とつぜんおそってきたくろいふくのおねえさん。
猫はとまどいながらもたちむかいます。


ところが――

猫がぜんりょくでたちむかうと、おねえさんはあっさりとまけをみとめてこうさんしました。
おまけにふるえながらおさいふからPSをとりだして猫にわたしてあやまります。


よくわからないままにうけとる猫。
なんだかまるでこちらがいじめているようなきぶんになってきました。


とぼとぼとさっていくおねえさん。
そのせなかをみおくります。




「何だったんだ、ありゃあ・・・・・？」


ししょーもあきれがおです。


「こんなガキ相手にビビッて情けねェ女だな。おまけにカツアゲにあってるたぁ・・・・・」


「聞き捨てなりませんね。坊ちゃんはカツアゲなどという非道徳的な事はされておりません。
あの女性がいきなり襲いかかって、それを坊ちゃんが返り討ちにしたまでの事。
それにあれはあの女性が自発的に支払ったものでしょう？言わば慰謝料です。」


ししょーのつぶやきにセバスチャンがすかさずいいなおします。


「・・・・・慰謝料、ねェ。物は言い様だな。おめぇもとんだ曲者だよなァ。」


「それは褒め言葉として受け取っておきましょう。」


ししょーのいやみにもすましがおでこたえるセバスチャン。
猫は、というと――


『かつあげってなんなのです？あぶらであげたたべものなのです？』


そもそもふたりがなにをいっているのかちんぷんかんぷんのようです。
















「んで、何なんだよこの階段は？地下牢がどうとか言ってたが・・・・・」


おねえさんがおしえてくれたかいだんをのぞきこむししょー。


「まさかこんな所に――――」


「あン？知ってんのか？」


セバスチャンにたずねると、猫をちらりとみたあとにだまったままわずかにうなずきました。
どうやら猫にかんけいがあることのようです。

ししょーもそれがわかったらしく、なにもいいませんでした。


「んで、どうすんだ？ここに行くか？」


『いってみたいのです！』


「いえ・・・・・やめましょう。」


めずらしく、セバスチャンが猫のいけんにはんたいしました。
きょとんとして猫がセバスチャンをみつめると、セバスチャンはめをふせて、


「――この先は地下牢です。坊ちゃんにとって面白いものなんて何もございませんよ？」


『そうなのです？』


「えぇ、ですから別の方面へ向かった方が宜しいかと。」


『セバスチャンがそういうなら…』


いまいちなっとくしていないのか、猫はちょっぴりみれんがましくかいだんをのぞきこみつつも、セバスチャンのていあんをうけいれることにしました。
そうときまればすぐにきもちもきりかえて、はなうた（？）まじりですすんでいきます。
そのあとをついていくししょーとセバスチャン。


「――それで？」


「・・・・・地下牢には死霊術師がいると聞いたことがあります。恐らくは旦那様もそこで研究の一端として知識を得たのでしょう。」


「へェ、死霊術師ねェ。」


「ともかく今は坊ちゃんを近づけるには危険でしょう。」


「まァ、そうだな。」



『ししょー、セバスチャン！はやくはやくなのです♪』


さきをすすんでいたねこがふりかえっててをふっています。


「おぅ、今行く！」


かぜのむくまま、猫のきのむくまま。
いったいつぎはどこへむかうのでしょう？

その様子を見たメイは、少し慌てて。
ちちち、ちゅんちゅん。ちちちゅん、ちゅんちちちちちゅん！ちちっ。
鳥の言葉でかーこに何かを伝えたらしく。それを受けてかーこは、えー？と言いつつも。

頷いてから、続ける。

メイはロクさんの様子を見ながら、ゆっくりとゆっくりと、説明する。
何かを作るにしてもそうでしょう？と続けて。

大男はとても嬉しそうに、さらに顔をほころばせた。

男は、「がんばるぞ〜！」という風に、ガッツポーズをした。

キュピーンっとロザリーの頭の上に電球が閃く。
（人魂……もといカッパがサムズアップしている）

派手にコケるリィガ。地面に落っこちてふるふると震えている。

さりげなく、しゃべりながら抱きしめたまま撫で撫でと頭を撫でまわし。
コリコリと指先で優しく頭をこすり。

もりをさらにさらにおくへとすすんでいくと、なにやらあらそうようなこえがきこえてきました。

かたほうはどこかできいたこえのようなきがします。
なんだかきになってこえのするほうへいってみることにしました。
そこには――