［基本］OK.　［戦闘］OK.　［取引］OK.　［スキル］OK.　

「ねぇ、社長の誕生日さ、何か贈った？」
「え、贈ってないヤバ。みんな贈ってんの？」
「少なくとも気に入られたい人は贈ってんじゃない？」
「はー……」
「私は純粋にお祝いの気持ちだけで贈ったけど♡」
「下心ありありな顔してよく言うわ」


（……くだらない）

辟易としながらこめかみに指を添えれば、黒い髪がそれをくすぐった。
社内休憩室にあるカフェスペースの一角。
休憩を兼ねて水と甘味を取りながら、次の業務で扱う資料に目を通していた。
他人の雑談なんてただの雑音にしかならないものだが、『社長』と聞こえてきたからには耳が勝手に傾いていく。
しかしその耳に届いたのは、全く呆れるばかりのオシャベリだった。
心の底から湧き上がる嫌悪感を、小さな溜め息と共に吐き出していく。

確かに今日は椿坂社長の誕生日だった。
祝福の気持ちはあって然るべきだし、社長もまた祝福されるべき方である。

しかし、見返りを求めるだけの祝いほど無礼で不敬で不遜で滑稽で愚かなものはない。
贈り物を社長に直接渡そうとする身の程知らずもいるようだが、そんなものはクビにした上で本社を出禁にするべきだ。

それを回避する為か、近年ではどうやら受付に贈り物を預ける馬鹿共が増えたようだ。
業務外の仕事を増やした挙げ句、それがもし社長の手に渡ったとして、それが何だと言うのか。
受付の人間にも、社長ご自身にも、余計な手間を掛けさせるだけの迷惑行為でしかない。

（……仕事だけだ）

仕事の成果だけが、真っ直ぐに社長に伝わる。
個人の成績だけを上げるのではなく、社全体としての業績。
全体の為に個の成績が下がったとしても、それで社の利益になるなら幾らでも犠牲になってやる。
その為に、そこに繋がる仕事を取り、こなしていく。
きっとそれこそが、社長にお喜び頂ける唯一のもの。


（…………とは言え、もしも）

もしも社長に、誕生日の贈り物をお渡しできるとしたら。
もしも、仮に、万が一、そんな機会に恵まれたとしたら。

（僕だったら、何を贈るだろう）

ブランド品なら間違いはないだろうが、面白みに欠ける。
社長はどこか一風変わったものを好まれる傾向にあるから、面白みというのも大事な要素だ。
しかし、質の良い物を重視されるのもまた事実。
質が良く、他にない、一風変わったもの。


（……異能……）


不意に浮かんだそれは、浮かぶと同時にちりりと胸を焼いた。
異能の質、他に類を見ない性能、ものによっては社長が気に入られる可能性は十分にある。
社員の中には、異能を気に入られて入社した者もいると聞く。
……確か、あのバイトも。


僕には異能がない。
正確には、持っていた異能を手放した。
他人の異能を奪い、自身のものにするという異能持ちに、自ら誘いをかけて。
僕に異能は必要ない。
あんなものはただのゴミでしかなかった。
異能を捨てて初めて迎えた朝が、どれだけ清々しかったことか。

故郷の田舎ではまるで宗教のように異能が崇拝されていた。
けれど、そんなものが無くたって生きていける。
強力な異能持ち同士で婚姻を結ばせ、更に強力な異能持ちの子を作る？
それが村の為になるのだと？
馬鹿馬鹿しい。
僕は彼らの期待に応える為に生まれたわけじゃない。

……そう思いながら、何年経っただろう。
異能は捨てた、もう異能はないのだと、未だに伝えられずにいる。


（……いや、そんなことはどうでもいい。それより仕事だ）

思考をリセットするように、頭を緩く振った。
余計なことを考えている暇なんてない。
休憩を終えて、そろそろ仕事に戻ろう。
テーブルの上を片付けて、水の入ったボトルを手にしながら席を立つ。
と、不意に身体がふらついた。

「ぅ……」

テーブルに手を付き、身体を支える。

（……寝不足が祟ったか）

深く息を吸い込み、ゆっくりと吐いていく。
近くに千屋がいなくて良かった。
こんなところを見られたら、何を言われたものか。
きっと面倒くさいことになるに決まっている。
こちらに感けて千屋が仕事の手を止めるのだって、カメリアの為にも、千屋の為にもならないのに。


ふらつきが治まったのを確認すると、職場に戻る為に今度こそ席を離れた。
エレベーターへと向かう途中、『おやつ棚』に視線を向ける。
その中には相変わらずブロック型のチョコが置かれていた。
リクエストをしてからというもの、欠かさず用意されているようだ。
社員が幾つか取った後なのか、陳列は凸凹と不均一になっていた。

（僕は一度も取ったことはないけれど）


エレベーターに乗り込めば、貸し切り状態だった。
社員数の多いカメリアではなかなかに珍しい状況ではある。
その恩恵を有り難く享受するように、疲れた身体を壁にもたれ掛けた。

（結果を出さないと、早く……）

元々、仕事に手を抜くつもりはない。
けれど、ここ最近は特に焦りのようなものを感じていた。
何故、どうして。

あいつは此処だけじゃない。
他所でもバイトしていて、ただの掛け持ち程度でしか働いていないのに。
異能が便利だから？
それならば、その異能よりも遥かに利益を生み出す結果を出してみせる。
異能なんか無くても、この身体一つで社長の目に留まるほど。
そうしたら、きっと。
もう一度。



エレベーターが開けば、いつも通りにその足だけで立っていた。
背筋を伸ばし、真っ直ぐに職場へと向かっていく。

全ては社の為、延いては椿坂社長の為に。

ItemNo.7 肉炒め を食べました！
　体調が 1 回復！（21⇒22）
　今回の全戦闘において 攻撃12 防御12 増幅12 が発揮されます。
　今回の結果でのスキル熟練度が伸びやすくなった！

響鳴LV を 5 DOWN。（LV10⇒5、+5CP、-5FP）

時空LV を 10 UP！（LV10⇒20、-10CP）
合成LV を 5 UP！（LV76⇒81、-5CP）

クゥ(1372) の持つ ItemNo.8 黒猫面 に ItemNo.11 アンデシン を合成し、黒猫面 を強化しました！（+55）
チュイ(1519) の持つ ItemNo.19 響音雲鑼 に ItemNo.6 金の光焔 を合成しようとしましたが、LVが足りないようです。

チュイ(1519) により ItemNo.4 タンザナイト から装飾『灰簾の髪留め』を作製してもらいました！
　⇒ 灰簾の髪留め／装飾：強さ599／［効果1］水纏50 ［効果2］－ ［効果3］－

ItemNo.8 お肉 から料理『柔らか肉のごまサラダ』をつくりました！
　⇒ 美酒佳肴！［ 4 4 3 = 11 ］成功！料理の付加効果のLVが増加！
　⇒ 柔らか肉のごまサラダ／料理：強さ109／［効果1］攻撃13 ［効果2］防御13 ［効果3］増幅13


クゥ(1372) により ItemNo.9 ディヴィーザ に ItemNo.11 火焔茸 を付加してもらいました！
　⇒ ディヴィーザ／水衣：強さ272／［効果1］体力55 ［効果2］反毒35 ［効果3］水纏38

Loretta(179) とカードを交換しました！

領域解放 （レスレクシオン）


アルティメットフォーム を研究しました！（深度0⇒1）
アルティメットフォーム を研究しました！（深度1⇒2）
アルティメットフォーム を研究しました！（深度2⇒3）

風の祝福 を習得！
スカイディバイド を習得！
滅亡の風 を習得！
戴天 を習得！
インデュース を習得！
ショックウェイブ を習得！
エアスラッシュ を習得！
ディメンションブレイク を習得！
炎上耐性 を習得！
旋風 を習得！
超絶合成 を習得！

◇通常獲得：各CP･FPが5増加した！

クゥ(1372) は アタッシュケース を入手！
雪里(1373) は フォーク を入手！
チュイ(1519) は バターナイフ を入手！
クゥ(1372) は げそ を入手！
チュイ(1519) は 銀の光焔 を入手！
クゥ(1372) は げそ を入手！

クゥ(1372) に移動を委ねました。

マシカ区 D-1（沼地）に移動！（体調22⇒21）
マシカ区 D-2（沼地）に移動！（体調21⇒20）
マシカ区 E-2（道路）に移動！（体調20⇒19）
マシカ区 F-2（道路）に移動！（体調19⇒18）
マシカ区 G-2（道路）に移動！（体調18⇒17）

［805 / 1000］ ―― 《瓦礫の山》溢れる生命
［432 / 1000］ ―― 《廃ビル》研がれる牙
［476 / 500］ ―― 《森の学舎》より獰猛な戦型
［204 / 500］ ―― 《白い岬》より精確な戦型
［400 / 500］ ―― 《大通り》より堅固な戦型
［330 / 500］ ―― 《商店街》より安定な戦型
［267 / 500］ ―― 《鰻屋》より俊敏な戦型
［194 / 500］ ―― 《古寺》戦型不利の緩和
［118 / 500］ ―― 《堤防》顕著な変化
［143 / 400］ ―― 《駅舎》追尾撃破
［5 / 5］ ―― 《美術館》異能増幅
［151 / 1000］ ―― 《沼沢》いいものみっけ
［100 / 100］ ―― 《道の駅》新商品入荷
［306 / 400］ ―― 《果物屋》敢闘
［48 / 400］ ―― 《黒い水》影響力奪取
［222 / 400］ ―― 《源泉》鋭い眼光
［102 / 300］ ―― 《渡し舟》蝶のように舞い
［108 / 200］ ―― 《図書館》蜂のように刺し
［107 / 200］ ―― 《赤い灯火》蟻のように喰う
［56 / 200］ ―― 《本の壁》荒れ狂う領域
［86 / 100］ ―― 《珈琲店》反転攻勢
［100 / 100］ ―― 《屋台》更なる加護
［75 / 100］ ―― 《苺畑》不安定性
［14 / 100］ ―― 《荒波》強き壁
［100 / 100］ ―― 《小集落》猛襲
［38 / 100］ ―― 《落書き壁》リアクト
［84 / 100］ ―― 《変な像》揺らぎ
［100 / 100］ ―― 《白い渦》不幸
［100 / 100］ ―― 《黒い渦》不運
［18 / 100］ ―― 《線路》駆逐



―― Cross+Roseに映し出される。

　

　

　

時計台が映る。

　

　

　

秒針が静かに進む。