エリクの一週間

「今回の攻略拠点は「怪鳥平原-疾走者の檻」ですね」

「時間になったら集まるのよ」

「……こんばんは。メッセンジャーサービスです」

「……メッセージの送信ですね。承ります」

「……1件のメールが届いております」

「気に食わないという訳ではない。
ただ少しおかしかっただけですよ……この場所にあって
逆に女子供の方が無駄に強いこの世界にあって
正統な騎士らしい貴方がどの程度役に立つものか、とね。

僕たちのように身を守る術を持たぬものは
前に立つ貴方方に希望を託すしかないのだから……
受け取るからには立つ腕はあるとの自負くらいはおありでしょう？

（冷たい目のままふ、と哂った。別にヨロシロの体なんてどうでもよいのだけれど、と声には出さず呟いて）」

「妾の工房に発注したいとな？」

「よかろう、たんまりと魔石を積むがよい。妾が代理人になってやろうぞ」

「きの工房へ依頼するのじゃな……。詳細を聞こうか」

「支払いは赤0個、緑0個、藍0個、橙0個、紫20個、黄0個、青100個で、合計120個じゃな？」

「うむ。きの工房へ剣闘士の鎧を強化するよう手配してやろう」

「依頼は必ずしも請けられるとは限らん。殺到した場合は、魔石を多く支払った者が優先される。まあ、しばらくは待つがよい」

「手配結果が出たから伝えに来てやったぞ」

「安心するがよい、オヌシの依頼は無事に受領されたぞ。」

「それでは剣闘士の鎧を預かってやろう。なあに、攻略開始までには返してやるから、楽しみに待つのじゃ」

「強化の度合いが見たければ、きの工房に顔を出すと良かろう」

「おっと、なにかの事情で工匠の都合がつかないことがあるやもしれん。報酬は強化が無事終わった後に頂くぞ」

「きの工房への依頼の品じゃ。確かに返したぞ」

「強化は無事に終了しておる。それでは報酬を受け取ろう」

「そろそろ時間よ。集まりなさい」

「攻略ですよ攻略だよ攻略だぞ攻略に行くぞっヒョォォ！！」

「……落ち着きなさい」

「アナタは確か、私の護衛に志願してくれているようね」

「今回はアナタの出番よ。頼りにさせてもらうわね」