リーリア・サッハロヴァの手記
(全てロシア語で書かれている)
11月某日
あの奇跡の日から数日。私はイバラシティに降り立った。
入手したモノを仲介者経由で売り払い、数年は確実に食事に困らないであろう資金を入手した。
私はあそこで夢が出来た。そのためには大学を出る必要がある。
しかし私は高校中退の身。以前居た高校に連絡を取り、編入の手続きをお願いしよう。
11月某日
運良く相良伊橋高校に編入することが出来た。しかも特進コース!願ってもないことだ。
ただ、問題が一つ。
日本語は喋れるのだが、日本語が読めない。
日本で生きていくには致命的な問題だ。それも学問の戸を叩くのであれば。
学校の先生にも相談してみよう。
隣の席のラザーという子はなかなかに志が高い子のようだ。良い競争相手になりそう。
しかし、なんでだろう。
ナイフを手放せなくなった。
持っていても危険しか無いだろうに。
危険が身に迫っている気がする。
パーシャ姉ちゃんに相談してみよう。
11月某日
どうも危機感は当たっていたらしい。昔からよくパーシャ姉ちゃんには『勘がいい』って言われてるけど、ほんと当たるなぁ。
取り敢えずの戦う準備は出来た。後私にできそうなのは…事が起こってしまった時に、誰かを救うための手段。
医学書とか、色々手をつけておこう。もう、誰も失いたくはないから。
11月某日
小テストの結果が思った以上に悪かった。
日本語がきちんと読めてないせいだ。
日本語の勉強もしないと、と思いつつも。優先順位はやっぱり治療のスキルに偏ってしまう。
『やらねばならない』という脅迫概念が頭から離れない。
11月某日
倒れてしまった。危うく腰の物も露見するところだった。気をつけないと。
でも保険医と面識を持てたのは良かった。今度異能について聞いてみよう。
12月某日
日本語、ちゃんと勉強したけど思ったより芳しくなかった。
これでちゃんと大学行けるかなぁ…
12月某日
ゲームというものを初めてした。初めて会った人たちもすごくいい人達だった。
また一緒にゲームしたいなぁ。
12月某日
花火超楽しかった!ほんと、ああいうことするのいつぶりだったんだろう。
色々台無しになっちゃった感はあるけど、楽しかったから良いや。
12月某日
やってしまった。
パーシャの手記
11月某日
やはり私はMIAになっていた。まぁ、1年以上も姿をくらませていればそうなるか。
なにはともあれ稼ぐ手段が必要だ。手持ちの銃弾も無いことだし、ここの闇市を探るしかない。
行きつけ、ここにあるといいけど。
11月某日
リーリアから連絡。彼女の勘に感アリ、か。少し調べてみましょうか。
11月某日
やっぱり彼女の感は頼りになる。やはり鷹の数が多い。闇市の規模も納得だ。
妙な噂も立っている。これは、備えておいたほうが良いかもしれない。別ルートでケイには申し訳ないけど、色々調達しておこう。
11月某日
しばらく使っていなかったヴィントレスがガタを起こしていた。私個人の伝手では同しようもないのでケイを頼ることにする。ついでに『頂いた銃』もカスタムしてもらおう。
12月某日
あそこのガンスミス…ケイシーはほんと良い仕事をしてくれたわ。ガバメントもかなりいい精度で仕上げてくれたし、ヴィントレスもほぼ元通りだ。ああいう職人って頑固な方、やっぱり多いのかしら?