では今回も日記の意義に反逆する
今は無きDMMエロブラゲの話を始めよう。
ところで前回、Lord of Walkureについてはここでは扱わないと言ったな。
あれは嘘 ……ではないが、
別に派生作品についてまで扱わないとは言及していない。
というわけで今回の肴は「パズキューレ」だ。
ちなみに正式に「パズキューレ~Puzzle of Walkure~」というタイトルであり、
別に愛称や略称というわけではない。
まあ、ほっといてもそう呼ばれただろう気はするんだが。
ともあれこのパズキューレ、黎明期からDMMのエロブラゲ界を支えてきたLoWの正当な続編として生まれた。
クイズのように別世界の話だったり、麻雀のように外伝的なものではない。
舞台はLoWの1000年後。地続きの世界であるだけでなく、
ファンタジー世界なもんで
寿命が1000年超える連中が本人そのままでてくるというなかなか勇気のある設定だ。
ゲーム的には……わかりやすく言えばパズドラのフォロワーだ。
パズドラ自体落ちもの系のパズルとしてそう目新しいものではないが、ちと似過ぎている。
ただ、よく言われるような完全に同一のパクリゲーというわけではなく
LoWのシステムに合わせる形での改変を主として結構ルール、システムの差は大きかったし
後追いではあってもそれなりに個性のある一ゲームとして仕上がってはいたと思う。
まあ一年でサービス終了したわけだが。
褒めるべきところはあった。
キャラの育成・好感度による街会話イベントなどはその後LoWに逆輸入されたり
X-Overdでも採用されていたりする優秀なシステムだし、
その街会話などによって表現されるキャラクターは
その設定自体の作り込み、テキストのレベルがLoWのそれとは一線を画していた。
たとえばLoWでは正直ただの1キャラに過ぎなかった九尾狐が
「1000年間かつての『ワルキューレの騎士』の生まれ変わり(=主人公)を待つために
1000年で得た余りある力をほぼ全て自我を維持するために注ぎ続けた」
という設定で驚くほど魅力的に描かれている。
特にその、無理に距離を置くでもなく愛を押し付けてくるでもないスタンスは見事だった。
また、LoWではどうあっても低レアのキャラはカス札だったが
最終的に全キャラに最上位レア(SR)版までを用意し、
かつ街会話であれば下位レアだけでも見られるようにしたことで
活躍できないキャラの存在を排し、また街会話を見て魅力を知ることが
上位レア(の寝室)の取得を目指す動機にもなった。
パズルの方もシステム的には割とよくまとまっている方だと思う。
時間内なら好きなところを何度でも入れ替えられるなど
システム的には間口を広げる調整をされており比較的気楽にプレイできる。
慣れればカウンターチャンス中は全消し余裕なのは流石にどうかと思ったが。
CG面でも安定していい仕事が見られたし、
立ち絵と寝室で別人化だとかシチュエーションが雑すぎて盛り上がらないとかいったものとは無縁だった。
そもそも街会話イベントが単発の話ではなく連作方式、
寝室でもUC-R-SRと段階を踏んで交流が深まっていく様をしっかり描いているから思い入れはひとしおだ。
しかしクソ要素はそれを上回った。
そもそもLoWの育成方式は古い時代だからこそ許され……ているかどうか怪しいレベルの苦行だった。
一人のキャラを戦力として投入するためには
レベルMAXまで育てたカードを2枚用意して進化、
レベルが1に戻るので更にレベルMAX化(必要経験値増加)したものを2枚用意して再進化
したものをもう一度レベル上げ(必要経験値さらに増加)する必要がある。
(SRのLvMAXはR++4MAXに及ばないから一枚引いても役には立たない)
さて、レベル上げの素材を手に入れる方法は何か? そう周回だ。
これがもとより悪名高かったLoWに輪をかけてきつい回数要求されたわけだが、
スタミナ消費さえ考えなければ周回自体はポチポチしてればすんだLoWと違い、
このゲームの周回はパズル必須である。
だが必要周回数はむしろ増えた。
誰かおかしいと思わなかったのだろうか?
そしてその育成の苦行っぷりを全く無視しての、
まさかの
メインシナリオが全力で簡悔仕様だ。
それも、ある時点で最大HPが何万かない限り、
どうあっても一撃では削れないHPの相手が初手数万飛ばしてくるので絶対に生き残れない
みたいなクッッッソ雑な奴だった。
このゲームではスキルを使うのに連鎖で回数を貯める必要があるから、
初手では対応策もへったくれもない。
またそこを超えられたとしても、敵のHPや攻撃力が非常識な数値になっているので
クリアのためにはいわゆる落ちコン、
つまり自分の操作で消えたところに追加で降ってきた玉が運で連鎖してくれることを祈らないとほぼ無理という
パズルとして破綻したゲームを要求された。
この簡悔仕様、なぜだかかなり早い段階のシナリオから採用されており、
しかも悪化の一途を辿ったため終盤のシナリオはもはや石割ってゴリ押しか
重課金パーティによるゴリ押し(石を割らずに済むとは言っていない)が前提という
もはやパズルとかどうでもいい感が溢れるプレイ感だった。
そもそもパズルで時間を取られる上に一ステージに何連戦もさせられ、
その上で一戦の敵体力がやたら高いという問題もある。
なおメインシナリオの方は特に何も起こらないというか元々ショボいLoWの焼き直しで全く面白くない。
強いて言えばLoWの魔女ショコラと思われるキャラが1000年経っても相変わらずなことに和むぐらいか。
LoWの方もサービス終了したので結局彼女は最後まで主人公から処女を守り通したことになるな……
キャラクター面にも欠点はあった。
先程は褒めたが、全キャラに最上位レアが用意され、
しかもその寝室には差分ではなく2枚ずつの絵が用意される豪華仕様。
だからといってRまではデートする話や寸止めまでで本番はほぼないとか許されると思ったのか?
当然SRの確率は昔ながらの低確率だぞ。
挙げ句初期からSRが全キャラに用意されたわけではなく、
九尾狐などは寸止め状態で来るかどうかもわからないSRの追加を待つ羽目になった。
流石にエロゲーなのにあまりにもエロが遠すぎることには相当な突き上げがあったのか、
街会話とかイベントとか無いし戦力にもならないけど唐突に出てきてエッチするためだけのキャラ
が追加されたが、別にそんなかわいいわけでもなくユーザーには『なんやこのビッチ』みたいな扱いでスルーされた。
むしろ主人公の童貞がどうでもいいところで奪われるということで嫌う向きはいた。
一応、イベント限定での別衣装キャラに関してはR時点でも致せる仕様になったのだが、
そもそも別衣装が出始めた時点で趨勢は決していたのでテコ入れは遅すぎだったな。
遅すぎたから初期キャラでも別衣装とか存在してない奴もいたぞ。
あと、当然だが続投組のキャラはもとから人気のキャラの採用が多く、
つまり元々好きだったキャラが魂は同じとはいえ別人と宜しくやっている、という点で
反発の声は当たり前に上がった。むしろ上がらなかったら怖い。
それと、1000年を超えて生存している組とは別に、
何故か1000年前から(旧主人公と出会う前の時点で)こちらに召喚された「IF」組のキャラもいて、
無論こちらはより強い反発を招いたし、
地続きの世界なのにIF世界ということで、設定的に立ち位置がよくわからないことになっていた。
しかもこれらはサービス終了後に一部のキャラが1000年前の世界に逆輸入されてしまいブーメラン化するわけだが
結局主人公とはエロい事しなかったナビ兼マスコットの「のここ」が
LoWの方であっさり美味しく頂かれたのは流石に軽くのけぞった。
パズルで連鎖重ねたときのボイスで、落ちコン必須の20連鎖ぐらいした時にようやく
感情が暴走した感じで『もう、大好きです!』って言ってくれるの割と好きだったんだけどな……
とまあ……ユーザーに対してひたすら苦痛を強いる運営が続いたために
一年であっさり片がついたわけだ。
LoWの駄目な部分をより濃縮して味わわされた感が強いな。
流石に運営も苦痛すぎたことは認識したらしく
のここのLoW参戦時に冗談めかして「ちょーっと面倒くさかっただけじゃないですかーっ!」
みたいなことを言わせていたが流石に本心ではあるまいよ。
ないよな?
まあ酷いゲームだったが、それまでのキャラ使い捨て上等掘り下げ何それみたいなところから、
個々のキャラを大切にしていく方向に行く動きが見えたのは個人的に高評価だ。
やはり思い入れがあってこそ滾るものだからな。
それにしても今回、Wikiも消えてるし資料がろくに残ってなくて困った。
やはりある程度自前でデータを回収しておくのは正義だな……