み・・・。

むぃ・・・？

きづいた？

なんトか・・・動けそうなのデす。

よかった。

ッテ、今日は色々ト動かないト。 忙しくなりそうデすしねー。

みぅ。

・・・けド、何か忘れテいるような？

――それでは、報告は以上となります。

ご苦労様ですのよ、もう少し粘ると思ったんですがね。 やはり全体的に未熟なのでしょう。

それはそうと、器はどうしましょう？

今は捨てるべきではないでしょうね。 もう少し、詳しく調べてみてからでも遅くはないでしょうから。

かしこまりました。 それと、レクシアちゃんの事に関してはどうしましょう？

今は何も言う必要もないでしょう。 賢者の石に異常があるのならば、そちらの懸念は必要になりますが・・・。

微細な傷や歪みまではあたしにも判別ができなかったので・・・経過観察ですかね。

引き続き、お願いしますのよ。

・・・それにしても、これからどうするつもりなのです？ 問題が発覚するのも時間の問題でしょう？

その時はその時で、臨機応変に対応しましょう？ 私は対処法を下調べしておきますの。

よろしくお願いします。 あたしが現地で出来る事にも限界がありますから・・・。

わかってますのよ。 あなた一人に負担を押し付けてばかりもいられませんからね。

その、そろそろ教えて貰っても良いですか？

何をですの？

ハネズさんは、レクシアちゃんをどうしたいのです？

・・・と、言いますと？

人生の経験も浅いのに、苛酷な環境で身を窶（やつ）させる意味はあるのでしょうか。 このままでは、磨耗して潰れてしまってもおかしくないですよ。

私は・・・レクシアに選択肢を与えたかっただけですよ。

選択肢・・・？

安全な檻の中で過保護に育てる事もできますし、アンジニティやメルンテーゼのようなサバンナで育てる事もできます。 どちらが良いかなど誰にもわかりませんし、大抵は結果論にしかなりませんのよ。

しかし、もう少し手心というか・・・数年経ってからでも良かったように思えます。

レクシア自身が望んだ事でもありますからね、外の世界を見て、様々な事を経験して、自分に足りない物を見つけたいのだと。

レクシアちゃん、本人が・・・？

私も元はリビングドールだったので、少しだけ理解できてしまうのです。 生まれてすぐに、自分の能力を、知識を、強さを、試して試して・・・そして、挫折して。 己の小ささを、限界を知る良い機会でした。

限界・・・ですか。

生物というものは狭い世界にいると、自分は目に見える『枠』の中では万能かつ一番だと錯覚してしまうのです。 そして、外の枠に出てから次元の違いに愕然とするものですよ。 それは強さであったり、常識であったり、知識であったり。 どの分野にしても上にが上がいるものです。

・・・耳が痛いお話ですね。

レクシアは、メルンテーゼで色々知ると良いのです。 見知らぬ風景を、より強い存在を、経験した事のない感情を、広い枠の中でどう行動すべきかを。

・・・・・。

もしも途中で心や体が折れたなら、その時に初めて元の世界に帰還すればいいのです。 どちらのケアも、私ならできると自負していますから。 ここで得られた『限界』は、後の人生を歩む上で大きな糧となるでしょうからね。 ゆえに、彼女から『帰りたい』という声を聞くまでは続けるつもりですのよ。

ハネズさんの方針は把握しました。 それならば、あたしも協力を惜しみません。

そうそう、もう一つ。 これはレディカさんやみぞれちゃんにも言える事なのですよ？

・・・えっ？

セルフォリーフやアンジニティとはまた違う立場でしょう？ これらはあなた達にとっても非常に稀有な経験になるでしょうからね。 知識も視野も広がることでしょう。

そう・・・ですね。

私自身、ウルドスピンの出来事や金属タイプのホムンクルスの育成は未経験です。 何事も、本だけの知識だけでは得られないものがあります。 自ら動いて、動かしてみないと経験は得られないものなのです。 失敗だってあるでしょうし、完璧じゃない事も多々起こります。 ゆえに、それがデータとなり次の似たような機会の為に含蓄されてゆくのです。

ありがとうございます、少しモヤモヤしていたものが吹っ切れました。

いえ、逆にレクシアが同じような疑問を持ったらレディカさんからお願いしますね。

はい、承りました。

今日も頑張りましょうー♪

手強い相手でしタ…

ミイラ・・・砂地でマミーさんを見かけタような・・・？

さ、はっじめるよー！

こいつらより農作物のほうが強く見えるとか不思議だなぁ・・・

負けませんヨ。覚悟してくださイ！

ヴヴ・・・・・ァア・・・・・・？？

働かざるもの、喰うッ！！

働かざるもの、喰うッ！！

働かざるもの、喰うッ！！

ヴヴ・・・・・ァア・・・・・・？？

働かざるもの、喰うッ！！