枯れた土地を進み続ける日々も、五日で一先ず区切りを向えたようだ。今しがた進む道は城の裏手を覆うように聳え立つ大きな大きな山だった。山には多くの星が降り注いでおり、山頂は清々しい空気で満たされているこの地域は一見、風景明媚な場所にも見える。しかし、その壮麗な景観の裏には険しい道のりであり、潜む敵の強さも今までのものとは違うのを肌で感じる位には、異質な雰囲気を醸し出していた。

　枯れた土地を離れ、一路山岳へと転進したものの今度進む道もまた見目通りの…いや、見かけに反した危地とも言える場所だった。

　銀髪の少女が伝え聞いた話では、他人と協調することはあっても、余り相容れないというものだっただけに、何処か恐ろしい印象を抱いてもいたのだが、ここ数日だけで物事を測れば、それは間違っていた認識だったようにも思う。

　先を行く男の姿を目印にして、遅れないよう後ろから精一杯歩を進めていると、今度の同道者の人となりが視界の端に飛び込んできた。

一人目は、質素な作業着に身を包んだ金髪の女性で、手にする剣と合わせて今まで見た中で所謂一揆に一番近しい人物に見えて
二人目は、桃金髪、緋色の瞳に片翼が特徴的な少女ではあるが、携える武器は鎚と一筋縄ではいかない雰囲気を身に纏い
三人目は、真っ白な犬…触り心地のよさそうな毛並みが魅惑的である。刃を武器にしているようで、触ったら案外痛いのかも知れない

　そんなメンバーと一緒に山岳を進んでいく。偶々なのであろうが、誰もが山岳に挑むのは初めてだったようで、何時にも増して緊張の度合いが強い…ように感じる。
　そのため、潜む敵にも細心の注意を払っていた…のであるが、今度も敵襲に遭えば否応無く戦闘へと雪崩れ込むのであった。

　そのどれもが難敵そうに見えるが、敵影の中でも特に一際存在感を見せていたのはゴーレムと呼ばれる存在だった。それ以外にも炎を纏う鳥や奇怪な風貌を持った生命体も見て取れて…。

　敵を見て張り合おうとでもするかのように、サラマンダーのルイが炎の勢いを増せば、砂地で契約した小竜のスティルトンもまた威嚇するように鳴き声をあげる。

　戦いは激闘となったが、それでも誰一人重症を負うことなく勝利できたのは、個々の戦闘能力が高かったからだろう。しかし、敵影の中に認められなかった存在だったり、戦いの後に見つけたアイテムだったりでは思うような収穫が得られなかったからか、男の表情には浮ついた色は一片たりと見つけることはできなかった。。。

ちらりと視線を送った後

後ろに向かって声を掛けると、目の光がない中年が歩いてくる

と苦笑します