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Diary | ||
驚いた。正直言って驚いた。 それは、とある屋敷で起こったことだった。 猫耳をつけた少女が喉をやられたらしく(無責任にも)戯れである薬を差し出してみたところ、 今までにゃーしか言わなかった半人半猫の少女が、あの薬のせいか何とあの子は人の言葉を口にした。 まさかあの紛い物――もとい喉直しの薬にあのような副作用があったなんて。 こんなことが科学で証明できようか? 恐らくできない。根拠はない。 いやごめん、私は科学者じゃないけれども。 と言っても薬に関しては多少なりとも知識はあるほうだ。 こう見えて医学、薬草学の知識を得ようとして勉強していたことがある。 その際に薬品のことも少しばかり触れたことがある。 故に奇跡としか言いようがない。 ていうか普通、水と一緒に飲み込むものなのに、水を用意するまもなくそのまんま飲みやがりましたあの猫。 まあそんな当たり前の事なんて知るはずもなく。 ともかく薬にも人によって効果の程は色々あるが、特に彼女は元々猫の魂が人間の依代に憑依した存在だ。 様々な因果が重なってこのような結果を招いたのかもしれない。 \"けほ\"と咳払いする様子を見て、私は喉が直ったかどうか声を出すようジェスチャーをする。 一拍おいたのち、彼女は恐る恐る口を開いた。 「れ……ぼく、さべれてるのか?」 喋れるようになったことに私は驚いたが、本人が一番驚いただろう。 もっとも不器用に言葉をつむいでいくのを見るに、 いきなり流暢に喋れるほど都合よくできてはいないようだ。 ただ、人の言葉を喋れるようになるということはより人間に近づくわけで。 元の世界に戻れた時、彼女が今まで通りの生活に戻れるかちょっと心配。 いやまあ元から喋る猫は何故かいっぱいいるけどさ。 ま、どっちにしろ私には関係ないね。 新しい発見と面白い使い道が出来たから感謝はするけど、さ。 にしてもネーミングセンスを疑っちゃうなあこれ。 ノドナオール なんかこれと似たようなものをどっかで見かけた気が…… なんだっけ、ああ確かスイーツ(笑)だったかな。 |
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今回の滞在 | ||||||
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召喚士におねがい | ||||||||||||
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