
| それから、短い間だけど、色々なところを見て回った。 道中には他の「前に進む人」が設置していった施設があって、お店や遊ぶ場所、そういった人の息吹を感じられる、楽しい場所で溢れていた。 そこの人たちは、「前に進む人」にいろんな人がいるからなのか、今の私を見ても、「ちょっと変わった人」くらいにしか思わなかった様子だった。 流石に屋台の串焼きを右腕の口で食べた時は、とても驚かれた。あと一口で串ごと食うな、味わえって言われた。ごめんなさい。 せっかくだし、お腹も減ったので使いみちも無かったお金を使って、ちょっとお洒落したり、更に色々な食べ物も食べてみた。 そして出会った様々な料理。そう、料理! 食べ物そのままの味に、加えて塩か、鉄の味しかしなかった今までの味と比べて、なんと華やぐ事か! 行儀が悪いからと、せっかく胸のつかえが取れたのだから、右腕の口で食べるのを我慢して、本来の頭の口から食べてみたのだけれど。 どうやら右腕の舌は多少馬鹿だったようで、頭の口からは生肉とか生臭いものは全くと言っていい程食べられ無かったのだけれど、それは、逆に言えば頭の口、つまり本来の口で食べれば美味しい物はもっと美味しくなるということ。 故郷でも見たことも聞いたことも無い料理の数々。 焼いたり、煮るだけじゃない料理法があるなんて思わなくって、焼くだけ、煮るだけにももっと良いやり方があるなんて思わなくって。 気がつけば、血まみれにならずに、口の周りを食べかすだらけにして、星空の下、仰向けに寝転がっていた。 満腹だ。 こんなに幸せだと感じたのはいつ以来だろうか。 もっと知りたい。もっといろんな所へ行って、いろんな事を知って、いろんな物を美味しく食べてみたい。 そして、教えてあげたい。 故郷の皆は、揚げる、なんて料理を見たらなんて言うだろうか。油がもったいないとか、そう言うだろうけど、それはそれ、お祭りの時のご馳走用に取っておけば良いのだ。 そうして、頭の中に溜まった熱が、星空に向かって溶けていって、頭が冷えた頃に、ふと、不安になる。 「皆は、今の私を見て、どう思うかな……」 色々、どころではなく、ほとんど変わってしまったと言っていい。 想像してみる。 突然行方知れずになった村の娘が、長い期間を経て、異形の姿となって現れる事を。 それこそ、お話の中に出てくる悪魔とか、そう言われても仕方ないし、場合によっては襲われてしまうかもしれない。 勿論、たぶん、負けることはない。普通の人に今更負けるような鱗をしていないし、たとえ囲まれても飛んで逃げればいい。そのために取り戻した身体だ。 「……やだなぁ」 家に帰れない。野宿には慣れてしまったし、なんだったら旅をしても良い。……向こうの、それこそ街でもあまり歓迎はされないだろうけれど。 だけど、家に帰れないということは、親に会えないということだし、帰る場所がないということ。友達とも遊べないし、教会に行って神父さんをからかうこともできなくなる。 「どうかな……受け入れて、くれるかなぁ……」 分からない。 不安だらけだ。 帰る方法は、もう既に確保している。変な金属の乗り物に乗った人から渡されたカードは、使えばどこか行ったことのある場所へ連れて行ってくれるという。 「帰り方を変えてみたらどうかな」 考える。 例えば、ボロボロになって、道端に倒れて、誰かに見つけてもらう。弱っていると偽装して。 故郷の人、それも顔見知りの人に運良く拾ってもらえたなら、しばし時間をおいてから眼を覚まし、ほうぼうの体で命からがら逃げ出してきたと言えばいい。 この体は、攫われた先で悪魔のいけにえに捧げられてしまったからと言えば―――― 「あ、駄目だ」 そこで詰まる。 悪魔の生贄として捧げられたら、悪魔が残っているのではないかと疑われ、処刑された例はたぶん、かなり有る。 そして、そうならないと決まった訳ではない。悪魔は人を騙すものだから。騙す予定だったけど。 「……逆に、明るく行ったらどうだろう。」 夜は避けて、昼下がりがいい。何だったら、教会に真っ先に行けばいい。悪魔は教会に寄り付かないものだし。 ドアを開けて、神父さんを呼んで、そして 「逃げられるかなー……。」 悲鳴を上げて逃げられたら終わりだ。大分ひょろっとしてる方だったし。 「………じゃあ複合技!」 ボロボロになって、ほうぼうの体で教会に、お昼にたどり着く。 こうすれば被害者だと主張しながら、悪魔であることを否定もできる。いや半分悪魔って呼ばれる存在にはなってしまったのだけれど。 「…………どうだろうなあ。」 これでいいのか。 分からない。何もかも分からない。 カードを使えば、いつでも帰れる。逆に言えば、踏ん切りが付かなければ、いつまでもここにいることになる。 一歩踏み出す勇気が、まだ出なかった。 夜の星はにぎやかだったけれど、心の中は、小さくなった魂と共にポッカリと寂しげな穴が開いた気分だった。 |
ロズ「そろそろ……帰る、んだよね………。」 |
デイ「少なくともあなたが棺桶に入っちゃう前には会いに行くわぁ。皴くちゃのおばあちゃん姿の貴女もみてみたいけどね」 デイ「冗談はさておき……あなたが前に進む姿は、そのひたむきさ、その強い意志に惹かれたのは確か 貴方が前に進んできたように、私も約束は破らないわ」 デイ「私の方こそありがとう、ロズトア。あなたを見るの、あなたとおしゃべりするの……とても楽しかったわ」 デイ「それじゃあ……次を楽しみに。また会いましょう、ロズトア」 |
ロズ「どこまで、強くなるんだろう、なれるんだろう。」 |
ロズ「……強いのだと良いなあ。」 |
ロズ「……片付かないよぅ。」 |
ロズ「兎に角、前へ、前へ……。」 |
と
になった。
「………」 |
「やあ、やあ。『わたし』を呼び出したのはきみかな。 ご期待に沿えるよう、できるだけ頑張って見せるよ」 |

デイ「幽霊でもいいのなら、手を貸しましょう」 |
シーレ「私は一人では何もできませんので」 |
ロズ「使い方……まだ分からないけど、みんなを援護して、それで 」 ロズ「……ええと。 」 ロズ「……力いっぱい、やります。ちょっと周りごと、みんな傷つけちゃうかもしれないから、気をつけて……。」 |

| ○ | Pno113 ロズPT [前 / 新 / 集] |
VS | Pno213 傘男PT [前 / 新 / 集] |
× |
| × | Pno113 ロズPT [前 / 新 / 集] |
VS | Pno256 きつねさんぽみち☆ [前 / 新 / 集] |
○ |
| × | Pno31 デカパイ少佐PT [前 / 新 / 集] |
VS | Pno113 ロズPT [前 / 新 / 集] |
○ |

「血」の ロズ(Pn113)
闇(Pn113)
旅する幽霊 デイ(Pn113)
ヤルカナレギオン「魔女」 シーレ(Pn113)
シセラ(Lv34)
- くろいの(Lv34)
黒い妖精 チェノー(Lv34) ロズ「わたしは前に進む。何があるか分からないけど、前に進むって決めたから。」 |
![]() 「………」 |
誰にも知覚されない死角── もしかすると、彼女が『いるかもしれない』場所に、 幻術士は、音もなく現れていた。 「こんにちは、こんばんは。 始めまして、お久しぶり。 教えてくれるかい、わたしの名前を」 |
ロズ「私は、前に進むの。だから、前に立つなら、この腕を使うよ。」 |

「………」 |
「きみが、わたしを止めるというのなら。 その『意志』、しっかりと示して欲しいんだ。」 |

デイ「さぁさぁ……どちらがBUGか答え合わせといきましょう」 |

シーレ「……」 |
「(・・・さて、始めましょうか。)」 |
シセラ「光をお届けですっ!」 |
「はりきっていきましょう」 |
チェノー「よし、行こう!」 |
チェノー「魔を破る石よ、邪悪を祓い清めろ!」 『チェノー』「フン」 チェノー「ダメか……」 |
ベーガ「…………。」 |
シセラ「アララ…。」 |
シセラ「アララ…。」 |
「怖いね。あと半歩だったよ」 |
デイ「届かない届かない…」 |
デイ「あらあら、惜しいわねぇ」 |
デイ「届かない届かない…」 |
「清濁飲み込んで世界はなお綺麗だ」 |
「予想外のハプニングが、君たちを待ち受けているよ」 |
「どうして、今それを行う必要があるだろう?」 |
「多少は消費を軽減してくれるはずだよ」 |
デイ「届かない届かない…」 |
|
ふと、姿が掻き消えては 別の場所に現れている。 |
「………」 |
「………」 |
「………」 |
「………」 |
| ロズPT Chain | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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| ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| BUG Chain | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
シセラ「補給は大事です~♪」 |
「ありがとうございます」 |
チェノー「肥えるー」 |
デイ「あらあら、惜しいわねぇ」 |
![]() |
「かつてより成長したって本当に言えるのかい?」 |
死者のためのものであり、生者のためのものでもある。 |
チェノー「うぐっ……!」 |
ロズ「……えっ?」 |

カードは枯れ朽ちてしまった。 |
シセラ「みんなの光… 今ですっ!」 |
「それじゃ、いきましょう」 |
「(・・・では、それに乗りましょう。)」 |
チェノー「いずれは枯れ」 |
『チェノー』「マトワリツケ」 |
シセラ「やりましたっ!!」 |
ベーガ「…………!」 |
「あの時を境に時間は止まってしまったんだ」 |
「ぁたっ!」 |
チェノー「ここが要?」 |
デイ「ははぁ……いい音したわね?」 |
「ぁたっ!」 |
カードは枯れ朽ちてしまった。 |
チェノー「うぐっ……!」 |
ロズ「あ。」 |
チェノー「うぐっ……!」 |
正義が心に力を与える。自分に非はない、あいつのせいだ。 |
チェノー「あれっ」 |
「………」 |
「おっとぉ」 |
| ロズPT Chain 列命傷冥闇Lv4(1) 全活気Lv4(2) 治癒活気Lv4(3) 惨殺傷冥闇Lv4(4) 列命傷冥闇Lv7(5) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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| BUG Chain ?(1) ?(2) ?(3) ?(4) ?(5) ?(6) ?(7) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
シセラ「名探偵の心得です!」 |
「ありがとうございます」 |
チェノー「肥えるー」 |
「………」 |
「………」 |
デイ「届かない届かない…」 |
![]() |
「あてずっぽうよりはマシだね?」 |
「怖いね。あと半歩だったよ」 |
「むぅ……」 |
デイ「あらあら、惜しいわねぇ」 |
「むぅ……」 |
隣前後に仲間がいる。手をかけられる場所に、仲間がいる。 |
「………」 |
「そろそろやめにしないかい?ダメ?あっそう」 |
「勝負どころですね」 |
チェノー「まだ始まったばかりでしょ?」 |
シセラ「嬉しいです~!」 |
「ふぅ……」 |
チェノー「肥えるー」 |
シセラ「ありがとうです~!」 |
「ありがとうございます」 |
チェノー「肥えるー」 |
![]() |
「世界はゆっくりと停滞していく。破滅は近いよ」 |
ロズ「……えっ?」 |
| ロズPT Chain 列命傷冥闇Lv4(1) 全活気Lv4(2) 治癒活気Lv4(3) 惨殺傷冥闇Lv4(4) 列命傷冥闇Lv7(5) 貫自傷冥闇Lv5(6) 自傷冥闇Lv4(7) 列治癒活気Lv4(8) 列自傷冥闇Lv5(9) 列傷冥闇Lv7(10) 全対価活気Lv1(11) 列自傷冥闇Lv4(12) 休息Lv2(13) 惨自傷冥闇Lv4(14) 傷冥闇Lv8(15) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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| BUG Chain ?(1) ?(2) ?(3) ?(4) ?(5) ?(6) ?(7) ?(8) ?(9) ?(10) ?(11) ?(12) ?(13) ?(14) ?(15) ?(16) ?(17) ?(18) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
シセラ「ありがとうです~!」 |
「ふぅ……」 |
チェノー「おいしー」 |
シセラ「嬉しいです~!」 |
「ふぅ……」 |
チェノー「おいしー」 |
チェノー「腐鎖りは始まる」 |
「それじゃ、いきましょう」 |
「ふぅ……」 |
シセラ「嬉しいです~!」 |
シセラ「ありがとうです~!」 |
「ふぅ……」 |
「ふぅ……」 |
チェノー「おいしー」 |
チェノー「肥えるー」 |
「(・・・続けて。)」 |
「(・・・重ねましょう。)」 |
チェノー「川は流れて輝かず」 |
肺が膨らむたび、入ってくる、侵ってくる―― |
チェノー「あれっ」 |
シセラ「嬉しいです~!」 |
「ありがとうございます」 |
チェノー「肥えるー」 |
シセラ「嬉しいです~!」 |
「ありがとうございます」 |
チェノー「おいしー」 |
シセラ「あらら…」 |
「怖いね。あと半歩だったよ」 |
シセラ「あらら…」 |
「むぅ……」 |
「(・・・まだ終わらない。)」 |
デイ「届かない届かない…」 |
チェノー「極み残るは虚ろのみ」 |
『チェノー』「潰セ、潰セ!」 |
「ふぅ……」 |
チェノー「肥えるー」 |
「(・・・まだ終わらない。)」 |