［基本］OK.　［戦闘］OK.　［取引］OK.　［スキル］OK.　

「僕は偽黒初。僕も研究員でした。『いいひと』の、開発薬科で……薬の開発の手伝いの助手を」
「隠し事の一つ二つ、誰にでもありますしね。それに僕は、茅芽さんの信用は絶対に裏切りません。どんな話であっても、どんなことがあっても」
「そんなに持ち上げないでくださいよ。さ──茅芽さんには茅芽さんの事情があるように、僕にも僕の事情があるだけです」

　記憶。
　意識の灯が深い井戸へと落ちてゆく間のこと。脳裏をかすめたのは罪の意識だった。嘘をつくことと、嘘をつき続けること、どちらを裏切りと呼ぶか。これまでの言動が、本当に正しいものだったのか。
　耐えがたい痛苦で思考が遮断されるまでの数秒のうちに見たものが走馬灯ではないことを祈り、彼は己を手放した。




　無。灰色の虚空。
　いつの間にか、消えている。重力も、感覚も、己の指先も──
　そして意識の遠い周縁では、そそくさとせわしなく、何かがこちらに押し寄せてくるという印象が、意識を絶えず刺激してくる。それは延々たる黒い鏡面の彼方から訪れると、そう予感させる。
　悲鳴を上げようとしたが、声は出なかった。指も動かない。
　黒い鏡面の彼方からは、何もやってこなかった。いつまで待っても、いつまで経っても。




　気づけばそこにいた。
　見慣れた風景、見慣れた街並み。故郷の駅前は閑散としている。太陽の位置は建物に隠れて分からないが、背後に映る影は長い。思ったよりも早い時間らしい。
　何かを買おうと思っていた。目的地までは距離がある。車もなければ電車もないので、仕方なく歩いて向かうことにした。今日に限って下駄を履いてきてしまった。それも一本歯の。
　道中、弟に言われて雑居ビルに立ち寄った。三階まで階段を使って上った。不思議と疲れはなかった。
　ドアを開けると広々とした温泉だった。卓球台があったので卓球をした。温泉と言えば温泉卓球だ。弟は過去に全国ランキングに名を残すほどの卓球達人だったので、ボコボコにされた。
　外に出ると、目的地の市役所だった。
　受付には誰も居ない。仕方なく奥へ進むと、地下室への階段があった。受付はどうやら地下にあるらしい。すっかり苔むした階段は滑りやすく、一段一段気を付けて体重をかけていく。
　階段を下りきると、デカいネオンの看板があった。何と書いてあるかは読めなかったが、どうやら漢字で受付と書いてあるらしい。受付にはカラスが一匹止まっていた。目が合うと、カラスは威嚇するかのようにけたたましく喚きながら飛びかかってきた。
　暗転。




　見覚えのある研究室にはどこか違和感があった。ガジュマル君があったはずの場所には、見覚えのないウォーターサーバーが置かれていた。模様替えをしたんだったな、とぼやけた記憶から過去を拾い出す。
　機嫌の良さそうな上司は鼻歌を歌っていた。マグカップいっぱいにウォーターサーバーから水を汲む。どうやら二人分を用意していたらしく、左手にあった方を机の上に運んでくる。

「昨日は楽しかったわね」

　昨日。
　彼女の言葉に、またもや記憶がないことを自覚する。どんな些細なことでも忘れるはずがないのに。昨日？

「それにしても意外だったわ。まさか、とは思っていたのだけれど」

　上司の姿は、いつものそれではなかった。白衣姿であるべきだ──研究室なのだから、レストランでディナーを楽しむようなドレスコードはそぐわない。
　窓の外には夜景が広がっていた。研究室は雑居ビルの三階だが、どうやらここは都会のビルの屋上に近い高さらしい。煌びやかな街の明かりが眼下で明滅している。

「こういうお店を知ってるなんて、見直したわよ。実のところ、そんなにこう、なんというか……その、いや、そうね。うん。素直に嬉しいわ。良い意味で驚かされちゃった」

　彼女の笑顔が自分に向けられたものである。そんな事実だけで、無性に嬉しくてたまらなかった。手にしたワイングラスを傾ける。グラス同士が奏でる軽やかな鈴にも似た音が、今は最高の音楽だった。




　冬の雪山だ。
　時間は夜だろう。猛然と吹きすさぶ雪しか目に入らず、他はすべてが闇だ──光源もない闇夜にあって、その雪の粒を視認出来ているのは、限界まで研ぎ澄まされた直感が見せる幻影だろうか。
　痛みはない。肉体が、神経が麻痺しているのだろう。殴りつけるような吹雪を受けても、肉体は信号を発しない。凍てつく寒さを前に、もがくことすら許されなかった。
　遠くに明かりが見えた。しばらくすると、遠くの明かりが揺れていることに気づく。一つだった明かりが二つに、三つに増えていき、徐々に大きくなってゆく。捜索隊の姿だろうか。手を伸ばそうにも、声を上げようにも、体は言うことを聞かなかった。
　背後に気配を感じた。背後には気を付けていたつもりだったが、風がやんだことで気づくことが出来た。後ろに何かがある。誰かが居る。
　背後の何かが、小さく耳打ちしてくる。それを聞いた途端、どうしようもない罪悪感に襲われた。体は自由になっていた。両手で耳をふさいでも、声から逃れることは出来なかった。

「いつから、私を騙していたの」

　その声は誰のものでもなかった。
　誰のものでもなく、誰に向けたものでもない。ただ、耳にこびりついて離れなかった。
　暗転。




　よく晴れた日のような気がした。
　教室の東に面した窓からは陽光が、西に面した廊下からはひんやりとした空気が流れ込む。
　先日行われた試験の結果が返却される。クラスメイトはみんな平然としていた。気が気でなかったのは自分だけだ。

（勉強、してねえもんな……）

　試験を受けた記憶すらないのだから、試験勉強をした記憶など、あるわけがない。
　学校の試験は、覚えてきたことの確認作業である。何も覚えていないのだから、何も答えられない。何も答えられなければ、何も答えないなりの結果が戻ってくるのは容易に想像がつく。
　教師が無言のまま、一人ひとり名前を呼んでは試験結果を返却していく。生徒たちは無言のまま、一人ひとり名前を呼ばれては試験結果を受け取っていく。
　戻ってきた答案用紙は白紙に近い状態だった。世界史──最低最悪の数学や、何も理解できていない英語などと違って比較的自信のある分野──でこの体たらくだ。白紙解答となっている中には、答えられなくもない問題も少なくなかった。当時の自分は、どんなつもりで試験を受けたのだろうか。過ぎ去ったことを嘆いても、何が変わることもないが。
　教師の解説は続いた。何も耳に入らなかった。
　外は雨だった。




　見覚えのない部屋には、無数の机と椅子が無秩序に配置されていた。
　一番遠い机には、上司の姿があった。茅芽笹子ではなく、さらに上の上司の姿が。適度な距離感で良かった。この距離以上に近づきたい相手ではない。

「残念だ。実に、残念だよ……」

　上司は残念そうだった。両手を机上で組みながら、重苦しく言い放つ。

「君は嘘をついている。嘘をつくことは、許されることではない。だから責められるのだ。この私だけではなく、彼女らにも」

　椅子の一つに、見慣れた人影が座っていた。鋭く冷たい眼光を眼鏡越しに浴びせてくるのは、同僚の朱理だ。

「キズつけたのはアナタだからね。ワタシはいいよ。でも」
「君の望みが分からない。実に、分からないのだ。そうだろう？　君は矛盾している」
「ワタシはチガウ。でも、ササコは？」
「彼女を助けることが望みだったはずだ。だがどうだ？　君は嘘をついている。君は何を望んでいる？」

　問い詰められて目線を逸らす。逃げ出したい衝動に駆られ、後ろを振り向く。
　部屋の後方には、椅子が一つだけ置かれていた。そこに座っていたのは、笹子さんだった。彼女は泣いていた。

「信じていたのよ」




　研究室には、男だけが居た。見知らぬ男だ。上司でも知り合いでも友人でもなく、顔も分からない。

「お前は誰だ」
「は？」
「私はお前は誰だマンだ。お前に問いかけるための存在、だからお前に問いかける。お前は誰だ」
「……こっちの質問だよ。ここは研究室、部外者の立ち入りは──」
「部外者はお前だ。ここは研究室ではない」

　男の言葉通り、そこは研究室ではなかった。扉が十一個、そのうち正解は一つだけ。逃げ出すには低い成功率だ。

「部外者はお前だ。お前は誰だ。何のためにここにいるんだ」
「僕は……偽黒初。笹子さんの助手で、笹子さんを助けるために──」
「嘘だ。お前は部外者だ。何故なら、お前は当事者ではないのだから」

　男の姿が、輪郭が徐々にあらわになっていく。
　本当に知らない人間だった。男の正体が自分自身の姿でないことに胸をなでおろす。そんな展開、夢の中といえどあまりにもベタすぎる。

「本当のあなたは……一体、何だというの？」

　また、声が聞こえた。男とは別の、どこか遠くて近い場所から。
　それは上司の──茅芽笹子の声だった。




　真実に比べ、嘘のコストははるかに安い。
　一度流されたフェイクを正し、ファクトによって嘘を払拭するには、時間も金も労力もかかる。
　だからこそ嘘はいけない。意味のある嘘は嫌いだ──人を動かす言葉として、誠意よりも効率よく、事実よりも分かりやすく、真実よりも受け入れやすい嘘が、人の心に影響を及ぼすことは、決して。
　嘘をつくことと、嘘をつき続けること、どちらを裏切りと呼ぶか（どちらも裏切りだ。言うまでもなく）
　嘘がばれれば糾弾される。ひとたび嘘が明るみとなれば、嘘つきと罵られ、信頼を失い、報いを受ける。嘘が嘘とばれぬよう、嘘をつき続けること──真実を黙っていることは、常に嘘をつくよりも重い罪だ。

「何を望んでいるの。何のために動いているの……それは本当に、私のためなの？」

　答えようもない問いだ。だから、答えられなかった。
　罵られるよりも辛い。ただ、哀しませてしまった。これが現実でなくて良かったと思う自分がいる。
　爪が食い込むほど強く拳を握っても痛みは無かった。なにせ、ここは夢なのだから。




　気づけばまた景色が変わっていた。恐らく、まだ夢の中にいる。
　普段はあまり夢を見ない。これだけ長い間夢を見て、目が覚めないのは初めてのことだった。
　いい加減に疲れてきた。起床し、支度をし、いざ出発というところまで至ったところで目が覚める。これまでの苦労が夢の中でのことであったことを知る。そんな感覚に近い。
　これだけ夢が続くのだから、もしや死んだのかもしれないな──

　声が聞こえた。誰かが呼ぶ声。鼓膜を揺らす、本物の声が。
　意識が暗転する。それも、光に向かって。

ENo.831 Dr.笹子 とのやりとり

特に何もしませんでした。

倒れ込み、巨体を縮こませる大鶏。

　




ボトボトと卵を落としながら、トボトボと園の奥へと帰ってゆく。

　

変な卵が多いなか、何だか新鮮そうな卵を見つけた。

　

　

突然チャットが開く。






いくつか得たなかの少しをアンドリューに渡すことにした。




チャットが閉じる。

　

　

　

･････身体の奥から、少し力が湧き出る感覚。


各CP･FPが2増加した！

Dr.笹子(831) に 300 PS 送付しました。
氷織(1674) に 150 PS 送付しました。
ひさめ(528) に 200 PS 送付しました。

生命の宝石（800 PS）を購入しました。
生命の宝石（800 PS）を購入しました。

時空LV を 5 DOWN。（LV5⇒0、+5CP、-5FP）
変化LV を 5 DOWN。（LV30⇒25、+5CP、-5FP）
響鳴LV を 10 DOWN。（LV10⇒0、+10CP、-10FP）

命術LV を 25 UP！（LV0⇒25、-25CP）
付加LV を 5 UP！（LV65⇒70、-5CP）

つむぎ(527) により ItemNo.34 生命の宝石 から法衣『服（冬服）』を作製してもらいました！
　⇒ 服（冬服）／法衣：強さ163／［効果1］活力30 ［効果2］－ ［効果3］幸運19

氷織(1674) により ItemNo.33 生命の宝石 から装飾『メノウのペンダント』を作製してもらいました！
　⇒ メノウのペンダント／装飾：強さ327／［効果1］耐疫30 ［効果2］－ ［効果3］－

ヒシュ(1202) とカードを交換しました！

絶え間なく （バーニングチューン）


ゴッズディサイド を研究しました！（深度0⇒1）
クリエイト：ワンダーランド を研究しました！（深度0⇒1）
ムスケルクラフト を研究しました！（深度1⇒2）

ウォーターフォール を習得！
フロウライフ を習得！
アイシング を習得！
アンダークーリング を習得！
アクアヒール を習得！
アクアブランド を習得！
エナジーウォール を習得！
フローズンフォーム を習得！
水の祝福 を習得！
チャクラグラント を習得！
背水 を習得！
グレイシア を習得！
アイシクルランス を習得！
精神力 を習得！
ライフスワール を習得！
再活性 を習得！
コンフィデンス を習得！
ヴァンピール を習得！
バブルトラップ を習得！
ディープブルー を習得！

◇通常獲得：各CP･FPが5増加した！

Dr.笹子(831) は 不思議な布 を入手！
Dr.笹子(831) は 剛毛+1 を入手！
偽黒初(77) は 新鮮そうな卵 を入手！

特に移動せずその場に留まることにしました。
体調が全回復しました！

『ヒノデ区 M-11：チェックポイント《大通り》』へ採集に向かうことにしました！
　　 - 偽黒初(77) の選択は ヒノデ区 M-11：チェックポイント《大通り》
　　 - Dr.笹子(831) の選択は ヒノデ区 M-11：チェックポイント《大通り》

MISSION!!
カミセイ区 B-19：ゆ～ぱらだいす を選択！
　　 - 偽黒初(77) の選択は カミセイ区 B-19：ゆ～ぱらだいす
　　 - Dr.笹子(831) の選択は カミセイ区 B-19：ゆ～ぱらだいす

［861 / 1000］ ―― 《瓦礫の山》溢れる生命
［443 / 1000］ ―― 《廃ビル》研がれる牙
［500 / 500］ ―― 《森の学舎》より獰猛な戦型
［192 / 500］ ―― 《白い岬》より精確な戦型
［393 / 500］ ―― 《大通り》より堅固な戦型
［295 / 500］ ―― 《商店街》より安定な戦型
［214 / 500］ ―― 《鰻屋》より俊敏な戦型
［150 / 500］ ―― 《古寺》戦型不利の緩和
［72 / 500］ ―― 《堤防》顕著な変化
［131 / 400］ ―― 《駅舎》追尾撃破
［5 / 5］ ―― 《美術館》異能増幅
［121 / 1000］ ―― 《沼沢》いいものみっけ
［100 / 100］ ―― 《道の駅》新商品入荷
［151 / 400］ ―― 《果物屋》敢闘
［12 / 400］ ―― 《黒い水》影響力奪取
［46 / 400］ ―― 《源泉》鋭い眼光
［3 / 300］ ―― 《渡し舟》蝶のように舞い



―― Cross+Roseに映し出される。

　

　

　





　

　

　




　




　



　




　

　

　




　

　

　




　

　

　




　

　

　

チャットが閉じられる――

ゆ～ぱらだいす内。

様々な種類の温泉が用意されていた施設。

　

ほとんどの温泉が涸れているなか、施設の左端は無事のようだ。

　

　

　

お土産コーナー、カラオケルーム･････

温泉は女湯の区域が原形を保っている。

　

　

　

奥へと進むと、湯煙･････温泉が普通に湧いている。

　

　

　




　



大きな猿たちが温泉でくつろいでいる。

　




邪魔をするなと言わんばかりに、こちらへと飛び掛かってくるッ！！