うつら、うつら。
まどろむ意識の中で色んな事を考える。

森を出てから出会った様々な人や仲間――友達。
新たに契約を交わしたエンブリオ。
もう一度絆を取り戻せたエンブリオ――家族。

無数の出会いと、自分の知らなかった沢山の事。
そんなに時間は経っていない筈なのに、余りにもめまぐるしく
過ぎていった時間に驚くしかない。

仲間にまだ聞きたい事は沢山ある。
友達に尋ねたい事も沢山ある。
伝えたい事も沢山ある。

たくさん、たくさん―――




―――ハルニレともう一度会えてほっとしたんだねぇ

―――考える事は沢山あるだろうけれど、今はしっかりお休みよ

―――『友達』に色々伝えたいんだろう？じゃあまずは


自分の身、ありき


―――そうさ。大丈夫、目が覚めても何もなくなりはしないよ

―――おやすみ。『　　　　　　　　』


おやすみなさい。おばあさま。








*聞こえない筈の声が、眠りに落ちる意識の境目で、聞こえた。

物資のことも、全て見抜かれていた。
どうして彼女がそれを知りえたのかは魔異には分からないが、少なくとも、隠し事を出来る相手ではないと悟ったらしい。

支え合い、いわば共存関係。
異なる生き物同士が共存できるということは、貴重で、すばらしい事だと思っているから。

不思議げな彼女の質問には、ごくあっさりと答える。

使えるなら、目の前で見せてあげることもできたんだけど、と至極残念そうに付け加えた。

最早招来の舞というより、好き勝手に羅列しているだけのように思えるけれど、
本人は至って真面目な上に、乗り気だった。ぴょんこ、ぴょんこ。