「私のはなしでは無く、冬真静の話が聞きたいと？」

「……可能だが、どうして尋ねたい？」

「ああ、私が彼らをどうするか気になるわけか」

「存在ごと捨てるつもりだが……、その捨てるという概念も曖昧か。

　捨てる、否定すること。
　私が彼らとなって生まれ変わる事は無くなるということだ」

「私という存在はいくつもの時を超え、時に記憶障害があり分裂してきたが…
　生まれてしまった人生そのものが必要が無いから間引くだけと考えてくれ」

「……私にそんな権利があるかどうかだって？
　一つの身体に魂は一つで十分だ。私は私だからな」



「彼らが現世で考えていたことは中々に興味深かったのでお前に伝えることは出来る。

　とにかく、私は私だが……あのイバラの街にいる”冬真静達ではない”。
　だからこれは、あいつらの代弁だ」

「幼少期、突然異能が己の運命を教えた。
親に殺される光景、虐待からの監禁にネグレクト。
わかりやすい暴力とその惨状
其れがこれから自分の身に起こることだとわかるのは容易だった。

その対象となっている子供は己と似た顔をしていたのだから。

だから、親を殺した。
勿論躊躇は無かった……みんな、やっていたからな」


「青年期になり、前世の記憶が分かるようになった。
思い出す記憶が膨大になり倒れるようになり、イバラシティに越して来たのだ。

俺がこの街に来てまず初めに探したのは既視感だ。
前世の記憶だけではない、多くの人生の記憶がある己は何か目的があると思ったのだ。

”あったはず”だった」


「大切な事を忘れている、己は何かをしなければいけない。
だから前世に観たことがある道行裏葉や、きゅーやと名乗る男に出会ったときも
”何かを求めていた俺の事”を知っているのでは無いかと期待をしたんだ。

情報は得られなかった、
だから何も気付かなかったことにして普通に過ごそうとした」


「私を、知らない、”何かを求めていた俺の事”と共に居た彼らがここにいる。
　私では無く、冬真静だけを、知っている」


「だが、夜に眠ろうとするとその膨大な記憶は俺を蝕んだ」

「愛した誰かを求めて探す姿、違う名前を呼ばれ振り返る姿、
再会を約束し必ず会いに行くと告げる姿、明るい笑顔を向けられ幼子を抱きかかえる姿。
求められ、求め、刹那を過ごし、愛した者を見つけられず世界を滅ぼす姿。
手に入れる事が出来ず、嘆き悲しみ、この世界に愛した者はいないと絶望する姿。

そしてその哀しみで自決する、姿」


「己が己で無くなると思った、俺は冬真静であり前世の記憶などや彼らは関係無い。

だが彼らは訴えかけてくる、どうしてお前は愛し人を探しに行かない。
どうしてお前は役目を放棄するんだ、何度も何度も繰り返し私達は探し続けたというのに。
お前はどうしてその記憶がない、どうして愛し人を思い出せないんだ？　と。

わからなかった、彼らが探し求めてる愛し人の姿が異能をつかってもなにをしても思い出せなかった。
彼らが必死に探そうとしている人間がいるのはわかった。
だが、その気持ちに寄り添うことも愛し人を探したいという気持ちにも慣れなかった。
ただただ、彼らの愛し人に会えないだけの膨大な時間が頭の中に渦巻く」


「だから消した。」

「俺には必要ない、俺は俺の名前以外しらない。」

「俺は冬真静であり、他の人生など関係無い。」

「思い出すな、己が何であったかなど。思い出すな、思い出すな。」

「記憶を消してしまおう、己の記憶を全て封じ込めよう。
この手帳に描いておこう、思い出してはいけない。己の記憶を思い出してはいけない。

何よりも己の言葉と文字を信じろ。
また思い出してしまえば、苦痛で死にたくなる。
生きている意味などすぐに言えない、だがこんな気が狂いそうな記憶は俺には必要が無い」


「乱雑に書き連ねた。そして記憶が残っている間に自分に対して伝えたいことも述べた。
40を迎えられない精神である事、36で己は死ぬ事が多いこと。
名前を思い出すとおかしくなること、
誰かと関わったことがあると認知してはいけない。
その度にメモをして記憶を消すこと。
自分から自分の記憶を消し、思い出さないように蓋をすること。

全てかいた、そして、
……それを読む度に自分が何者で在るかを考えるようになってしまった」

「この人生は冬真静の人生では無かったのだろうか。

このまるで他人の人生を歩んできたような気分になるのはなんだろう。
己の人生ではなく、この身体がやりたかったことをするために己は生まれてきたのでは無いのかとずっと悩んでいた。

だがそれを認めてしまえば…冬真静がいなくなることになる。
それは、嫌だった。多分。
此まで生きてきた意味が無くなるような気がして」



「そう思って居た」


「だが、おかしいと思ったのは同僚にどこか不思議な情を向けられるようになってからだ。
打ち明けたのにもかかわらず奇妙なことを言うし、己のことを求める。
前世と自分が関係無いと、なんなら昔の記憶を消そうと言われた。

時々思い出すこの症状が己を蝕むのなら、根本から消してしまえばいい。
この手帳の存在する意味も無くなる。
正しい事だと、わかっていたのに言葉としてでたのは拒絶だった。

どうしてこの記憶を消さなければいけないとこの口は発し、
過去に縛られている己の運命を嘆くことも拒む事もしないと自然と告げていた。

俺は、俺の人生が欲しかったのではないのだろうか？
いや、望んでいたのはそうじゃなかった。
ただなにも考え無くてもいい敷かれているレールを進んでいればいい生き方をしたかったんだ」



「……其れを知られたくなかった。
自分の怠惰の為に自分を気にかけてくれている人間をないがしろにしていることを認めたくも無かった。
誰も自分に構わず、ただ楽をしたくて適当に好きに生きていたい。
それだけ、煩わしいものを抱えて生きているのが面倒くさい。

そのくせして、この生き方を誰にも否定されたくなんかなかった。
とんだ我が儘野郎だと……自覚した」

「……こんなところでいいか。
まだあるが……。随分今厄介な目に遭っていて何が何だかわからん。

それにしても随分とプライドの高い男だ、一体誰に似たんだか…
親の顔が見てみたいな、そんな記憶私にも無いんだが」

▲	「……！？」 乱れる画像の中見えたものに困惑した。塔間君が女になっている……？ とりあえず言われたとおりにメッセージに切り替えた。 『さっき君の姿が女性のように見えたのだけれど、何があったんだい？』

▲	シュリ 「なんだか凄いものが見えたような気が……？？ 　大丈夫……なのかなあ」

	シュリ 「……別れが寂しいのはいつだって、それが突然だからなんでしょうね。 　だから、終わりまで後悔が残らないように楽しい話をしましょう。 　もちろん答えられる範囲のことには答えますよ」

	シュリ 「私はー…そうだなあ、龍を見たんですよ。おとぎ話に出てくるみたいな。 　他にも見たことのない生き物がたくさんいて、すごかったですね。 　久しぶりに生き物への好奇心が湧いてきたというか。 　道行さんは、何か楽しいことはありました？」

▲	「無論……私も、エナさんの友である貴方に、 　このような場所に居てほしくはありません。 　きっと、あの子も貴女が戦禍へ巻き込まれる事を、 　望みはしないでしょうから……」 けれど、彼女のいうようにハザマという空間ならば、 彼女でも味を感じることが出来るものが─── ともすれば、味覚を取り戻すきっかけが、生まれる かもしれない。 異能と異形が入り混じる、この場所だからこそ。 "そういうところはエナのようだ"という言葉には、 少しだけこそばゆそうな、なんとも言えない表情を 浮かべた。もしかすると、照れているのかもしれない。

	「───ウラハ。 　案内人の言葉が真ならば、直に争いを 　避けられぬようになるやもしれません。 　私も……エナさん達を護るため、 　前線へと馳せ参じます。 　故にどうか、貴女の"希望"のためにも……」

	通信に、ザリザリとノイズが混じり始める。

▲	緋染の白花 「ぁ……ぅ……でも……いえ……はい、わかり、ました」 　　あまりの正論に言葉を失くしながらも、 　　見つめられた瞳をそわそわと彷徨わせて反論を探す 　　……が、完全に逃げ道がなくなった事に気が付けば、 　　一度、大きく息を吸って 緋染の白花 「私は……少なくとも、あちらの私は、あなたが好きでした。 　私がこう思ってしまうのも、あちらの私の影響かもしれません。 　けれども、真っ直ぐに”私”を見てくださった、素敵な言葉をくださった、 　道行さんが……私も、好きです」

	緋染の白花 「……えぇ、と。よく、分からないのですが。 　よくは分からないのですが……それが。 　『ずっと一緒に居る事』が、道行さんの好きの形なのですか？」 　　猟奇的、とも取れる宣言にも静かに聞き入って 　　それから首を傾げつつ問いかける 　　表情には困惑も、嫌悪も、怯えすら一切なく 　　唯々不思議そうに、きょとんとした様子で

▲	灰闇 眩 「あは。 　じゃあ、王子様になるか、夢見るお姫様になるか、 　悪い魔女になるかは――これからだね。 　どんな裏葉でも好きだけど。」

	灰闇 眩 「……どれもしてないかも？ 　いや、会ったら殺しあいになるだろうからさあ。 　喧嘩別れになるのかなあ。 　でも嫌いじゃないんだよ。 　嫌いじゃないのに、御機嫌ようしなきゃいけないのは悲しいねえ。 　いつでもそうだけどさ。」

	灰闇 眩 「ほんと？　よかったあ。 　んー、好きなところがないっていうか、 　これをこうしてくれたから、とか、こういうところが、とかはあんまりないんだけど、 　 　でも全部好きかなあ、みたいな？ 　変わっても好きだよ。そうじゃなくたって、好き。 　え、初の両想いじゃん？照れる。やったぜ。」

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ハザマに生きるもの 座敷童子A 座敷童子B とら 座敷童子C

ドキッ☆アイドルだらけのイバラPT～feat. 仏～ ENo.912 愛夢 ENo.945 あかね ENo.950 仏の男 ENo.1191 音々子

鶉鍋 ENo.1288 裏葉 ENo.1289 サク ENo.1295 名もなき影 ENo.1296 ハイド

ヒノデ区 E-20：ヒノデ動物園

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立ちはだかるもの 大鶏

ヒノデ区 E-20 周辺：ヒノデ動物園

13人の声が響いています。

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415

515

決闘不成立！

対戦相手が見つけられなかった！

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塵も積もれば鱒となる ENo.71 りりこ ENo.138 スバル ENo.155 眞梨奈 ENo.180 ちわわ

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立ちはだかるもの ゾンビリーダー ゾンビ ゾンビ ゾンビ ゾンビ ゾンビ ゾンビ ゾンビ ゾンビ ゾンビ ゾンビ ゾンビ ゾンビ

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