“ きらきらひかる小さな星。 ”
“ きみは何者だっただろう。 ”
“ 宝石のように眩くて。 ”
“ けれど、手を伸ばしてみたって届かない。 ”
“ ささやかなきらめきに、焦がれていた。 ”
“ ……きみは一体、どんな形をしていただろうか。 ”
白く燃ゆる星は、一心に瞬く。
その身体を焼べて、静かに終わってゆく。
けれど。
遠く温かな光の、その優しさで。
冷たく固くなったことを、こどもたちはまだ知らないままだ。
暗闇をひとつ明かされる度に、少しずつ大人になっていく。
こどもたちは、きっと星の瞬きに似ている。
時が満ちるたび瞬いて、少しずつ大切なものを欠いてゆく。
元の形に戻ることはない。 解けた魔法は息を吹き返さない。
それでもわたしは、冷えてゆく手を伸ばさずにはいられない。
届かぬあの星が、いつまでもそこにあるのだと。
いつまでも、信じていたいから。
輝きは今もまだ、まぼろしの中で生き続けている。
─ ─ ─
その日のことはよく覚えている。
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「おはよう。……ちゃんと眠れた? ご飯、今から温めるね」 |
その日、目覚めたのは珍しく昼過ぎで。
慣れないことにまだ手際もぎこちないカズは、食器を洗う片手間で私へ声を掛けた。
曖昧な喪失感を引き摺ったままの私は、その様子をぼんやりと見上げていた。
いつもならきっと怒ったのに、その日のカズはそんなことなくて。
寝坊をして、返事もしない私を、ひたすらに優しく扱うだけだった。
先日の雷雨が嘘のように、うららかな日差しを大きな窓が透かしていた。
春を待ちわびたような、淡く解ける温度を眺む。
無情にも友人を置き去りに、皮肉にも春は訪れていた。
それは、これからも少しずつ忘れ去られて。
静かに終わっていく。
……違う。多分、ずっとそうだった。
始まりの片隅には、いつだって終わりがある。
私がそれを知らなかっただけだ。
その晩は、酷い雷雨だった。その実、春雷であったのだろう。
冷たい粒が乱暴に窓を叩いて、轟音が容赦もなく落ちてくる。
こども心に、初めて空を怖いと思った。
思えば、それは予感であったのかもしれない。
夜が明けて、長靴を履く以外はいつも通りに庭へ出て。
そうしてから初めて、変わり果てたものを見た。
いかずちが止まり木にするには、あの体は優しすぎた。
傷は深くまでを苛んで。
もう、花は咲かないのだと。カズは言った。
童心の私は、何もできずに。何もできないままに、ただ。
二度と訪れない春を、空っぽの心で見つめていた。
しょうがなかったのだ、と。
そんな言葉がふつりと沸いた。
言い聞かせるような出任せは、誰かから向けられたものでなかった。
私がこどもをやめてしまったとすれば、そのときであったかもしれない。
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「──……」 |
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「……誘乃くん?」 |
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「それって、……桜の花? どこから……」 |
「……」
「花……?」
繰り返した声は自分のものなのだと、音を聞いてから思い出す。
手を拭って冷蔵庫へ向かおうとした姿は、足を止めていて。
カズは瞬いて、奇異なものにそうするように、私を見つめていた。
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「おはな、どこから取ってきたの?」 |
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「え、えと……それって魔法?」 |
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「お庭の桜とおそろいみたい! いいなあ」 |
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「ねえ、また散らかしてる! カズに言っちゃうもんね」 |
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「あ……ありがとう。 桜、すごかったよ。こんな時じゃなきゃ、ゆっくり見られたんだけど……」 |
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「桜の花弁って綺麗だから、 ついつい目を向けてたら、違うなって……て、手荒になんか扱いません、絶対!」 |
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「うわ! 桜じゃん! これヨシがしてるの!? すげー! いいなー! 超いい!」 |
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「すごい、これって誘乃君の異能? もしかして教室の花弁ってこれだったのかな。きれい……」 |
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「……ひゅぅ。やるじゃんヨッシー。 これが無粋だったらみーんな無粋になっちゃうよ」 |
愛らしい薄紅色の花弁。
異能と呼ばれるもの。私の個性。私の一部。
けれどそれが私の異能であると気づくのには、いつでも暫くの時間が掛かった。
「……カズ」
だって。
「花って、なに……?」
そんなもの、もう。どこにもないのに。
深く傷ついた桜の、二度と咲かない世界。
そこにひとり取り残されたのだと気づいたのは、それから。
そんな日だったから。今でもまだ、忘れることはできない。
私だけが、こども騙しの虚構だと知っていた。
酷く冷たい温度を受け容れた私に生まれたのは、大人になれない悪足掻きのような力。
私には、いつでも“本当”しか見えない。
──この世の何処かには、否定の世界があるという。
ああ、それじゃあ。私の“嘘”は、きっと私に「否定」されてしまったのかもしれない。
他愛もない噂をやり過ごしながら、そうやって笑える程には。もうなんでもない話だ。
まほら園のその庭には、永劫満開の花が咲いているのだという。
異能
『“myth”ing-bloom』
隠したいと思うものを隠すための花。
或いは、吐きたかった“願い”の具現。
作楽誘乃はその異能を好ましいと思った。
優しいまぼろしは、今日という日に至るまで。私の眼には映らない。
【これは、作楽誘乃の異能の話。】
大黒猫 と別れました。
チンピラ をエイドとして招き入れました!
マテバ(541) に
ItemNo.19 皮 を送付しました。
時空LV を
5 UP!(LV10⇒
15、-5CP)
合成LV を
5 UP!(LV0⇒
5、-5CP)
ItemNo.1 不思議な武器 に
ItemNo.2 不思議な防具 を合成し、
駄物 に変化させました!
⇒ 駄物/素材:強さ10/[武器]攻撃10(LV50)[防具]活力10(LV50)[装飾]体力10(LV50)/
特殊アイテム
星を背負う影(890) により
ItemNo.14 木瓜 から魔晶『
爛漫の道標』を作製してもらいました!
⇒ 爛漫の道標/魔晶:強さ45/[効果1]器用10 [効果2]- [効果3]充填10
ItemNo.6 破滅の端 に
ItemNo.13 駄石 を付加しました!
⇒ 破滅の端/武器:強さ55/[効果1]攻撃10 [効果2]体力10 [効果3]-【射程2】
アリスリアラ(951) の持つ
ItemNo.13 魔杖『タイムリーフ+』 に
ItemNo.18 不思議な牙 を付加しました!
傲慢たる敗者(437) とカードを交換しました!
アルタキエラ
(ツインブラスト)
パワフルヒール を研究しました!(深度1⇒
2)
エアスラッシュ を研究しました!(深度0⇒
1)
ワンオンキル を研究しました!(深度0⇒
1)
風の祝福 を習得!
サモン:シルフ を習得!
ヒールウィンド を習得!
◇通常獲得:各CP・FPが5増加した!

[770 / 1000] ―― 《瓦礫の山》溢れる生命
[336 / 1000] ―― 《廃ビル》研がれる牙
[145 / 500] ―― 《森の学舎》より獰猛な戦型
[31 / 500] ―― 《白い岬》より精確な戦型
―― Cross+Roseに映し出される。
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白南海 「うんうん、順調じゃねーっすか。 あとやっぱうるせーのは居ねぇほうが断然いいっすね。」 |
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白南海 「いいから早くこれ終わって若に会いたいっすねぇまったく。 もう世界がどうなろうと一緒に歩んでいきやしょうワカァァ――」 |
カオリ
黒髪のサイドテールに赤い瞳、橙色の着物の少女。
カグハと瓜二つの顔をしている。
カグハ
黒髪のサイドテールに赤い瞳、桃色の着物の少女。
カオリと瓜二つの顔をしている。
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カグハ 「・・・わ、変なひとだ。」 |
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カオリ 「ちぃーっす!!」 |
チャット画面に映し出されるふたり。
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白南海 「――ん、んんッ・・・・・ ・・・なんすか。 お前らは・・・あぁ、梅楽園の団子むすめっこか。」 |
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カオリ 「チャットにいたからお邪魔してみようかなって!ごあいさつ!!」 |
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カグハ 「ちぃーっす。」 |
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白南海 「勝手に人の部屋に入るもんじゃねぇぞ、ガキンチョ。」 |
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カオリ 「勝手って、みんなに発信してるじゃんこのチャット。」 |
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カグハ 「・・・寂しがりや?」 |
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白南海 「・・・そ、操作ミスってたのか。クソ。・・・クソ。」 |
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白南海 「そういや、お前らは・・・・・ロストじゃねぇんよなぁ?」 |
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カグハ 「違うよー。」 |
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カオリ 「私はイバラシティ生まれのイバラシティ育ち!」 |
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白南海 「・・・・・は?なんだこっち側かよ。 だったらアンジニティ側に団子渡すなっての。イバラシティがどうなってもいいのか?」 |
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カオリ 「あ、・・・・・んー、・・・それがそれが。カグハちゃんは、アンジニティ側なの。」 |
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カグハ 「・・・・・」 |
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白南海 「なんだそりゃ。ガキのくせに、破滅願望でもあんのか?」 |
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カグハ 「・・・・・その・・・」 |
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カオリ 「うーあーやめやめ!帰ろうカグハちゃん!!」 |
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カオリ 「とにかく私たちは能力を使ってお団子を作ることにしたの! ロストのことは偶然そうなっただけだしっ!!」 |
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カグハ 「・・・カオリちゃん、やっぱり私――」 |
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カオリ 「そ、それじゃーね!バイビーン!!」 |
チャットから消えるふたり。
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白南海 「・・・・・ま、別にいいんすけどね。事情はそれぞれ、あるわな。」 |
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白南海 「でも何も、あんな子供を巻き込むことぁねぇだろ。なぁ主催者さんよ・・・」 |
チャットが閉じられる――