《侵略が始まりました》
と、そう突然に響き渡る声。
ちょっとした事件があって、不思議な能力を手に入れて、この島にやってきたのだけれど。
みんながチカラを持つこの場所は、目立たなくていいと思った。
ヒカラビ荘のみんなは優しい――たまにイジられもするけど、楽しい。
まだ少ししかいない自分に、こんなにも近くて、優しくて。
とても、温かくて。
……トーストが天井に刺さったりもしたけど……
少し不思議な、私の新しい居場所。
あの言葉がホントなら
どんな侵略が起きるのかは、全然わからないけれど
色々やれることは……やっているはず。
チカラの使い方
戦う方法、自分なりの、だけれど。
1つ、手にいれた、大きなチカラ
ネクタイト――という不思議な石の力を自分に【縛】りつけ、空も飛べるようになった。
あの時見た空からの夜景はとても綺麗で幻想的で――落ちていく感覚と冷える身体はあまりに現実的で。
一歩間違えていれば侵略の前に死んでしまっていたかもしれないあの夜。
一瞬でどこでもいけるようになって便利――というにはあまりにも過ぎた力。
それでも使えれば、きっと役に立つはず。
『侵略』で何されるのか、何をすればいいのかなんてわからないけど、今の生活が楽しいし私に守れるものがあるのならば、守りたい。
ヒカラビ荘だけじゃなくて、いろいろ知り合った皆。それぞれがきっと大事にしてるモノがここにあるんだって。だから、守らなきゃいけない。守りたい。
「またね」と言った人何気ない約束。
「買い物いこうね」という少しだけ楽しみな予定。
「一緒に演奏できれば」といった人もいる。
きっと他の人に比べれば多くはないけれど、それでも、大切な大切な
約束。
紡いだ『縁』が、こわいこともあったけれど、ある。
それに、一人じゃ戦えなくても――きっと、誰かとなら戦えるはず。
……ヒカラビ荘のみんなと、手を取り合えるかもしれないし。
それに、戦えなくたって、手伝えることはきっとある。
まだ私にはこのイバラシティでやりたいことが、沢山あるんだ。