
辺見を助けた。合流できてよかった。あいつをみんなの元へと送り出せた。
俺も早く合流しないとな。・・・いや、っていうかさ。
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晴 「なんで俺はひとりでいるんだぁあ!?!?!?」 |
おかしい。俺は確かにさっきまで辺見と一緒にいて。それで、二人になったところを敵に襲われて・・・。
そこからの記憶が曖昧だ。
その敵は倒しきることができなかったことは覚えているけど。
・・・俺はもしかして、そんな奴からも逃げ出したのか?それで、一人になってこうなっているのか?
そうだとしたら俺はどれだけだらしなくて恥ずかしいやつなんだ?
俺はいつだってそうだ。怖いものからは逃げ出して、嫌なことからも逃げ出して。
そんな俺が辺見を守る?思い上がりも甚だしいな。気持ちが悪い。
こんなところに来て、少し戦えるようになって思い上がりでもしてしまったか?
俺はいつだってだれかの後ろに隠れて一人では何もできなくて。
一人で出来ることなんて自分を慰めることくらいの奴が。そんな雑魚でバカでどうしようもないやつが
そんな俺が
本当に誰かを守るなんてことができると思っているのか?
・・・いけない。一人になっているから気持ちも落ち込んでるんだ。落ち着け俺。今こんなところを誰かに見つかって殺されでもしたら
足が震える。手が震える。身体が・・・震えてきた。
ダメだ。くじけてしまう。俺はこのまま何もできなくなくなってしまうのか?
ここで死んでしまうのか?
嫌だ。嫌だ
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!!!
俺はこんなところで死にたくない。俺は絶対にイバラに帰るんだ。例え自分の力でそんなことができなくたって。
だって向こうには。俺に明るい未来があるはずなんだか。こんな
暗くてどうしようもないとことは違って。

[770 / 1000] ―― 《瓦礫の山》溢れる生命
[336 / 1000] ―― 《廃ビル》研がれる牙
[145 / 500] ―― 《森の学舎》より獰猛な戦型
[31 / 500] ―― 《白い岬》より精確な戦型
―― Cross+Roseに映し出される。
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白南海 「うんうん、順調じゃねーっすか。 あとやっぱうるせーのは居ねぇほうが断然いいっすね。」 |
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白南海 「いいから早くこれ終わって若に会いたいっすねぇまったく。 もう世界がどうなろうと一緒に歩んでいきやしょうワカァァ――」 |
カオリ
黒髪のサイドテールに赤い瞳、橙色の着物の少女。
カグハと瓜二つの顔をしている。
カグハ
黒髪のサイドテールに赤い瞳、桃色の着物の少女。
カオリと瓜二つの顔をしている。
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カグハ 「・・・わ、変なひとだ。」 |
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カオリ 「ちぃーっす!!」 |
チャット画面に映し出されるふたり。
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白南海 「――ん、んんッ・・・・・ ・・・なんすか。 お前らは・・・あぁ、梅楽園の団子むすめっこか。」 |
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カオリ 「チャットにいたからお邪魔してみようかなって!ごあいさつ!!」 |
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カグハ 「ちぃーっす。」 |
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白南海 「勝手に人の部屋に入るもんじゃねぇぞ、ガキンチョ。」 |
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カオリ 「勝手って、みんなに発信してるじゃんこのチャット。」 |
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カグハ 「・・・寂しがりや?」 |
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白南海 「・・・そ、操作ミスってたのか。クソ。・・・クソ。」 |
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白南海 「そういや、お前らは・・・・・ロストじゃねぇんよなぁ?」 |
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カグハ 「違うよー。」 |
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カオリ 「私はイバラシティ生まれのイバラシティ育ち!」 |
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白南海 「・・・・・は?なんだこっち側かよ。 だったらアンジニティ側に団子渡すなっての。イバラシティがどうなってもいいのか?」 |
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カオリ 「あ、・・・・・んー、・・・それがそれが。カグハちゃんは、アンジニティ側なの。」 |
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カグハ 「・・・・・」 |
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白南海 「なんだそりゃ。ガキのくせに、破滅願望でもあんのか?」 |
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カグハ 「・・・・・その・・・」 |
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カオリ 「うーあーやめやめ!帰ろうカグハちゃん!!」 |
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カオリ 「とにかく私たちは能力を使ってお団子を作ることにしたの! ロストのことは偶然そうなっただけだしっ!!」 |
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カグハ 「・・・カオリちゃん、やっぱり私――」 |
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カオリ 「そ、それじゃーね!バイビーン!!」 |
チャットから消えるふたり。
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白南海 「・・・・・ま、別にいいんすけどね。事情はそれぞれ、あるわな。」 |
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白南海 「でも何も、あんな子供を巻き込むことぁねぇだろ。なぁ主催者さんよ・・・」 |
チャットが閉じられる――