……あ、ごめんなさい。あなた達参加者を貶める意図は私にはありませんし、先ほどのような事を口にするのがそもそも筋違いであることは理解しているつもりなのですが。――言わずにはいられないのですよね、どうにも

理屈によらない強さ、ですか。結局のところこの一揆の参加者達も、ネクターを用いてエンブリオを使役し戦っているのは変わらないんですけどね……ただ、異常な成長速度で力を伸ばしている者が多いのは、少し気になるところではありますが

外部宣伝というのも、疑問が残ります。この状況を他世界に知らせるということは、むしろリスクの方が大きいと私は考えますけどね。内乱につけこまれ、外界の者に利潤を奪われる可能性は決して低くは無い――

――いや、むしろ『逆』か？　外ではなく『内』を警戒したが故の援軍要請……それなら合点がいく部分もある。私が余所者にこの世界を救わせたくないのと同じく、赤髪共は『この世界の住人にこの世界を救わせたくない』――

……まあ、何を言っても現時点では推論以上にはなり得ないのですけど、ね

第三勢力の旗揚げ、ですか。おそらくそれは無理でしょう。圧政に苦しむ住人が多いのは確かな事実ですし、その人たちにとってあなた達援軍が救いの手であることも、また事実です。私のように反発を覚えるものも少なからず存在するでしょうが、それでも日々の生活に困窮する現状を鑑みれば、その感情は殺せる

それでは他の力ある者達はといえば、今のところ高みの見物を決め込んでいるか、全く興味が無いかの二択です。仮に動くとしても、それは一揆衆が新王を落とした後の話になるでしょうね。私や兄のように『拘り』ではなく、『利益』で動く連中であれば、それが妥当です

……と、お喋りは少し中断ですね。狩りの準備はよろしいですか、レネさん？

ちょっと今契約枠が空いてないんだよなあ。
はーあ、契約据え置きでいろいろ捕まえられたらいいのに。