――――パーティを抜けて一人になった。

この世界[メルンテーゼ]に来る以前はずっと単独で行動していた。
一人になった所で別段、どうという事は無い。

ただ、長い間の団体戦に慣れたことで戦闘スタイルが変わってしまった。
この先を勝ち進むには、更なる力と単独戦の勘を取り戻す必要がある。
今は戦闘で前に出て敵に斬り込むロズ、もみじ、そして後ろで援護してくれる由紀もいないのだ。

ダリアの視線の先には

見覚えのある人物が立っていた。
この世界に来た時に出会い、言葉を交わした『農民 カメル』だ。

カメル「久しい――というほど、日も経っていないか」
カメル「少し、厄介な相手がいてな。手を貸して欲しい」
カメル「王の財宝の一つや二つ、持っているやも知れん相手だ。悪い話ではあるまい」

どうやら共闘の誘いのようだ

とんとんと、自分の胸を叩く。

言うが早いか、鎌を再び振り回す。

護りの森の中を歩いているとサッと隠れる人影を見つける。

その人影は顔を出し、気がつかれたのが分かるとゆっくりと出てくる。

プララの口を押さえている姿が見えるが、近づいてはこない

遠くで表情はあまりよく分からないが、こちらに目線を合わさないようにしているのは分かる。

どうした？