離をとるようにしてたんだが、油断してだな……。
振り払うのも摘み上げるのも出来なくて途方に暮れていたら、 サボりだと思ったらしい警察官に声を掛けられ助けられた」 |
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杉乃 遼馬 「………………以上」 |
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怨霊 高国藤久 「へえ……。それで? 猫が? ニガテなんだ? 群がられて………………猫まみれになって…………お前が?」 |
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めちゃくちゃ腹立つ顔で煽り笑いする怨霊 高国藤久
「 」
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怨霊 高国藤久 「くくっ、あは、あははっ、ひぃっ……!! 異能持ちの人間は大変だなあ!!」 |
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杉乃 遼馬 「………………」 |
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杉乃 遼馬 「犬猫と違って、おまえ相手に遠慮は不要だよな?」 |
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怨霊 高国藤久 「あっは。やるか? いいぜ。 なあ、おれはいつだって、お前を沈めてやりたいと──」 |
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雛菊 「ふたりとも。ステイ、ステイ」 |
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雛菊 「喧嘩するなら、次の演習の機会にね? ちさたちを待たせているし、あんまり時間がないから今回はお預けということで」 |
顔を見合わせる。
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怨霊 高国藤久 「…………分かったよ。ふん、雛菊に救われたな」 |
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杉乃 遼馬 「………次の演習が楽しみだな」 |
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雛菊 「ふふ。ありがとう、ふたりとも」 |
別に他言なんてするつもりは、ないけど。
だって、例え言ったとしても、相手は祐善やレスターだし。
レスターに言ったら『言いふらしたのか』みたいな反応されそうだし。(※イメージ)
……生前のおれには元々、異能なんて無かった。
そも、『否定』される前にいた場所では、異能者なんて言葉は存在せず。
なんの変わった力も持たぬ、唯の人間だった。
ヒトならざる怪奇のチカラも。
水を操るチカラも。
”同じにした”ニンゲンのなれはてを、操るチカラも。
すべて、すべて。
ずっと望んでいたら、いつの間にか発現していた、誰かを沈めるためのチカラ。
あの街のおれの異能は。違和を感じさせない為に、
それを『イバラシティの人間の異能』として修正したものに過ぎない。
──ああ、やっぱり、キライだ! 生者なんて!
言葉を交わす度、生と死の間にある深い深い溝が浮き彫りになる。
届かないことが、わかってしまう!
なんでアンジニティなんかについたんだ。
家族は。友だちは。これまでの人生は。お前が培ってきたもの、全ては。
《否定の世界》という異物、ひとつで。ぽい、と投げ捨てられるものだっていうのか。
あいつの心情なんて知らない。理由だって、殆ど知らない。
でもきっと、ひとつひとつ説明されたって。
理解なんて、できやしない。
そうに決まってる!
祐善だってそうだ!
なんであの時、前線に立ったんだ。あんなに痛そうな身体をしてるじゃないか。
何かの気持ちの変化? レスターの立つ場所を、理解しようとでもしたのか?
レスターは殺人鬼なんだ。
だってだって、あの切創。祐善の死因はきっと。
やめてくれよ。
良いやつになんてなるなよ。
おれだけが、まるで。
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置いていかないでくれ。
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違う。
違うよ。
置いていかれたんじゃない。
誰もそうしようなんて、思ってちゃいなかった。
ずっと停滞していたのはきっと、
前に歩もうとしなかったのはきっと、
だって。
もう足なんて、無いじゃないか。
命術LV を
3 DOWN。(LV15⇒
12、+3CP、-3FP)
時空LV を
5 UP!(LV0⇒
5、-5CP)
具現LV を
5 UP!(LV10⇒
15、-5CP)
料理LV を
5 UP!(LV57⇒
62、-5CP)
“移ろふ者共”(414) により
ItemNo.7 毒鉄鉱 から射程2の武器『
小刀『潮盈珠』』を作製してもらいました!
⇒ 小刀『潮盈珠』/武器:強さ180/[効果1]疫病15 [効果2]- [効果3]-【射程2】
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“ ” 「藤久、演習お疲れ様。 ……これ、賞品ってわけじゃないけど。よかったら受け取って」 |
ItemNo.18 ビーフ から料理『
肉巻きおにぎり』をつくりました!
⇒ 技巧料理![ 5 6 5 = 16 ]成功!料理の強さが増加!
⇒ 肉巻きおにぎり/料理:強さ75/[効果1]活力5 [効果2]体力5 [効果3]防御5
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怨霊 高国藤久 「すげえ……肉だ! 何年ぶりだ? 馳走じゃねえか。 魚入りはしょっちゅう食ってたけどさ」 |
“移ろふ者共”(414) の持つ
ItemNo.16 禁断じゃない果実 から料理『
梅干しおにぎり』をつくりました!
⇒ 技巧料理![ 2 2 2 = 6 ]成功!料理の強さが増加!
杉乃(1139) により
ItemNo.7 小刀『潮盈珠』 に
ItemNo.23 何か固い物体 を付加してもらいました!
⇒ 小刀『潮盈珠』/武器:強さ180/[効果1]疫病15 [効果2]攻撃10 [効果3]-【射程2】
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雛菊 「藤久はさ、何味のおにぎりが好き? ふふ、そろそろベースキャンプに戻るでしょう? 現地採取は中々難しいから、たくさん食材買い込もうね」 |
血染めの月(307) とカードを交換しました!
瀉血
(パワフルヒール)
ティンダー を研究しました!(深度0⇒
1)
ティンダー を研究しました!(深度1⇒
2)
エアブレイド を研究しました!(深度0⇒
1)
エアブレイド を習得!
インビジブルウォール を習得!
サモン:サーヴァント を習得!
集気 を習得!
サモン:スプーキーアイ を習得!
◇通常獲得:各CP・FPが5増加した!

[816 / 1000] ―― 《瓦礫の山》溢れる生命
[370 / 1000] ―― 《廃ビル》研がれる牙
[367 / 500] ―― 《森の学舎》より獰猛な戦型
[104 / 500] ―― 《白い岬》より精確な戦型
[147 / 500] ―― 《大通り》より堅固な戦型
―― Cross+Roseに映し出される。
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白南海 「・・・・・・・・・」 |
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エディアン 「・・・・・・・・」 |
白南海
黒い短髪に切れ長の目、青い瞳。
白スーツに黒Yシャツを襟を立てて着ている。
青色レンズの色付き眼鏡をしている。
エディアン
プラチナブロンドヘアに紫の瞳。
緑のタートルネックにジーンズ。眼鏡をかけている。
長い髪は適当なところで雑に結んである。
チャット画面にふたりの姿が映る。
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白南海 「・・・・・・・・・」 |
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エディアン 「・・・・・・・・」 |
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白南海 「・・・怖いだろうがよ。」 |
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エディアン 「・・・勘弁してくれませんか。」 |
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白南海 「ナレハテってあの!アレだろォッ!!?ドッロドロしてんじゃねーっすか!! なんすかあれキッモいのッ!!うげぇぇぇぇうげえええぇぇぇ!!!!!!」 |
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エディアン 「私だって嫌ですよあんなの・・・・・ ・・・え、案内役って影響力どういう扱いに・・・??私達は関係ないですよね・・・????」 |
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白南海 「あんたアンジニティならそーゆーの平気じゃねーんすか? 何かアンジニティってそういう、変な、キモいの多いんじゃ?」 |
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エディアン 「こんな麗しき乙女を前に、ド偏見を撒き散らさないでくれます? 貴方こそ、アレな業界の人間なら似たようなの見慣れてるでしょうに。」 |
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白南海 「あいにくウチはキレイなお仕事しかしてないもんで。えぇ、本当にキレイなもんで。」 |
ドライバーさんから伝えられた内容に動揺している様子のふたり。
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白南海 「・・・っつーか、あれ本当にドライバーのオヤジっすか?何か雰囲気違くねぇ・・・??」 |
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エディアン 「まぁ別の何か、でしょうね。 雰囲気も言ってることも別人みたいでしたし。普通に、スワップ発動者さん?・・・うーん。」 |
ザザッ――
チャットに雑音が混じる・・・
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エディアン 「・・・・・?なんでしょう、何か変な雑音が。」 |
ザザッ――
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白南海 「ただの故障じゃねーっすか。」 |
ザザッ――
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声 「――・・・レーション、ヒノデコーポレーション。 襲撃に・・・・・・・・いる・・・ 大量・・・・・こ・・・・・・死体・・・・・・ゾ・・・・・・」 |
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声 「・・・・・ゾンビだッ!!!!助け――」 |
ザザッ――
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白南海 「・・・・・・・・・」 |
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エディアン 「・・・・・・・・・」 |
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白南海 「ホラーはぁぁ――ッ!!!!
やぁぁめろォォ―――ッ!!!!」 |
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エディアン 「勘弁してください勘弁してくださいマジ勘弁してください。 ホラーはプレイしないんですコメ付き実況でしか見れないんですやめてください。」 |
チャットが閉じられる――