ひたすらに疾り続けていた。ヒトを信じた我らを裏切り、滅ぼしたニンゲン共を燃やし続ける日々。
宛てもなくただ炎々と進んだ道無き路。視界に入る村も、町もすべて何もかも焼き払った。あの日からどれだけの季節を巡ったのだろう。ある日見つけたその国もいつものように滅ぼそうと焼き。燃やし。暴れて。灰にして。後一歩という所で現れた強者。
そいつの手であの閉ざされた世界に飛ばされてしまった。あそこは掃き溜めだ。もう焼けない燃やせない・・・腹立たしい。我が内に苛立ちと憎悪が燻り続けた・・・。
―――そんな時だ、あの映像が流れてきたのは。
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藍乃 「んー・・・?なんか変な夢を見ていたような・・・。 あの榊って奴の話が頭の中に流れてきたり最近変なことばっかりだな・・・。」 |
あの話が出てから少し周りがざわついたりもあったけど、なんだかんだでみんな平穏な日々が続いている。
友達とあちこち出かけたり、学校でパーティしたり、イノカクの大会に出たりもしたな!中等部に上がってから楽しいこといっぱいだ!
・・・でも心配がないわけじゃない、あの映像はただのイタズラじゃない気がする。
よし今日も異能の特訓をしよう、いざって時には私が家族や友達を守らないとな!我が炎はきっとこの時のためにあったに違いない!最近は部活で異能使うことも多くなったし、念願のかっこいい武器も手に入れた!
フハハハハ!アンジニティよ、来るならこい!私が追い払ってやるぞ!
・・・・・・・・・―――――――。
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嗚呼、なんて。
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ランノ 「ああ――――そうだ、そうだったな。"アレ"は悪い夢だ。」 |
忌々しい・・・本当に忌々しい"制約"だ。ここから外へ出るためとはいえニンゲンと再び・・・・・・何を今更。
すべてはこの制約のせいだ、反吐が出る。向こうで記憶が戻っていればすぐにでもニンゲンを焼き払えるというのに・・・!!!
・・・まあいい、勝てばいいのだ。
ハザマにはニンゲンここに飛ばされているらしい。久々の楽しい時間だ。ここを出るまではそれで我慢だ。
さあ探しに行こうじゃないか。炎にくべる薪を。