はーい？

夜分申し訳ありません、アイリスさんのお部屋はこちらですか？

そうですよー？

ちょっとお時間頂いてもよろしいでしょうか？

大丈夫ですよー。

初めまして。私は一揆軍の連絡隊の隊長をやっておりますパウロ、と申します。

隊長さん・・・ですか？

はい、実は少しお願いがありまして。

何でしょうか？

アイリスさんと言う一揆参加者の方がかなり足の速い馬を所有しているという話を隊の中で聞きまして。

あぁ、スレイの事かな。

単刀直入に言いましょう。そのスレイと言う馬を数日お借りできないでしょうか？

えっ？

実はここからかなり遠い位置に現在進行中の隊への急ぎの連絡が必要でして・・・。
その隊が現在攻撃目標としている位置への道中に、非常に厄介な魔物が陣取っているという情報が入りまして。
実は、数日前に騎士隊が1つその魔物によってほぼ全滅させられているのです。
その為、急ぎで進行中の部隊に撤退命令を出さなければならないのです。
しかし、わが軍の馬ではとても速度的に間に合わないと言う結論が出まして・・・。

なるほど、事情はよくわかりました。少しスレイと話してみていいですか？

ありがとうございます、お願いします。

お茶をどうぞ。

すみません、頂きます。

・・・って話らしいの。

なるほど、オレの力が必要なんだな。わかった、引き受けよう。
・・・しかし、そうなるとジョアンはどうするんだ？オレが居ないとアイツとの意思疎通ができないだろう？

そ、そう言えばそうだったね。うーん・・・。

話は聞かせてもらったぞい。要するに、話ができればいいんじゃな？

こういう時こそワシの出番じゃ。

バーサ・・・？

その役、ワシが引き受けようぞ。但し準備が必要でな。スレイ、あんたの毛1本貰うぞい。

何をする気なんだ？

そしてここにこの前ジョアンが落としていった毛があるんじゃ。

後は、これをこの薬の中に入れて・・・。

で、飲むと。

これでよし、じゃ。これでワシにもジョアンの言葉がわかるようになったはずじゃ。

・・・えーっと、どういう事？

これは昔ワシが作った薬でな、ある2つの種族が共通で話す言葉を理解できるようになる薬なんじゃ。
ただ、その為にはその種族の身体についている何かを混ぜる必要があっての。
手っ取り早いのが毛な訳じゃ。本来ならアイリに飲ませるのが良いんじゃが、人間には試した事がなくての。
人間に毒になってしまってはどうしようもないんじゃ。
そこでワシが飲む事にした。ワシなら大丈夫なのはわかっとるしの。
・・・さて、早速試してみるぞい。ジョアンや？

あれ？ジョアンこんなところにいたの？

きゅっ。

あぁ、そいつは最近オレの隣のところで寝泊まりしてるからな。

きゅっきゅ。

・・・。

意外とここは過ごしやすいから、だそうじゃ。どうやら成功のようじゃな。

す、すごい・・・。

ほぅ、それなら大丈夫そうだな。
なら、オレは行くことにするぜ。

うん、わかった。頑張ってね。

任せな、これでもスレイプニルなんだ。足の速さには自信があるぜ。

ではスレイ、行きましょうか。

あぁ任せな、振り落とされるんじゃねぇぞ？

ではすみません、急ぎですのですぐにでも出発します。本当にありがとうございました。
それでは、また数日後。

はい、気を付けて下さいね。

おはよーさん。・・・あれ、スレイはんは？

あぁ、スレイはちょっとお出かけ中。

ふむ、何かあったんやね。

皆集まってから説明するよ。

さて、今日は山岳へ行くんだったかな。

ふふふ、宝石の力って凄いんですよ？

おお…っ？凄い品ですね、それ。
持ち運びとかもしやすそうですし。

しっかし、そんなもの何処で拾ったんです？
何か凄い所でも行ってるんですかね……？

叫んでたですって？

……とにかく大丈夫そうだったのならいいわ。

うーん、おみやげねぇ……いいものを拾えるといいんだけど。

あまり運よくないから物は期待しないて頂戴。
ついでに引率もしてくるからPS位はしっかり稼いでくるわね！

そうそう、バレンタインだから貴女にもチョコあげるわね。

辛子は入ってないか・・・。なんで辛いんだろう。
今度またこっそり飲んでみよう。

それだ。エチルアルコール。
なんでそんなものを飲むとあんなにベロンベロンになっちゃうんだろうねえ。

敵だよ！皆気を付けて！

( ･_･)ｼﾞｯ

切り裂くものじゃないよ、食べるものだろう？

ん？なんだ？餌か？

ん？なんだ？餌か？

ん？なんだ？餌か？

ん？なんだ？餌か？

お嬢様、私も少しお手伝い致しましょう。

うん、お願いね。シエル。

さて、それでは参りましょうか。