--- 5日目

一旦、インコの居る森から離れ、装備の新調と他エンブリオとの契約により、戦闘能力の強化を行うこととなった。
考えてみれば、私の装備などはほとんど森から着の身着のままのようなものだ。
長衣も首輪も特別な加護があるわけでもなく、魔槌に至っては素となるものがないため、打撃武器とは思えぬほど、脆い。
今までこそはそれでもまかり通ったかもしれないが、あのインコを撃つともなればそうもいかないだろう。
故に、今はインコとの戦いを避け、自身を強化する。
前回は敗北してしまったが、一つ違えば勝ちをつかめたはずなのだ。
装備を充実させた暁には、あのインコに目に物を見せてやろう。

*****

攻城戦に関しては快勝だった。
4対6と、数の上では不利な戦いだったにも関わらず、こちらはただの一人も倒れることなく敵を殲滅することができた。
そして、新たなエンブリオとの契約を結んだ。戦闘相手の、キラーウルフだ。
ティジュとエスペスだけでは不足があったため、という理由もあるが、
実のところを言えば契約に踏み切った主な理由が、首輪の良し悪しを語れる同好者であることは否定出来ない。
基本的に流通されるようなものでもないため、首輪について話せる相手などまずいないだろうと考えていたが、これは嬉しい誤算であった。
今は材料を回す余力がないが、可能であれば彼の新しい首輪を製作依頼してあげたいところだ。

キラーウルフには、エタミヌという名前を与えた。

--- 6日目

草原での戦いを経て、再度森へ至る。
残念ながらあのインコは見当たらなかった。とはいえ、この森から既にいなくなったとも考えにくい。
引き続き森を探索し、あのインコを捉えたいものだ。

それはそれとて、同行者の千雫に依頼した装備が二つ、完成した。
一つは蛇の装飾を凝らした首輪。もう一つが魔槌の素となる物……素槌とでも言うべきものだ。
これまでの魔槌は、芯を持たないもろく崩れやすい即席の大槌だった。
芯がある槌は違う。確かな素があり、それを強化する形での魔槌だ。魔力の形を一定に留めることの安定感が違う。
素槌があるのであれば、今後はもっと有効的なダメージを与えることができるだろう。
……素が韮である、というのが些か不安ではあるが。

--- 7日目

インコがいた。
忘れもしない、あのサングラスを掛けたインコだった。
結論から言えば、勝利した。少々ムーニアが追い詰められていたが、PT全体としてはまだまだ余力ある状況での勝利だ。快勝といえるだろう。
加えて、相対したインコの一人との契約を交わすことが出来た。
戦闘中に魔槌を何度も頭にぶつけたためだろう、インコのサングラスはほぼほぼサングラスとして使えないレベルにまでひしゃげていた。
インコは気絶から回復しサングラスの惨状を認識するやいなや、私に弁償を求めてきたが、それはいくらなんでも都合が良いというものだ。
ただ、インコの実力は本物だ。そのため、弁償をする代わりに契約を要求すると、以外にもインコは二つ返事で応じた。
おそらく、インコにとってサングラスとは私にとっての首輪のような、揃えて抱えていたいものだったのだろう。
ともあれインコが味方についてくれたのは心強い。攻城戦でも八面六臂の活躍をしてもらいたいものだ。

またいい素材が手に入っときいいものが出来ますように。

力説しているからか丁寧語になっているいーちゃん

と、そこでやっとフイユさんの背中に貼り付いてる？存在に気付き

ちなもいるしフイユさんもいい人そうだし、と
無警戒にそのおいでおいでに近寄っていく

妖精さんズに陣形を指示しつつ、刀を構えた。