募る嫌悪。
溢れる敵意。
それら感情の昂りに呼応するようにして、辺り一面を蝕んでいくのは。
「…ほんま、なんなんこれ。」
知らない大人の言葉に素直に従った結果がこれだ。
ただでさえ訳のわからない状況なのに、己の一部であるはずの異能すらも制御できない。
そのおびただしいまでの豊穣と、目を焼くような眩しい光に眉をひそめる。
鬱陶しい。
やっとの思いで舌打ちを我慢したこちらの気も知らず、稲穂の波はざあと苛立たしげに揺れて鳴く。
主人の気持ちを代弁しているつもりなのだろうか。
本当に、余計なお世話だ。
「ちょっとは言うこと聞くようになったと思ったのに、」
またあの時に逆戻りか。
あの時。
異能が発現した、
今と同じように、こんな風に眩しい景色が広がっていた。
中学生。1年か2年のとき。
その日は確か、店の定休日で。
学校から帰ったおれが玄関戸を開けると、男性用の大きな靴が揃えて置かれていた。
つまり、父が帰っているということ。
靴べらが吊るされているそのすぐ脇。あの人の定位置。
小学生の頃は普段忙しくしている父が家にいることが嬉しくて、
そのいつもの場所に大きな靴が置かれているのを見るだけで心が踊った。
父は小学校から帰ってきたばかりのおれを散歩に連れて行ってくれたり、
一緒に風呂に入ってくれたり、宿題を手伝ってくれたりと、
沢山構って遊んでくれた。
「………。」
けれどそれも、いつからか。
その大きな靴がそこにあるだけで、ただいまの一言を絞り出すのが辛くなってしまった。
そして、その日に限っては何故か。
幼い頃の懐かしい記憶が、
目の前の玄関マットにランドセルを放り投げる小さな自分が、やけに鮮明に思い出されて。
「…………、」
そこから逃げるように、玄関戸を再び静かに引いた。
・
・
・
冬陽が早々に落ちきった暗闇の中、
家の裏手に置かれた縁台に腰を下ろして胸のつかえが消えるのを待つ。
じっと。
背中を丸め、組んだ手に目を押し付けて、息を細く吐く。
縁側の下に住み着いた野良猫が足にすり寄ってくる。
そんな、場違いで穏やかな感触に一層強く顔を顰めたりして。
――― そうしてどれくらい経っただろう。
ふと顔を上げた時には、目の前に季節外れの稲穂畑が広がっていた。
何が起こったのかと立ち上がろうとしたところで、己の手足が獣のそれになっていることに気がつく。
気が動転して声も出せない。
しかしそのおかげで、さっきまでの鬱屈とした気持ちはすっかりと鳴りを潜めていた。
目の前に広がる黄金色。
こちらの気も知らず、美しく輝き放つそれらをただ唖然と、見つめることしかできなかった。
「……… 帰ろ。」
呟いたときには、光り輝く稲穂畑も、獣の手足も、足元の猫も消えていて。
そうして静けさを取り戻した心を連れて玄関に戻る。
引き戸を開ければ、相変わらず靴べらの傍に置かれた靴。
一瞥して。
「ただいま~。」
幼い頃の思い出は、もうおれの邪魔をしてくることはなかった。

駄石(50 PS)を購入しようとしましたが、PSが足りませんでした。
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自然LV を
20 UP!(LV0⇒
20、-20CP)
武器LV を
20 UP!(LV0⇒
20、-20CP)
はふり(42) により
ItemNo.5 不思議な石 から装飾『
攻撃本能』を作製してもらいました!
⇒ 攻撃本能/装飾:強さ30/[効果1]幸運10 [効果2]- [効果3]-/
特殊アイテム
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はふり 「……あまり無理はしないことだよ。人のこと言えないけどさ」 |
ItemNo.4 不思議な牙 から射程1の武器『
豊穣もたらす身体髪膚』を作製しました!
⇒ 豊穣もたらす身体髪膚/武器:強さ30/[効果1]攻撃10 [効果2]- [効果3]-【射程1】/
特殊アイテム
はふり(42) の持つ ItemNo.7 から射程3の武器『
神力の刀』を作製―― できるかーい!素材じゃないゾ☆
我孫子(607) の持つ ItemNo.7 から射程1の武器『
イージスファイター』を作製―― できるかーい!素材じゃないゾ☆
音和姉弟(687) とカードを交換しました!
音和かなで
(クイック)
イレイザー を研究しました!(深度0⇒
1)
イレイザー を研究しました!(深度1⇒
2)
イレイザー を研究しました!(深度2⇒
3)
ストーンブラスト を習得!
ブルーム を習得!
☆地の祝福 を習得!
☆グランドクラッシャー を習得!
☆初習得ボーナス:各FPが4増加した!
◇通常獲得:各CP・FPが5増加した!