ホームリザルトキャラクター結果 > みづほの一週間

みづほの一週間

Infomation
  • 残り削除カウントは8回です。
Diary
Last fragment  《The Long Goodbye》

わたしは、魔法衣のまま、目的の場所にやってきた。
今変身を解いてしまうと、病院着になってしまう。
この格好も恥ずかしいけれど、病院着よりはマシだ。

表札を確かめる。

『白水』

うん、間違いない。
時間は…まだ夜の10時。
ちょっと非常識な時間だけど、今日はそうも言ってられない。

意を決してインターフォンを鳴らす。

「はい?どちらさまですか?」

可愛らしい女の子の声。
たぶん、妹さんだ。

「あの、わたし、八月朔日っていいます。
 要先生の…お兄さんの教え子です」

「あ、みづほさんですね?
 お兄ちゃんからお話はいろいろ聞いてますよっ」

一体どんなことを話されてるのか気になるけど。

「あの、それで、お兄さん今いらっしゃいますか?」

「いますよっ。呼んできますねっ」

インターフォンのむこうで軽い足音が遠ざかっていくのが聞こえた。

暫くして、玄関の扉が開く。

「みづほちゃん?
 こんな夜遅くにどうしたんだい?」

やさしい先生の声。
本当に久しぶりに聞く、好きな人の声。
だけど、先生の顔はすぐ訝しむものに変わる。

「あれ?みづほちゃん、確か入院してたんじゃ…」

「先生っ。
 わたし、先生にどうしても伝えたいことがあって」

先生の言葉を遮りながら、わたしは言った。
精一杯の勇気を込めて。

たぶん、さっきの戦闘よりも緊張してるな、わたし。

「聞いて、欲しいことがあるんです…」

「今じゃないと…だめなことなんだね?」

「…はい」

「わかった。
 …かなた。部屋に戻ってなさい」

「はぁい。…気づかれてないと思ったのになぁ」

聞き耳を立てていた妹さんを人払いして、先生はまっすぐわたしを見た。
ちょっと、恥ずかしい。

「わたし。
 …わたし、先生のことが好きです」

とうとう、伝えた。
ずっと心に秘めていた思いを。
先生は少し面食らったような表情をし、続いてそれが困ったような表情に変わった。

「ありがとう…。
 その気持ちはとっても嬉しいけど…」

「はい、分かってます」

先生に彼女がいるのは知ってる。
だから、気持ちを伝えたいって言うのはわたしのわがままでしかない。
だけど、伝えないまま終るなんて、そんなのは嫌だから。

「ただ、伝えたかっただけです。
 困らせたかったわけじゃ、ないんです。…ほんとうですよ?」

「ああ、君がそんな子じゃないって事は分かってる。
 …俺は君のその想いには応えられないけれど…でも、ありがとう」

そして、先生はわたしの頭を撫でてくれた。
成績が上がったときにそうしてくれたように。
それだけで、なんだか救われた気持ちになった。

おかしいな。わたし、失恋したはずなのに。

「わたしこそ、ありがとうございます。
 …ちゃんと…伝えることが…できて…よかっ…」

そこでわたしは意識がすうっと遠のいて行くのを感じた。

ああ、タイムリミットなんだ。
薄れて行く意識の中、崩れ落ちるわたしの身体と、それを支えて慌てる先生が見えた。

最後まで、迷惑かけちゃったな。

ごめんなさい、先生。
ごめん、みんな。

…そして、視界が反転した。

                      ◇ ◆ ◇

「…目的は、果たせた?」

目の前には召喚師の顔。
心配してくれたのかな。

「はい。全部、終わりました。
 ありがとうございます」

いつの間にか寝かされていたベッドから起き上がり、召喚師にお礼を言う。

「私が関わった以上、中途半端に死なれると寝覚めが悪いのよ。
 気が済んだなら準備をして。最後の拠点の攻略に出かけるわよ」

そう言うと、召喚師は踵を返して部屋を出て行った。

「心配してるんですよ、あれでも」

巫女がフォローを入れる。

「…わかってます。
 わたし、ご恩を返せるように、最後まで精一杯戦いますね」

そう、巫女に笑顔を返した。

                      ◇ ◆ ◇

なるほど。それで今回が最後、だったのか。
戦闘が終了し、拠点の攻略が無事終っての帰り道、わたしは全ての事の顛末を聞いた。
わたしたちが、元の世界に戻される理由を。

…こちらの戦いが終ったわけではないことを。
それと、こちらにとどまるという選択肢もあるということを。

「みづほ、ちょっといいかしら」

はじめて、召喚師にちゃんと名前を呼ばれた。

「はい?」

「この間のことで話しておくことがあるわ」

「この間…あっちに一度戻ったことですか?」

「ええ。うすうす気づいてると思うけれど、
 みづほの体は無理に動かしたから酷い事になってるわ」

思ったとおり、大変な事になっているらしい。
そういえば、薄れいく意識で見たわたしの身体、思いっきり血を流してたような。
先生に嫌な思いをさせちゃったかな。
って、そんなこと言ってる場合じゃないか。

「でも、幸いなことに一命は取り留めてる。
 ただ…他の人と同じように帰ってしまえば、確実に死ぬわ」

あれ?その言い方だと…。

「ええ。
 こちらに残ることを選択すれば、みづほの体が癒えるまで時間を稼ぐことができる」

意外だった。
てっきりわたしはもう死ぬものだと思っていたのに。
生き残る術があるなんて。

「それなら、何も迷うことはないじゃないですか。
 わたし、こちらに残りますよ」

「…そう。
 それじゃあ、他に残ることを選択した人たちといっしょに、
 お茶でもしながらそのときを待ちましょう」

召喚師さんのあんなに優しい微笑を、わたしは初めて見た。

                      ◇ ◆ ◇

召喚師と別れた私は、もう一つ行くべきところがあった。
こちらの世界で友達…親友になった女の子のところ。

ノックをすると、彩花ちゃんは部屋に招きいれてくれた。
わたしに椅子をすすめて、お茶を淹れてくれる。

「それで…私に話があるんだよね?」

「お見通し…か」

「そりゃもう。私達、親友でしょ?」

お茶を飲みながら頷く。

「わたし、ね。
 こっちの世界に残る事にしたんだ」

彩花ちゃんには、最初、元の世界に戻ると伝えた。
それから、お互いの家を訪ねる約束も。

「そっか…」

彩花ちゃんは少しうつむいて、呟いた。

「私は召喚士さんに呼ばれないとこの世界には来れないから…。
 しばらく会えなくなっちゃうね」

「うん。でも、いつか、きっとまた逢えるから。
 そうだ。身体が治ったら、まずまっ先に彩花ちゃんに逢いに行くよ。
 大丈夫。わたし、今まで一度も約束破ったこと、ないんだよ」

「うん、私もそう信じてる」

そう言うと、彩花ちゃんは小指を私のほうに差し出した。

「だから、指きり。
 生きていれば絶対また逢えるもんね。
 それがこっちの世界か、私の世界かは分からないけど、必ず」

「うん、必ず」

                      ◇ ◆ ◇

明日、皆は元の世界に帰る。
わたしはそれを見送るのだ。

いつか、再び逢える日を夢見て。
大丈夫。時間はたくさんある。
夢なんていくらでも見られる。
なんと言っても、ここは常闇なのだから。

It is time to say Good-by for a while.
To be continuedo to...?


The end.
Message(Personal)
取引メイ
「……こんばんは。メッセンジャーサービスです」
取引メイ
「……メッセージの送信ですね。承ります」
取引メイ
「……5件のメールが届いております」
  • ユウ(E-No.56)からのメッセージ……
      ユウ
      「あー、こんなギリギリに悪ィな。
      大体ソウルスティール見切りさえありゃあ猫にだって……!」
      ユウ
      「武者鎧ねぇ?色々縅とかはまぁ……
      こっちにあるんかね?ああいうの。
      マーケット眺めてるとどう考えても西洋鎧なんだが……」
      ユウ
      「まあ日本人だから気持ちはわかるけどな、西洋鎧よりは似合うだろってのは。
      ただ兜に愛とかはアレ実用性あんのか?っていう疑問がだな。」
      ユウ
      「七不思議なー。大抵ひとつにアレは入ってるよな……

      いやー、暗黒卿のほうは全身鎧だと思ってたんだが……
      中身機械だよな、アイツ?
      あー、アイツつっても一番有名なダースのアイツな。」
      ユウ
      「言い逃げになるけど、俺は残るつもりなんだが……
      おたくはどうするんかね?
      帰ってもいいんだが、どうにもこっちのほうが楽しいんだよな。
      現実じゃ血筋がどうのうるせーし……」
  • ルーネ(E-No.289)からのメッセージ……
      ルーネ
      「何時の間に頼もしくなっちゃって!」
      ルーネ
      「いやいや、それがいい!っていう需要があるらしいよ?…わたしゃよく判らないけど。」
      ルーネ
      「そっか、キミも帰るんだね。」
      ルーネ
      「私はここに残る。ちゃんと終わらせてから帰りたいんだ。」
      ルーネ
      「きっとまた会えるさ。そう思ってるなら、ね。」
  • ルーシィ(E-No.491)からのメッセージ……
      ルーシィ
      「派手な戦果には、やっぱりあこがれる物がありますね(うんうんと頷いて)
      私の場合、最近はダメージを出すよりも皆が怪我しないでくれたほうが嬉しいですから、相手の武器を吹っ飛ばせた時が一番嬉しいです、実は。
      援護の結果、強敵をダウンさせてくれたりしても嬉しいですけどね。」
      そう言って、悪戯っぽくぺろっと舌を見せる。

      「でも、連携して攻撃すると言っても本体は私じゃないので、凄い結果が出てもそれは主導で攻撃した人の実力ですから、あんまりはしゃぎすぎるのも何か違う気はしますね……」
      うっ、しまった!といった感じの表情になりちょっとうろたえるボス。
      でも変に誤魔化す事も出来ない性格なので、躊躇いがちについ答えてしまう
      「パーティを組んでいた仲間からは……『ボス』って呼ばれていました……
      ……眠り姫のほうが、可愛くて羨ましいです」
      言ってて哀しくなってきたのか、話題を無理やり切り替えに掛かった
      「ね、眠れなくなる眼鏡が、私の居た世界にはあったみたいなんです。
      どれだけ眠くても、かけている間は眠れなくなる眼鏡だそうで。
      眠くて辛いのは消えないらしいんですけどね……
      戦闘中くらいは、そういうのあっても便利かなって!」
      ルーシィ
      「終わってしまいましたねぇ……いともあっさり。

      私はまだ、この世界に留まるつもりです。
      このまま帰るよりは、面白そうですし。何より、まだこの世界に居続けたい理由がありますし……(ほんのり頬を染めて乙女チックな溜息を漏らす)」
      「みづほさんは、帰ってしまうんですか?
      そうでないのなら、今後とも宜しくお願いします。大事な戦友ですからね」
      そう言うと、にっこり微笑んで握手を求めた。
  • あやか(E-No.604)からのメッセージ……
      あやか
      「それじゃ…ちょっと長い、お別れだね。
      でも、もう二度と会えないって決まったわけじゃないし。」
      あやか
      「…約束だからね。絶対、また会おうね!」
  • グレイ(E-No.609)からのメッセージ……
      グレイ
      「ついに解散の時が来ましたね。今までありがとうございました。お互い、最後に中級クラスにコンファインできて良かったですね。私は、最後にライフサルベージで二人蘇生できたので満足です。」
      グレイ
      「そういえば、前々回の庇うランキングのトップおめでとうございます。私は庇うランキングには載った事がありますが、さすがにトップを取った事はなかったです。」
      グレイ
      「また日記を見てしまいました。巫女ユミさんが心配そうにしていたのは、この事だったのですね。みずほさんがどうなってしまうのか心配です。悪い事が起こらないと良いのですが。お友達が無事に助かったのは安心しました。」
      グレイ
      「前回言ったように、私はこの世界に残る事にしました。皆さんが再び召喚されてくるまで、召喚士様とお茶でも飲みながら、準備を整えておこうと思います。」
      グレイ
      「みずほさんの今後のご健康とお幸せを祈っています。」
  • 依代の記憶保存
    召喚士がやってきました。
    召喚士
    「あなたの記憶を貰うわ」
    • 依代名……魔法少女みづほ
    • クラス……アークウィザード
    • 性別……
    • 年齢……子供
    巫女ユミ?
    「記録したぞ」
    Message(Linkage)
    最終選択
    召喚士
    「ここに残るのね」
    召喚士
    「わかったわ。アナタがここに居られるように、再構築させてしてあげる。戦う力はもういらないから、ゆっくりしているといいわ」
    召喚士
    「さあ……一緒に征きましょう」
    八月朔日 瑞穂の意識はそこで途切れました。
    その後……銀色の少女に付き添う姿があったとは、
    また別の話です。
    ホームリザルトキャラクター結果 > みづほの一週間