［基本］OK.　［戦闘］OK.　［戦闘:エイド1］OK.　［戦闘:エイド2］OK.　［戦闘:エイド3］OK.　［取引］OK.　［スキル］OK.　

泰元2年12月18日　http://lisge.com/ib/k/9/r158.html

深谷が清を弟子にして、一年が過ぎていた。

目当ての大物を祓ったものの、深谷はまだこの土地を離れていなかった。
仕事が尽きないから、というのが理由の一つだ。
元々ここには妖怪が多い。
治安の良くない土地柄に加え、神社からの管理も決して行き届いているとは言えなかった。
そもそも妖怪とは、祓うそばから生まれるものだ。それを多少防いだところで、よそからだって流入する。
根絶するのは、害虫を根絶するように困難で、実質不可能なものだ。
だからこそ、仕事はいくらでもあった。

第二に、清を連れて、知らない土地に行きたくなかった。
土地勘のない場所で仕事をしながら、更に人に教えるというのは、深谷と言えど、できれば避けたい。
特に清は、神秘と縁遠く生きてきた一般人。
清が使い物になるまでは、見知った土地に留まりたかった。。

そして最後に、引っ越す理由がなかった事。
他所から呼ばれることがあれば深谷も考えたろうが、他の土地から声がかかる事がなかった。
また、かつての知人が追ってくる気配もない。


賀茂はどうやら、深谷の言葉を守っているらしい。
留まる理由だけがあり、移動する理由がなかった。

---

深谷は清を連れ、街の隅々を歩き回った。
深谷は街の中に幾つかの、狩り場というべき場所を作っていた。
元々、自殺の名所だの心霊スポットだの呼ばれていた所や、大きな病院、
過去に事故の起きた不吉な土地、それらの一部の魔除けをわざと弱めて、妖怪が集まるようにした。
口で言うほど簡単ではなかったし、集めた分の妖怪は、狭い範囲とはいえ間違いなく厄災を呼ぶ。
問題の多い方法だったが、計画的に仕事を進められることは大きな利点だ。
深谷は、手段を選ばぬ"妖怪狩り"と、そう呼ばれる通りの手段で、安全かつ合理的に仕事を進めていた。

だから、足手まといが一人増えたところで、仕事に問題はなかった。
問題があるとすれば、もっと別の所だ。



すっかり通い慣れたバーに入ると、ママがそう切り出した。
思わず後ろを見た深谷に、彼女は「誰も聞いてないわ」と微笑む。


把握しているのか、と問う視線に、深谷は肩を竦めて見せた。

清が、夜遊びを繰り返しているのは知っていた。
このバーへは、清は一人でも出入りしていた。自分を迎えに来させたこともあるくらいだ。
行き帰りに誰かに声をかけられる事も、目についた店に入ることも、あったのかもしれない。
そこから良からぬ遊びを覚えたとも、想像がつく。

だが、知ったとして、深谷には何もできない。
する気もない。こうなった原因は、間違いなく自分だ。


言って聞かせたところで、清は聞き入れないだろう。
手段を選ばず止めるなら、清は今度は、深谷から離れなくなってしまうかもしれない。

それは駄目なのだ。
深谷では、清を愛せない。

---

ある日の昼間、清はテーブルに向かっていた。
彼女は形代を作っていた筈だったが、今は和紙を切るでもなく、
長方形の紙面に、だらだらと筆を滑らせていた。
絵のように見えた。眉間に皺が寄る。


返事を待たずに、それを取り上げた。
筆で絵を描くことに慣れていないのだろう。
拙い出来だったし、何より、そこに描かれているのは、両親と四人の子供だった。


そんな事をしたって何にもならない。無意味だし、己の傷を抉ることにしかならない。


真実目指せばなれるのかもしれない。だが清は、そういった努力の全てを放棄している。
かつての記憶を追い、手に入らないものを、ただ眺めているだけだ。
向かう程の気力もないくせに、指を咥えて眺め続けて
慣れぬ夜遊びなんかで、その欠落を埋めようとする。
その痛々しさが、哀れで、腹立たしく、不快だ。

何よりも。





　　　　　「くぐいさまをかいたの！」
　　　　　「鵠様をかい？」
　　　　　「ははのひだから。みんなおかあさんをかいて、みせるっていってたよ」
　　　　　「…………」
　　　　　「くぐいさまは、つかさくんのおかあさんとおんなじなんでしょ」
　　　　　「……そうだね。来たときにお見せできるように、壁に貼っておこうか」

　　　　　…………
　　　　　……




報われないものを追う姿は、苦い記憶を芋蔓式に引き出していく。
人の愛を神に捧げても報われる事はなく、神から下されるのは、神の愛だけだ。
舞踊。楽器。書に絵画。神を楽しませる為のあらゆる事を学びはしたが、深谷はそれらを好きになれない。
それを無邪気に、こんなにも歪に、この娘は求めている。


上がった声は悲鳴に近かった。
その病院に沸いた妖怪は、死に瀕した人間の負の感情を吸って、肥大化している。
2人で一カ月ほどかけて、逃げないよう、気づかれないよう結界を作り上げて、
これからゆっくりと、清の禊ぎ祓えの術の実地訓練を兼ね、弱らせてから、穏当に祓うつもりだった。


清は、ぐっと言葉を飲み込むようにして黙った。
怒りに任せて口にした話だが、残った冷静な部分で、やはりと深谷は思う。
清は、理不尽に押さえつけられた時のみ自分の意思を口にする。
何を食べたいか聞いても答えないのに、深谷が独断でラーメンだの天ぷらだのと口にすれば
脂っこいだの、昨日も食べただのと文句をつける。

今だって。清の夜遊びを止めないのだって、同じだ。
深谷は、自分の意思で、清に優しくしないことを決めた。

深く考えての事では、決してない。清の為でも、きっとない。
元々、深谷は細やかな気配りは得意ではないし
他人への気遣いよりも、自分の欲求や思いつきを優先するたちだった。
だが、それでも他者に対して踏み越えない線を、清相手には容易に越えるようになった。
叱り飛ばし、押さえつけ、時に手も上げた。そして清は、その度に生き生きと、深谷に文句を言う。

---

清が尋ねてきたのは、呪禁師──祟り穢れ専門の治癒師が帰った後だった。
急で無計画な仕事は、当然危険を呼ぶ。清は背中の広範囲を呪いを受けていた。
血管を流れる呪いは清の身を内から焼いて、
酒と札で浄めたにも関わらず、背には、火傷に似た痣が広がっている。


祓われた妖怪の呪いは、恐れるに値しない。元を絶った以上、その呪いは時間と共に薄れるだけのものだ。
だが、だからといって治療が必要ないわけでもない。
治療すればずっと早く治るし、痕も残りにくくなる。身の傷も霊の傷も、結局、同じものだ。


深谷は、逐一理論立てて、己の行動を説明できるような人間でもない。
そして清は、理詰めで話すことが多かった。
清とて理性的な人間ではないくせに、納得いかない事を後から理屈に直すのは、矢鱈と上手かった。


ため息と共にそれらしき理由を口にする。
計算したわけではないが、清は今回、深谷が冷泉に払った金額を知らない。


しつこい。
だが、深谷はそこで、清の絵を破いたことを思い出した。それ自体は悔やみはしない。
清が絵を描くのは為にならない行いで、不快でしかなかった。
ただ、歪んでいるとはいえ、郷愁を踏みにじったのは居心地が悪い思いがしたし、それがほんの少しだけ、深谷に真実を話させる気になった。


深谷には手に入らなかった、家族を持っていた娘。
それを自分ごと捨てて尚、郷愁を向けて、しかし何も得られず、自らを傷つけることでしか癒されない。
どうしようもない、愚かで哀れな。


それはかつて、自分がかけてほしかった言葉だ。
神の。鵠に尽くすだけの、道具になれれば良かった。
神の中に母など見ず、ただ守るだけの自分であればよかった。
そういられれば、沙耶を求めなかったし、死なせてしまう事もなかったかもしれない。
だが、深谷を取り巻く人々は皆、深谷に人としての優しさを向けた。
鳥居の前に捨てられた──人に捨てられ神に委ねられた身に、人としての生を望まれた。
神さえ、深谷を駒ではなく、愛すべき人の子として扱った。
それこそが深谷にとっての誉れであり幸福で、呪いとなった。


だから何も背負わなくてもいい。
自分自身さえこの娘は投げ出したのだから、深谷が拾ってやらねばならなかった。
でなければ救いも立ち直りも、あったものではない。

だから自らを傷つけるような真似はするなと、
そこまでは、口が裂けても言えないが。


清は目を丸くして、いっそ無慈悲にもとれる言葉を聞く。
そして、どこか緩んだ面持ちを、深谷に向けた。


優しさは清を救わない。
自分もまた、優しさでは救われなかったのだから。

ENo.17 サクマ とのやりとり


ENo.165 フェデルタ とのやりとり


ENo.173 タウラシアス とのやりとり


ENo.502 ナックラヴィー とのやりとり

ItemNo.30 おいしい肉じゃが を食べました！
　体調が 1 回復！（11⇒12）
　今回の全戦闘において 活力5 体力5 防御5 が発揮されます。
　今回の結果でのスキル熟練度が伸びやすくなった！

時空LV を 5 UP！（LV0⇒5、-5CP）
料理LV を 5 UP！（LV40⇒45、-5CP）

タウラシアス(173) により ItemNo.7 ダンボール から射程1の武器『尽きぬ冥護』を作製してもらいました！
　⇒ 尽きぬ冥護／武器：強さ218／［効果1］防災15 ［効果2］－ ［効果3］－【射程1】

ナックラヴィー(502) により ItemNo.1 駄物 から防具『水神の影』を作製してもらいました！
　⇒ 水神の影／防具：強さ109／［効果1］活力10 ［効果2］－ ［効果3］－／特殊アイテム

ItemNo.16 謎の肉 から料理『ポタージュスープ』をつくりました！
　⇒ ポタージュスープ／料理：強さ110／［効果1］増幅10 ［効果2］攻撃10 ［効果3］強撃10

ナックラヴィー(502) の持つ ItemNo.24 お肉 から料理『バケツいっぱいの生肉』をつくりました！

タウラシアス(173) の持つ ItemNo.9 極光レインボー鼻輪 に ItemNo.8 駄物 を付加しました！

ラピアクチュール(495) とカードを交換しました！

跫音 （クライオセラピー）


クレイジーチューン を研究しました！（深度0⇒1）
ディープブルー を研究しました！（深度2⇒3）
ワンオンキル を研究しました！（深度2⇒3）

ウィンドカッター を習得！
キュアブリーズ を習得！
スキューア を習得！
インビジブルウォール を習得！
ヴィガラスチャージ を習得！
アジャイルフォーム を習得！

◇通常獲得：各CP･FPが5増加した！

不浄の滝(158) は 露草 を入手！
タウラシアス(173) は 露草 を入手！
ナックラヴィー(502) は ジギタリス を入手！
タウラシアス(173) は 立派な羽 を入手！
タウラシアス(173) は 甲殻 を入手！
ナックラヴィー(502) は 針+1 を入手！

▼エイド化候補（基本行動にてエイド化可能）
不浄の滝(158) のもとに ガルーダ が泣きながら近づいてきます。
不浄の滝(158) のもとに 巨大蟻 が空を見上げなから近づいてきます。
不浄の滝(158) のもとに 蚊 がものすごい勢いで駆け寄ってきます。

ミナト区 F-12（森林）に移動！（体調12⇒11）
ミナト区 G-12（森林）に移動！（体調11⇒10）
ミナト区 H-12（道路）に移動！（体調10⇒9）
ミナト区 I-12（チェックポイント）に移動！（体調9⇒8）
チナミ区 B-4（ベースキャンプ）に戻りました！
体調が全回復しました！

MISSION!!
ミナト区 I-12：チェックポイント《図書館》 が発生！
　　 - 不浄の滝(158) が経由した ミナト区 I-12：チェックポイント《図書館》
　　 - タウラシアス(173) が経由した ミナト区 I-12：チェックポイント《図書館》
　　 - ナックラヴィー(502) が経由した ミナト区 I-12：チェックポイント《図書館》

［861 / 1000］ ―― 《瓦礫の山》溢れる生命
［443 / 1000］ ―― 《廃ビル》研がれる牙
［500 / 500］ ―― 《森の学舎》より獰猛な戦型
［192 / 500］ ―― 《白い岬》より精確な戦型
［393 / 500］ ―― 《大通り》より堅固な戦型
［295 / 500］ ―― 《商店街》より安定な戦型
［214 / 500］ ―― 《鰻屋》より俊敏な戦型
［150 / 500］ ―― 《古寺》戦型不利の緩和
［72 / 500］ ―― 《堤防》顕著な変化
［131 / 400］ ―― 《駅舎》追尾撃破
［5 / 5］ ―― 《美術館》異能増幅
［121 / 1000］ ―― 《沼沢》いいものみっけ
［100 / 100］ ―― 《道の駅》新商品入荷
［151 / 400］ ―― 《果物屋》敢闘
［12 / 400］ ―― 《黒い水》影響力奪取
［46 / 400］ ―― 《源泉》鋭い眼光
［3 / 300］ ―― 《渡し舟》蝶のように舞い



―― Cross+Roseに映し出される。

　

　

　





　

　

　




　




　



　




　

　

　




　

　

　




　

　

　




　

　

　

チャットが閉じられる――

チェックポイント。

仄かな光に包まれた六角形の柱が立っている。

　

･･･柱から滲み出るように、何かが生み出される。



　




それは言葉を発すると共に襲いかかる！




（初発生のイベント戦：異能FP+5！生産FP+5！）