【一揆参加4日目】

ザントマンの集落でもてなしをうけた。
部族の男の一人と戦ったことで力を認められたとのことだ。

干し肉を戻した豆スープと度数の高い酒は、砂漠の日差しで疲れた身体を癒すのに充分なものであった。
ゴレムやシェイドもこれには喜んだようである。
歓待の後、部族に伝わる狩りの技のいくつかを教えていただいたのだが、残念ながら旅の同行は拒否されてしまった。

長老によると私自身に問題があるためである。

一度敗北した不甲斐なさのせいかとも思ったがどうやらそうではなく、私の心の問題であるらしい。
今のままだと客としては歓迎できても仲間としては受け入れられない。協力はするので今一度自分自身と向き合いなさいと諭されてしまった。
穏やかな長老の目には私の心は一体どのように写っているのであろうか。たしかに私は


やめよう。とりあえずは情報を整理しよう。


幸い、昨日の練習試合の相手、カブリ女史に一揆に関する現状を教えてもらうことができた。
最前線で戦う数十の隊は既に城内や広庭の先などへの侵入を果たしているとのことだ。
その地においても様々なモンスターや王城側の防衛網に遭遇しているらしいが、今ひとつ相手に緊張感が見られないようである。

王は一体何を考えているのだろう。
ただの嘆願や小さな村の一揆ならまだしも、外部から2千を超える傭兵までかき集めた叛乱とまで言える規模だというのに。

考えが読めないといえば一揆側もそうだ。王が独占している現在、ネクターはかなりの貴重品であるはずである。
それを一度会っただけ、しかもある程度の戦闘ができるというだけで譲ってしまうとは。盗まれたり、騙されたりなどといったことは考えなかったのだろうか。
実際、一揆参加者同士の諍いや物資の強奪が発生しているようであるし、今ひとつ解せない。

とにかく、判断するには情報が足りない。しかしながら私一人では限界がある。
次の戦闘訓練の渡りも付けられたことだし、少しでも人が集まる広庭で他の参加者と交流してみよう。




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ゴレムの言葉を理解できず、ファイは首をかしげる。

すかさず、ようせいが補足を入れる。

嬉しいと感じたので、ファイは笑顔を作った。