僕の不安と焦燥は押し殺せていただろうか。全く取り繕えた自信がない。

　彼に話した事に偽りはない。僕は人である為に革命に手を貸している。「圧政に虐げられる市民を助け、支配から解き放つ」。それが「正しく人間らしい行動」だと考えているから。それが異世界の革命に加わった一番の理由。
　ただそれは、追放刑に処された日に外された枷の代わりに僕を囚え、逃れられない感情に因るものでしかない。不安と、焦燥。

　アンジニティの住民を救う為にあの世界に飛び込んだ人と似た眼をしている、と彼は言った。彼が全く嘘をついていないなら、きっと僕は上手に演じることができたのだろう。そうであれば、彼の中で、その人と同じ場所に立つかもしれないわけだ。考えると、胸で黒い靄が渦巻くような感覚がした。僕はそこに居るべきじゃない。僕は僕の為にしか動いていない。
　それとも、彼が見抜いていて、本当にこの話をしたときの僕と似たような眼をしていたのなら、……。

アマドにはひらひらのピンクのドレスに、整ったウィッグ。そしてナチュラルメイクが施されていた。

しぶいかおをしているのをみて、なんでだろうとかんがえて――
ふとあるかんがえがうかび、ぽん、とてをうつと、

ほめられなれてなくて、てれているのだとおもったようです。

ちょっとびっくりさせてしまったかも、とおもいつつもきちんとめがあったことにまんぞくしたのかそのままニコニコしています。

無言で相手を睨み付ける。

手中に爪を隠し、何事もなかったかのように手指を払う。

静かに恭しく一例。