［基本］OK.　［戦闘］OK.　［戦闘:エイド1］OK.　［スキル］OK.　

　ソファの上で文句を垂れながらこちらが淹れた紅茶を飲んでいた彼女が、不意に話題を切り替えた。
　眠くて眠くて堪らないから、このまま瞼を落として寝てしまおうかとベッドに沈ませていた体を何とか起こす。


　恐らく深く尋ねたところで何も聞き出せないだろう。溜息だけを返して、枕に体を傾ける。
　前回は家に呼んで付き合ってもらったが、今回は彼女が指定したホテルだ。
　そちらまで行くのは面倒だからお前が来いと、付き合ってもらえるだけ有難いので文句も言えないのだが。
　

　言及されて思い出して、ベッドに放り出していた手袋を嵌め直した。
　これさえあれば何とかなるならまあ別に。夏場蒸れるのは欠点だが、寒くなってきたのでそろそろ丁度いい。


　今度は彼女がわざとらしく呆れた溜息を零した。
　何が良いと言われても、そんなのもう両の指でも足りなければ数え切れもしない。
　かといって惚気を聞く気は向こうにもないだろうし、こちらもあれやこれやと教えるつもりもないし。
　それでもふと過った。今でも目に焼き付いているそれは、視界一面を彩る鮮烈な青。


　ガラス一枚挟まれた向こう側の世界は美しく、よく知った世界だった。
　感傷などよく分からない。けれど或いは同情だったのかもしれない。
　憐れんでいたわけではないと思う。ただ、そう、重ねただけだった。


　言葉にしてから気が付いたのは、こちら側に足をつけていることを初めてよかったと考えている自分がいたこと。
　すきもきらいも "特別" も、目を背けていた自分が少しばかり何かに気が付こうとした瞬間。
　それでもすぐに背けて終わる筈だった。何でもないと言って手を引く筈だった。


　零した問いに彼女は応えない。まどろっこしい聞き方はせずに早く答えを渡せと視線で訴えかけている。
　折角教えてあげるのに。口をついて出そうになった文句は一先ずのところ抑え込んで、瞼を伏せては思い返す。

　居場所はガラス一枚隔てた向こう側、そうでないのなら陽の射さない狭い部屋の中。
　あの日の、言葉一つ知らないちいさな自分がそこに居るような、そんな錯覚。
　突拍子も無いおかしな言葉を真に受ける必要はなく、返してもらえるのなら相槌だけで十分だった。

　でも、彼は。

　

　忘れられない言の葉をなぞって、声にして。
　そうすればあの時より胸が苦しくなる。誤魔化すのが下手になったと今更のように自覚した。




　どこにも行けなかった自分が、どこにも行ってはいけない自分が。
　救われた心地がした。彼のそんな言葉で。紛れも無く、確かに。
　手を伸ばしたのは戯れで、救われるつもりなど無かったのに。


　ちいさく己が零した声を最後に、彼女からの返答は無い。
　けれど気にもせず、性懲りも無くまた襲い来る睡魔に身を浸した。
　微睡の中ふわふわと、ただ早くまた会いたいという気持ちだけを募らせて。


　だから。


　漸く返ってきた声を鋭敏な聴覚は捉えていたけれど、返事も碌にしないまま。
　コツコツとヒールの音が遠ざかっていくのに、見送りもしないまま。






　意識は、底に落ちる。






　少女に手渡された名刺に書かれていた病院には、地図を見ずとも訪れることができた。
　というのもそれは当然で、だってここはおれがずっと入院していた場所だ。
　両親を失った事故の後、身体が回復するまでの間、ずっと。

　辿り着いた建物の前で一度足を止める。
　取り出した名刺には、何度見たって先生と同じ苗字が書かれていた。

「…………」

　──先生は、数年前まで大きな病院で外科医をしていたという。
　病院の名前こそ聞いたことは無かったけれど、上に居るのが両親だということは聞いたことがある。
　そこを辞めて先生が今の診療所を始めたのは、おれと暮らし始めてすぐの頃で。
　原因はその少し前から "病気" で片目が見えにくくなり始めたから。

　それらが全て偶然じゃないことぐらい、もう薄々気が付いている。
　名刺を握る指先が、ほんの少しだけ震えた。

ENo.147 ヨシノ とのやりとり


ENo.490 雛 とのやりとり


ENo.585 《マリア》 とのやりとり

特に何もしませんでした。

領域LV を 5 UP！（LV20⇒25、-5CP）
料理LV を 10 UP！（LV6⇒16、-10CP）

ナルミ(1007) とカードを交換しました！

急速充填 （ポーションラッシュ）


ブルーゲイル を研究しました！（深度0⇒1）
ブルーゲイル を研究しました！（深度1⇒2）
ブルーゲイル を研究しました！（深度2⇒3）

一望千里 を習得！
デコイ を習得！
アルヒェ を習得！
百孔千瘡 を習得！

◇通常獲得：各CP･FPが5増加した！

一海(853) は 空木 を入手！
斎(1033) は 百日紅 を入手！
万智花(1159) は 空木 を入手！
ヒシュ(1202) は 百日紅 を入手！
ヒシュ(1202) は 毛皮 を入手！
斎(1033) は 装甲 を入手！
斎(1033) は 針 を入手！
斎(1033) は 装甲 を入手！

万智花(1159) に移動を委ねました。

リュウジン区 T-6（森林）に移動！（体調20⇒19）
アライ区 A-6（森林）に移動！（体調19⇒18）
アライ区 A-7（森林）に移動！（体調18⇒17）
アライ区 B-7（森林）に移動！（体調17⇒16）
アライ区 C-7（道路）に移動！（体調16⇒15）

［861 / 1000］ ―― 《瓦礫の山》溢れる生命
［444 / 1000］ ―― 《廃ビル》研がれる牙
［500 / 500］ ―― 《森の学舎》より獰猛な戦型
［193 / 500］ ―― 《白い岬》より精確な戦型
［397 / 500］ ―― 《大通り》より堅固な戦型
［305 / 500］ ―― 《商店街》より安定な戦型
［216 / 500］ ―― 《鰻屋》より俊敏な戦型
［156 / 500］ ―― 《古寺》戦型不利の緩和
［79 / 500］ ―― 《堤防》顕著な変化
［134 / 400］ ―― 《駅舎》追尾撃破
［5 / 5］ ―― 《美術館》異能増幅
［128 / 1000］ ―― 《沼沢》いいものみっけ
［100 / 100］ ―― 《道の駅》新商品入荷
［182 / 400］ ―― 《果物屋》敢闘
［28 / 400］ ―― 《黒い水》影響力奪取
［48 / 400］ ―― 《源泉》鋭い眼光
［22 / 300］ ―― 《渡し舟》蝶のように舞い
［49 / 200］ ―― 《図書館》蜂のように刺し
［0 / 200］ ―― 《赤い灯火》蟻のように喰う



―― Cross+Roseに映し出される。

　

　

　





　




　

　

　

　

　

　




　






　

　

　

　

　

　







　

　

　

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