「おまえのかみの毛、なんでそんなに長いんだ？」


──帰り際、それは同じクラスの男子のなにげない一言だった。


「え？ なんでって……そういう『いのう』だもん」




「まっ黒で長いからキモチワリーよなぁ」

「ゆうれいみたいだよな、こえー」

「マジでおばけみたいなかみの毛だよなー」

一人がからかったのを機に、数人の男子が集まってくる。



「おばけじゃないもん！ なんでそんなこと言うの？」

「うわー！おばけがおこったぞー、のろわれる～」

「あははは！おばけだおばけー！」


ムキになって言い返せば、面白がって囃し立てる男子たち。


「おーばーけ！」「おーばーけ！」「おーばーけ！」

「おーばーけ！」「おーばーけ！」「おーばーけ！」


「…ちがうもん…。おばけじゃないのに……」



──なんで。どうしてそんなことするの。いやだ。かなしい。こわい…。


「……やめてよ……」


「やめて！！！」






「ギャッ」　「ぐえっ…」　「ひっ、たすけ…！」


ただやめて欲しくて叫んだ──それだけのはずだった。

けれど、それまで囃し立てていた男子の声が短い悲鳴に変わり……突然静寂が訪れて。

気が付けば、目を疑う光景が広がっていた。



ついさっきまで自分を囲んでいた男子たちがみんな、

呻き声をあげて地面に倒れている。

「いたいよ…」　「うぅ……」　「たすけて…しんじゃう……」

辺りを埋め尽くし、彼らに絡みつく黒髪。

脳裏をかすめる、嫌な感触。

子供ながらに理解できた。この惨状は自分がつくりだしたのだと。



「あ……あ……」

──これ、みんな……あたしが……？

▲	「――……俺の、目指す、もの……イバラシティの――九重隆二、のように弱く、ない……自分で、生きられるもの、だ」 いちまは知らないだろう。イバラシティの九重隆二がどれだけ弱く、愚かな存在か。 「――……自ら死を……選ぶなど、ホンモノとは程遠い――あいつは――いつ死んでもいいと、思っている……それを叶えてやる事は――そんなに悪い事か？」

	世界を奪ったとしても、ホンモノにはなれないかもしれない――そう告げるいちまに、怪異の瞳が僅かに細められた。 「――……例え、そうだとしても……侵略を止めるつもりは、ない――俺は、」 このままでは生きられない。……そう出かかった声を飲み込んだ。相手は敵であり、弱みを見せるべきではない。 「――……望みが叶わないから――奪うのを止める、とでも……？　――叶わない、なら、尚更……壊してやるだけだ」

▲	十神 「な゛っ…… 　ばかとかおたんこなすとか言いたい放題だな不敬だぞ！！ 　わ、我だっていろいろ考えて──！」

	十神 「いっしょに……"帰る"……」

	十神 「……うん。 　我も……少し、少しは探してみる…… 　だって、髪長さんも、皆も──友達がそう言ってるから…… 　例え我が否定された存在だったとしても……そう、言ってくれるから……」

	十神 「──あぁ、だが」

	十神 「このままだと一緒に帰る先はアンジニティになるがな── 　クク、クフフフ……！ 　"友人"に遠慮はいらぬ……か。 　ハハ、そうだな──」

	十神 「──……、髪長さんも、遠慮しないでほしい。 　いつぞやの事故の時のように、痛みを抱え込んだりしたらダメだぞ？ 　体や異能が変質しているのはなにも我だけではない…… 　だから……髪長さんも何か辛いことがあったら神に言うがよい！ 　その……痛みの我慢の方法ならたくさん教えられるから……」

▲	雀部 「それセラピーっていうかただの執行やん！ 　一回楽になったら楽になりっぱなしのやつやん！ 　いいですおれまだそこまで追い詰められてないんで！ 　セラピー以外でも気分転換になるもんは他にもあるし～…」

	雀部 「そうそう。 　美味しいものをこうやって突然おもむろに食べ始めたりしてな…。 　腹が減ってはなんとかかんとかって言うし。 　我慢はストレスの元って聞くし。」

	雀部 「タピオカか～。 ＜パキン！ 　あれって料理上手い奴でも作れへんもんなんかな。 　そもそもタピオカって何でできてんのかが謎やわ。」

	雀部 「でもここ、変とはいえけっこう食べ物手に入るやん？　フーッ… 　たけのことか肉とか…ギリ食べれるかなみたいなよう分からん物体とか。 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ズゾゾゾゾゾ…… 　そんだけ色々あるんやったらタピオカも落ちてそうなもんちゃう？一粒くらいは…。」

▲	チホ 「にひー、ゴメンゴメン！ でも、いちまっちゃんもアンジかどうか聞かれた時に同じ様なコト、しなかった？ 胸に手当てて考えてみ？」

	チホ 「……！！ どんな異能か聞いただけでそこまで使い方を思いつくなんて……やはり天才か。 ウチどっちもやったコトあるし。 あとその障害物とか吹き飛ばせそうな走り方なら普通に間に合いそう。」

	チホ 「アレかー。アレはー…多分できるけどガチで戦う時はそれどころじゃないカモ。 制御メンドくさそうだし… それだったら「時は加速するッ!!」って感じで叩きまくった方が手っ取り早くない？」

▲	ホヅミ 「私達がいたのは…。 私達が…いた…のは…何処だ…？」

	ホヅミ 「私は………」

	ホヅミ 「(フリーズした機械の様に全く動かなくなった)」

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対戦相手が見つけられなかった！

不戦勝扱いになります。

【＆】 ENo.443 カゲ ENo.663 闇豹

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