［基本］OK.　［戦闘］OK.　［戦闘:エイド1］OK.　［戦闘:エイド2］OK.　［戦闘:エイド3］OK.　［取引］OK.　［スキル］OK.　

//side:イバラシティ


「何て美しい子なのでしょう」
「本当に。将来が楽しみだわ」

そんな言葉を浴びながら、少女――亜子は育った。
真っ直ぐの黒い髪、真白い肌、薄っすらと薔薇色に染まる頬、小作りでぷっくりとした唇。
影が落ちる程の睫毛もくるりと上向いていて、目元も華やかだとよく褒められる。
愛らしい、可愛らしい、将来が楽しみ、そんな褒め言葉ばかりを一身に受け止めた。

（――何て、馬鹿な人達）

にこにこと微笑みながら、亜子は無感動に周囲をただ眺めていた。
こうした方がいい、と何故か知っていたからだ。

亜子は常に周囲を見ていた。
そうして、学んだ。
こう言う反応をすれば愛される。
同情される。
注目を浴びる。
――快感を得られる。

例えば、虫を踏み潰した時。
蟻の巣に水を注ぎ入れた時。
幼稚舎の同級生をそれとなく転ばせた時。
泣いた同級生を介抱するそぶりで染みる消毒液をざばりとかけた時。
時に悲しんで見せて、怯えて見せて、甘えて見せて、慈愛の表情で見つめて、太陽のように微笑んで見せた。

亜子はいつだって貪欲だった。
何かが欠けていて、それだから、埋めるための何かが欲しかった。
何をすれば満たされるのか、亜子には想像もつかない。
だから、何もかもを実行していた。
そのほとんどは亜子の感情を何一つ動かさずに終わったけれど、亜子を愛する両親は、それも経験だと笑う。
そう言うものか、と理解して、亜子は経験を積むことに執心した。

ある時は、動物を殺した。
家の下女が餌付けしていた猫だ。
ただいるだけで愛される、そのことが不思議だった。
きっと特別な何かがあるのだ、そうに違いない。
そうして振り上げた包丁で中身を見たけれど、特別なものは見つからなかった。
仕方ないので亜子はそのまま部屋に戻って、そう言えば手が汚れてしまっていたなと、いつものように入浴してから寝た。

またある時は、楽しそうに話していた下女を鞭で打った。
この家で亜子が普通の時間を過ごしているのに楽しそうだったから、亜子も楽しみたかったからだ。
泣きながら謝られるので、亜子はやはりにこりと笑いながら、いいのよ、と優しげに囁いた。
そうすると、今度は感謝される。
そうだ、亜子が時間を使っているのだから、感謝されなくてはならない。
亜子は新たな知見を得て、微笑んだ。

そうして少しずつ歪みながら、いや、むしろ生来の歪みを露呈させながら、巧妙に隠しながら、亜子は成長した。

相変わらず美しい黒髪に、しっとりとした艶の出た細面。
付き合いのある集まりに出れば、褒めそやす男で列が出来る。
そうでなくてはならない。
亜子は『普通』するらしい謙遜を僅かに言葉に乗せてから、陶然と微笑んだ。
あまりに謙遜しても、嫌味だ。
亜子は美しい、それは純然たる事実だ。
中心にいる間は、渇望感が少しだけ薄れた。

薄れたそれも、時が経てばまた湧き上がるものだった。
年々、その飢餓感は増すばかりだった。
どうにかしなければ、と、妙な焦燥感が募る。
雪のような、白く繊細なものではない。
泥のようにまとわりついて、どんどんと身動きが取れなくなるような、視界が狭まるような感覚がした。

その苦しみを、誰も理解しない。
亜子は亜子と言う生き物で、それ以外は亜子ではないから、理解出来ないに違いない。
愚鈍で、下等で、亜子が庇護すべき哀れな存在なのだろう。
亜子はある時から、そんな答えを胸に、諦めながら生きていた。

そんな、時だった。

「あら、あちらの方は？」
「彼の国からのお客人らしいですね」

とあるパーティーに出席した時のこと。
密やかにさわさわとなされる会話の中で、今日の話題の中心はあれだと、亜子は示された方向を見た。
きらきらと輝くシャンデリアの下、煌めく銀色の髪。
鋭いルビーのような瞳を細めて、異国の男が談笑している。
幼い頃から鍛えられた目利きで、男の身にまとうもの何もかもが一流のものだと、亜子にはすぐにわかった。
そんな高級なものを身にまとっても、着られている無様さは微塵もない。
男を引き立てるように計算され尽くされているようだった。

その男が、ふとこちらを見る。
ただ視線を巡らせただけだろうその目が、一瞬、亜子と重なった。

――あれは、亜子のものだ。

ずわりと、腹の底を満たしたのは、そんな感情だった。
その感情を、熱を、欠けたものが満たされる感動を、亜子はぶるりと背を震わせながら享受した。
ほう、と色めいたため息を一つ。
それだけで周囲に侍る男達が頬を染める。
普段はほんの僅かに亜子を満足させるそれらも、今や雑輩、有象無象でしかない。

「お父様。よろしければご挨拶させていただいても？」

男達の輪からするりと抜け出して、丁度良く父と件の男が話しているところに近付いた。
先程はすぐに逸らされた、異国の男の視線が亜子に向く。
それだけで、背筋が震えた。
歓喜、快感、希望。
亜子が生まれてからこれまで、味わったことのないそれらが、一挙に押し寄せてきた。

「これは、美しいお嬢さんだ。初めまして」

少しだけ異国を感じる発音ながら、流暢に男が話す。
名を聞いて、それが異国の大きな組織を関する名だと気がついた。
本来は萎縮するところ、亜子はとびきり魅力的に見えるだろう顔で微笑んだ。
だって、それでこそ亜子に相応しいではないか。

「椿坂亜子と申します。どうぞよろしくお願いいたします」

そうして亜子は、異国の男に近付いた。

きっと、人はこれを『運命』と言うのだ。

ItemNo.38 ジューシーハンバーガー を食べました！
　体調が 1 回復！（21⇒22）
　今回の全戦闘において 攻撃13 防御13 増幅13 が発揮されます。
　今回の結果でのスキル熟練度が伸びやすくなった！

使役LV を 10 DOWN。（LV15⇒5、+10CP、-10FP）
付加LV を 18 DOWN。（LV99⇒81、+18CP、-18FP）
合成LV を 35 DOWN。（LV35⇒0、+35CP、-35FP）

解析LV を 15 UP！（LV0⇒15、-15CP）
武器LV を 58 UP！（LV41⇒99、-58CP）

雪里(1373) により ItemNo.8 黒猫面 に ItemNo.11 アンデシン を合成してもらい、黒猫面 を強化しました！（+55）
　⇒ 黒猫面／聖衣：強さ338／［効果1］攻撃40 ［効果2］攻撃40 ［効果3］－

ItemNo.44 ものすごい木材 から射程2の呪器『墨色のマチェット』を作製しました！
　⇒ 墨色のマチェット／呪器：強さ913／［効果1］攻撃40 ［効果2］－ ［効果3］自滅19【射程2】


雪里(1373) の持つ ItemNo.9 ディヴィーザ に ItemNo.11 火焔茸 を付加しました！
チュイ(1519) の持つ ItemNo.19 響音雲鑼 に ItemNo.9 チャート を付加しました！

リンカ(332) とカードを交換しました！

具現化：覆いかぶさるナニカ （スクライカー）


スクライカー を研究しました！（深度0⇒1）
スクライカー を研究しました！（深度1⇒2）
スクライカー を研究しました！（深度2⇒3）

フェイタルポイント を習得！
応酬 を習得！
デスグラスプ を習得！
アブソリュート を習得！

◇通常獲得：各CP･FPが5増加した！

クゥ(1372) は アタッシュケース を入手！
雪里(1373) は フォーク を入手！
チュイ(1519) は バターナイフ を入手！
クゥ(1372) は げそ を入手！
チュイ(1519) は 銀の光焔 を入手！
クゥ(1372) は げそ を入手！

マシカ区 D-1（沼地）に移動！（体調22⇒21）
マシカ区 D-2（沼地）に移動！（体調21⇒20）
マシカ区 E-2（道路）に移動！（体調20⇒19）
マシカ区 F-2（道路）に移動！（体調19⇒18）
マシカ区 G-2（道路）に移動！（体調18⇒17）

［805 / 1000］ ―― 《瓦礫の山》溢れる生命
［432 / 1000］ ―― 《廃ビル》研がれる牙
［476 / 500］ ―― 《森の学舎》より獰猛な戦型
［204 / 500］ ―― 《白い岬》より精確な戦型
［400 / 500］ ―― 《大通り》より堅固な戦型
［330 / 500］ ―― 《商店街》より安定な戦型
［267 / 500］ ―― 《鰻屋》より俊敏な戦型
［194 / 500］ ―― 《古寺》戦型不利の緩和
［118 / 500］ ―― 《堤防》顕著な変化
［143 / 400］ ―― 《駅舎》追尾撃破
［5 / 5］ ―― 《美術館》異能増幅
［151 / 1000］ ―― 《沼沢》いいものみっけ
［100 / 100］ ―― 《道の駅》新商品入荷
［306 / 400］ ―― 《果物屋》敢闘
［48 / 400］ ―― 《黒い水》影響力奪取
［222 / 400］ ―― 《源泉》鋭い眼光
［102 / 300］ ―― 《渡し舟》蝶のように舞い
［108 / 200］ ―― 《図書館》蜂のように刺し
［107 / 200］ ―― 《赤い灯火》蟻のように喰う
［56 / 200］ ―― 《本の壁》荒れ狂う領域
［86 / 100］ ―― 《珈琲店》反転攻勢
［100 / 100］ ―― 《屋台》更なる加護
［75 / 100］ ―― 《苺畑》不安定性
［14 / 100］ ―― 《荒波》強き壁
［100 / 100］ ―― 《小集落》猛襲
［38 / 100］ ―― 《落書き壁》リアクト
［84 / 100］ ―― 《変な像》揺らぎ
［100 / 100］ ―― 《白い渦》不幸
［100 / 100］ ―― 《黒い渦》不運
［18 / 100］ ―― 《線路》駆逐



―― Cross+Roseに映し出される。

　

　

　

時計台が映る。

　

　

　

秒針が静かに進む。