独りでいる時が最も安全である。

　果たしてどうだろう。少なからず、このような手広な城内を一人で探索する、というのも中々骨の折れる話だ。敵に見つかりにくいのは楽なことだが。
　あちらこちらと探索しながら進むと、兵舎らしき場所に辿り着いた。

　ということは、兵士にばったり出くわす可能性が高い。少し嫌な思い出が蘇る。逡巡したものの、なぜか人の気配はない。フェアリーが震えていたので、異形の気配はあるのだろう。しかも強力な。
　どうしたものかと考えていると、再び私に救いの手が伸びたのだ。
　私はどこまでも運がいい。

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　ナスルは壊れ物を扱うような手つきで封筒の封を切る。
　中を開いて手紙を取り出すと、
　届け主の自由奔放さを表す文字と絵の羅列に思わず苦笑した。

　手紙の端をそっと自分のまとっている布で拭いながら、
　大事そうにナスルは懐にそれをしまった。
　そして鮮やかな黄色の羽ペンを取り出して紙に綴りだす。

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（前回のまだらの手紙に寄せて）

表情を崩すナスルを見て、ネイベールは微笑んだ。

嬉しそうに瞳を輝かせているナスルを見て、ネイベールは更に相好を崩す。
そして思う。

ナスルはそう言って荷物の中から服を取り出した。

そう言うとナスルは素早く着替える。