自称王様の一週間

「んー。あ。お久しぶりです。

うん。私の名前…言ったかなぁ。
剣士のエターナルって。

実は頼みがあって王様に補具叩いてほしいんだよね。
ところが、ビシュク…あー。

うん。うちの仲間のお狐さん。

王様のライバルっぽい立場だから知ってる
かもしれないけど。

彼女も、そっちの修練つけてるのよー。
困ったものね。

それはさておいて、今後ともよろしくね！」

「致し方の無い事で御座いましょう。
……残念ですが貴方が悪い事では御座いませぬ故、お気になさいますな」

「貴方様が無事であればわたくしが御傍にいる意味もあるというもの」

「（とか言ってる癖に　拗ねた！）」

「ああはいはい、分かったよ分かった」

うんざりするように頭を掻きながら、もう聞きたくないというかのように吐き出した。

「あんたをやり込められる気なんてさっぱりしないしな。
　記憶が無くても焦らない男なんて俺の手には負えないよ」

溜息を吐きながら続ける。

「焦ったからってどうにもならないと分かってはいても、な」

「あー……じゃあたまには素直に受け取っておくよ。
あんたに褒められても、何だか腹に一物ありそうですぐ喜べないのさ。」

それに、と目線を逸らして続ける。

「素直に受け取ってほしいなら、挑発するみたいに近づいてくるんじゃない」

「……？」

一瞬言っている意味が分からず、眉根を寄せて考えていたが「男もいけるのか」と言われた途端に理解して

「っ？！ち、違う！！兵隊仲間にはそりゃそういうのも居たが、俺はそっちはからっきしだ！」

とまで言ったところで、低く笑う王様を見てからかっていると思ったのだろう、落ち着きを取り戻した。

「……あんた、わざと言ってるだろう？」

「い、いえ、そういうわけではないのですが、
こう、面と向かって『似合う』だとか、そういうことを言われるのは慣れていないもので……（少し困惑した表情で）」

「私は他の人からの伝聞で知ったのですが、魔法で使った兵士の戦い、凄い戦いだったみたいですね。
後でそれを使って『ぽんこつろぼっと』という依代が入ったなどとおっしゃっていましたが。
恐らくあの言い方からすると『ぽんこつ』『ろぼっと』と分かれるみたいですね。
それぞれどういう意味なんでしょうね。」

「ですが、鍛える目的でなくとも、とりあえず体を動かすだけでも、汗をかいて、清々しい気持ちになると思います。
健全な肉体には健全な魂が宿るとも言いますし。

まぁ、何か嫌なことがあれば走るのがひとつの手段だということは、覚えておいて下さい。」

「……呼ばれました。入札内容を伺います」

「……緑色で300個、藍色で500個、紫色で300個で入札します。」

「……抗う者の幻刻剣＋１へ総魔石1100個で受付ました……良い取引を」

「……赤色で400個、緑色で500個、藍色で205個で入札します。」

「……魔法騎士の盾＋２へ総魔石1105個で受付ました……良い取引を」

「……おめでとうございます。開始480、入札8、終了1105で落札できました。出品者は商人トレハです」

「……残念ですが落札はできませんでした。開始480、入札6、終了1525で戦う少女(E-No.162)が落札しました。出品者は商人トレハでした」