いつものように、行き先を決めることとなった。
まだ、ヒエンは寝てるけど。

「今日はどうする？」
「この先にイカがいるって、聞いたの。」

『ちょーっと待ったー！！』
「何ですのマスター。」
『かーこちゃん、そのイカ、どうするのかな？かな？』
「うーん、火にはよわいよな？じゃ、ミニドラの火力で――」
『――そう、それよ！分かってるわねかーこちゃん、さっすがー！』

ごめんマスター、よく分かってないんだ。

「かーこ、放っておくの。
　イカが食べたいとか、そんなこと言い出してるだけですの。」
『イカはイカでも焼いたイカは何だ？』
「それはわかる。焼きイカだな。」
「……うん？やきいか……？」

ヒエンが起きたので、メイが簡単に説明すると。
すっかり目が覚めたようで。

「やきいかー！やきいかー！！」
「かーこちゃん、ミニドラちゃん、いいよね？行くよね？」
『ほらー、ちゅんたー、ヒエンも乗り気じゃないのー。ねー？』
「マスターが起こすから、こうなったの。」
『バレてたか。ま、いいじゃない。結局焼くんでしょ？』
「うん、焼くだろうなー。」
「火属性魔法は使うことになりますの。」
『じゃ、そういうことでっ。よっろしくー。』

時間が無いからと、マスターはそこで消えたんだ。
つまり、今回の作戦はこういうことらしい。


〜〜〜〜美味しい焼きイカを用意せよ。〜〜〜〜



今日も、ヒエンはドライアドのお世話をしてるらしい。
ミニドラもそうだけど、ドライアドもお気に入りみたいで。
ようせいさんだからかな。植物、好きなのかも。

そのかいあって。
ドライアドの体調は、少しずつよくなってきてる。
あ、僕たちもちゃんとしてるんだけど。
一番多いのは、ヒエンなんだ。
ねるときも近くにいるしなー。

ねるときといえば、そうだ。
また、ユメを見た気がするんだけど。
何だっけ？うーん。

地下にあるたくさんの牢。
空っぽの牢屋が続く。
・・・妙な空気が漂う。

・・・何だか嫌な予感がする。
静かな地下牢を探索する―――

どこからかスズメの声が聞こえてくる・・・