山で敵を引っ掛けた後、今後の計画を立てる我々。引っ掛けたのは私だけど反省はしている。ちなみに今回誰と会おうが、それは私のせいではない。

……さて。審議の結果、一度荷物を整理し、各々また目的のためバラバラに動く事になった。
今日は山を進み、明日に各自合流なり探索なりを行う手はずだ。
私は我らがリーダー殿を連れ、以前依頼を頂いた単独行動の女の子を連れ、友人の仲間の一人を連れて砂地へと向かう手はずになっている。

「よく了承してもらえたな……というか、連絡が取れたな？」
「依頼を貰った時にまあ、ちょちょいとね」

こんなすぐに約束を取り付ける日が来るとは思わなかったが。
仲良く出来ればいいのだけれど。

そう言いながら、蜂蜜の入った壷を取り出す。

鼻歌を止め、こちらに歩み寄ってくる女性。
警戒はないけれど、惑うように瞬きを一つ。

紡がれた己の名に、表情がうっすらと驚きのそれに染まる。
見慣れていた、けれどここでは殆ど見かけなかった端末を見、それから女性を見て。