くだらないものを踏み躙る為に、ゲームを始めることにした。
人と蝙蝠の混ざりもの。それは何処かの世界の何処かの国で、御伽噺に語られる存在だ。
人に非ず、獣にも非ず。
どちらともつかぬ奇怪な身体を持つがゆえに、そのどちらにも仲間と見做されることのなかった哀れな種族である。
彼らは澄んだ空気の中でしか生きられぬ脆弱な身体を持つ代わりに、『心を惑わす音を操る』という不思議な力を持っていた。
その力はいつしか人里へと知れ渡り、そうして不信を招いた。
人心を惑わす力を持つ限り、人々はけしてこの怪物たちを信じることはない。
言葉に耳を傾ければ最後、狂気に陥れられてしまうのだと――誰かが言ったのだ。
イデオローグ
恐怖のあまり人々は怪物を狩り立て、畏怖と侮蔑を込めて彼らを『扇動者』と呼んだ。
イデオローグ
生き残った最後の個体。
イバラシティを侵略する為に創られた架空の存在、
“結城伐都”だったもの。
本来の姿を嫌い、異能で幻影を纏う。
全ての夢は烏有に帰した。
“ハザマ”と呼ばれるこの世界こそが、自分自身の現実だ。
濁った空気という名の毒に蝕まれ、口の中一杯に広がる血の味に噎せ返りそうになりながら――
未だ霞む眼を、怪人は確りと見開いた。
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イデオローグ 「――思い出した。おれは、あれを根こそぎ奪い取ろうとしていたんだ」 |
怪人のかつての生に、平穏は無かった。
権能への羨望、あるいは未知への恐怖が、常に彼を“追い立てられる異物”にせしめた。
奪うか奪われるか。彼を取り巻いていたのは、いつだって戦乱と混沌だった。
怪人のかつての生に、愛は無かった。
自我が芽生えた頃には既に、血を分けた者など一人もいない。
愛することも、信じることさえ――彼にとっては理外の域にある言葉だった。
澱み切った空気に全身を蝕まれきった頃、怪人は漸く理解した。
騙される前に瞞せばいい。奪われる前に掠めればいい。
強者に諂い、弱者を脅かし、新たな強者が現れればすぐに乗り換える。
かくして、『裏切者』は否定され、アンジニティの地へ堕ちた。
イデオローグに正義は無い。そんなものなど知らないのだから。
イデオローグに情は無い。そんなものなど存在しないのだから。
その、筈だった。
頬に触れる。気付けばそれは理由もなくぼろぼろと零れ出し、触れた指先をも濡らした。
イデオローグは正義を知った。イデオローグは情を知った。
イデオローグは平穏を知った。イデオローグは愛を知った。
だから。
――だから、こんなにも胸が締め付けられる。
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イデオローグ 「ぐっ……おえ……」 |
血に混じって吐瀉物がぼとぼとと地に撒き散らされた。
他者など、踏み躙る草花に過ぎないものだった筈だ。だというのに、どうしてこうも心を掻き乱される。
耐え切れずに後ろ向きに倒れ込めば、仰いだ赤い空には不気味なインターフェースが浮かんでいた。
思わず手を伸ばし、それに触れる――
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イデオローグ 「『Cross+Rose』?」 |
次々に表示されていく情報は、この侵略戦争というゲームへの参加者一覧だった。
思わず指はインターフェースをなぞり、学園の、学外の、友人知人を探してしまう。
知っている名前を端から検索にかけた後、最後に見つけたのは――忘れる訳も無い、妹の名前だった。
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イデオローグ 「――――――」 |
侵略するつもりで舞い降りた世界で、その対象に情が湧く?
今までは一度たりとも有り得なかったことだ。
握りつぶすようにして『Cross+Rose』からログアウト処理を済ませると、ゆっくりと立ち上がる。
ああ、くだらない。本当にくだらない。怪人は心の中で悪態をつく。
知りたくはなかった。
イデオローグが愛される世界があるだなんて。
赦して欲しくなんてなかった。
イデオローグが生きていていいも世界があるだなんて。
都合良く造り替えられた世界だった。
都合よく誂えられた設定だった。
だというのに。
かげろい
だというのに、一時の気の迷いにも似た火光は――どれほど振り払おうとも、その背に重く圧し掛かった。
こころび
奥底に熾す魂火が、己を熱に浮かしていく。
結城伐都は、確かに――此処に、生きている。
だからおれは、くだらないものを護るために、ゲームを始めることにした。
オニキス(301) に 25 PS 送付しようとしましたが、そんな量のPSなんて持ってなくてがっかりしました。
オニキス(301) に 25 PS 送付しようとしましたが、そんな量のPSなんて持ってなくてがっかりしました。
駄木(50 PS)を購入しようとしましたが、PSが足りませんでした。
時空LV を
15 UP!(LV0⇒
15、-15CP)
使役LV を
5 UP!(LV0⇒
5、-5CP)
武器LV を
20 UP!(LV0⇒
20、-20CP)
オニキス(301) により
ItemNo.4 不思議な牙 から装飾『
Weasel』を作製してもらいました!
⇒ Weasel/装飾:強さ30/[効果1]体力10 [効果2]- [効果3]-/
特殊アイテム
 |
ザクロ 「何かの切れ端にオニキスの魔力が宿っている。」 |
オニキス(301) の持つ ItemNo.7 から射程1の武器『
ブラックオニキス』を作製―― できるかーい!素材じゃないゾ☆
さき(911) の持つ ItemNo.7 から射程1の武器『
少し汚れたビー玉』を作製―― できるかーい!素材じゃないゾ☆
巳羽(473) の持つ
ItemNo.5 不思議な石 から射程1の武器『
最初に拾った石』を作製しました!
我孫子(607) により
ItemNo.5 不思議な石 から防具『
黒手袋』を作製してもらいました!
⇒ 黒手袋/防具:強さ30/[効果1]防御10 [効果2]- [効果3]-/
特殊アイテム
 |
我孫子 「結城〜!お前が欲しがってたカッコいい黒手袋!…え、欲しがってない?……。イケてるからつけて損無し!」 |
紗良(347) とカードを交換しました!
お帰りなさいませご主人様
(ヒール)
ヒールハーブ を研究しました!(深度0⇒
1)
ヒールハーブ を研究しました!(深度1⇒
2)
ヒールハーブ を研究しました!(深度2⇒
3)
ウィンドカッター を習得!
サステイン を習得!
ヴィガラスチャージ を習得!
アゲンスト を習得!
☆風の祝福 を習得!
☆初習得ボーナス:各FPが2増加した!
◇通常獲得:各CP・FPが5増加した!