苺の乗ったチョコケーキ、出前のピザ、プレゼント。
年に一度の7月10日。
その日に欠かさず用意される "おれが喜ぶもの" は、小さい頃から一向に更新されないままだ。
何度誕生日を迎えようとも。毎年食卓に並ぶのは決まって、
苺の乗ったチョコケーキ、出前のピザ、プレゼント。
この3点セット。それが当たり前だった。





だから、こっちで初めて誕生日の夜を迎えたとき。
今まで当然のように揃っていたものが、揃える人間あってのものだったと気がついたとき。
静かな衝撃にぼんやりとする一方で、全身が落ち着きなくざわついた。
誕生日だけの特別な空気感。それを最後に感じ取ったのはいつだったろう。
思い出せないほどには、とても。とても。
懐かしい感覚だった。





3人家族には大きすぎるまん丸のケーキ。
夕食時間ぴったりに届くピザ。
わざわざラッピングされたプレゼント。
あれは、"7月10日だから" 用意されていたのではなくて

たぶん

"おれのために" 用意されていたものだったのだろう。


















それから1年、また1年と時間は過ぎて。
今日は7月10日。
おれは18になった。








感謝してないわけがない。


裏切りたいわけがない。








嫌いなわけがない。

▲	七坂 「金の力通じず2回連続で負けた俺に励ましの言葉お待ちしております！ 　サカちゃんの暴力も俺の金も通じなかった！！もうだめだ～！」

	七坂 「拾われまちか～～えっ相バケいいの？悪いな～ 　でも俺どうせならぞうとかになりたいな。強いし……」

	七坂 「でもまかり間違ってバニーガールとかになったら困るな。 　影響度……これはヤベェシステムだぜ！」

	七坂 「ま、実際のところナレハテになったらとっとと自殺したほうが不自由な肉体に縛られるよりはいいぞ！少なくとも俺はそうするつもり！」

▲	いちま 「きつねセラピー受けたい受けたい！ 　割とガチめにハザマ疲れが深刻でさ～もふもふの癒しが欲し………」 （←露骨に嫌なかお） いちま 「やっぱ髪の毛セラピーにしない？ 　きつねほどじゃないけどもふっとしてるし、香りもいいから癒されると思うんだよね。 　どう？ 首にキュッと巻いてみない？ 一瞬で楽になれるよ」 いちま 「てかなんで急にカップ麺の話になってんの？ ウケんだけど。 　まー確かにお腹すいてきたとこあるけどさ」 いちま 「でもハザマってさー、変な食べ物多くない？　 　一緒に行動してるコが料理上手で助かってるんだけどさ、 　それでもイバラシティのご飯が恋しくなるんだよね…一時間おきに戻れるのに…」

	いちま 「特にタピオカミルクティーがないの死活問題みある。ふー、ふーっ 　梅楽園のお団子はおいしかったけどさー ズルズル… やっぱタピれないのつらたん もぐもぐ 　ゾンビとかナレハテとかヤな話ばっかだし ズズーッ 　せめておいしいもの食べてテンアゲでいきたいじゃんね～ ぷはーっ」

▲	「…………！」 きゅ、と引き結ばれた唇が歪む。 彼と同じ顔で吐かれた拒絶の言葉にずきりと胸が痛んだ。 …一歩、二歩と後退りをして、詰めていた息を吐く。

	我孫子 「…………。 ……お前、言っておくけど初対面の奴に”嫌い”って言われると 結構傷つくんだぞ。 わざわざあいつの言い方真似してくるし…。 …あぁ、お前にとっては初対面じゃないんだっけ…。 ほんと変な感じ…。」

	我孫子 「まぁ……、話を聞いて取り敢えず安心した。 ハザマに来てからあいつ…雀部の様子はどんどんおかしくなるし。 もしかしてお前があいつに取って代わるんじゃないかって思ってたんだ。 …けど、どうもそういうわけじゃなさそうだし…、 その、お前の存在の”道理”はよくわからないけど 共生してるってことだよな…？」

	我孫子 「…だったら…、 あいつに害を成す存在じゃないなら…、 あいつが無事ならそれでいい…。」

	我孫子 「…なぁ、お前さ、僕のこと嫌いなのになんでわざわざ正体明かしたんだ？ 嘘でも何でも吐いてあいつのフリしてても良かったのに。 それも正直者だから…？ ……………………。」

	我孫子 「……えっと、さ。 名前、教えてくれないか。 …これからお前といる事になるんなら、 "お前"じゃ呼びづらい。」

▲	四葉 「……薄くて軽そうな人ね。」 本当に容赦がなかった……思い込みからくるものだが。 そんな失礼すぎる発言をする四葉からは、先ほどまでの興奮はすっかり引いているようだった。 主に『巨乳に埋もれて甘えたいのとこは合ってるけど』という発言が彼女をそうさせたのかも……しれない。

	四葉 「イツハに変わるのはいいけど、また変なことを吹き込まないようにね！ あの子は素直でいい子だから変なこと教えてもそれを信じこんじゃうんだから！ ……まさか、都合の悪いことを喋らせないように丸め込んでるんじゃ……！」 初対面なのに失礼すぎる白槻姉は、変わると言っても依然疑いの眼差しを向けたまま……すると、近くで慌てたような声が上がって。

	イツハ（？） 「お姉ちゃんっ！全部勘違いなのですよぉっ しかも言いすぎだと思うのです！イツハは変なことはされてないのですよっ！」 通信画面にバニーガールが割り込んできた！ 声はあなたの知るイツハのものとは全く違っているのだが、それは“イツハ”を名乗っている。

	イツハ（？） 「たしかに人に言えないような話も聞きましたし口止めをされていますが、それはプライベートな事情なだけですしイツハには何もしてないのですよっ！ 少しだけ話しちゃうとオーシャンビューなところで美少女と一つ屋根の下で暮らしてイチャイチャしてるみたいな話を聞いただけですので！ 稲生先輩はとてもとても良い先輩なのですっ！！」 そのイチャイチャがふしだらなものと思っているので、顔を赤くしていたわけだが。

▲	ｻﾞｻﾞｯ。

	桔梗 「んっ、なぁっ………………！！！」 みるみる赤くなっていく少女の表情。 とても分りやすく図星を突かれた反応だ。 桔梗 「なんやの！ うちがわざわざ声掛けに来てあげたのに！ 　そないにいけずしはるんやったら、うちもう知りまへん！」 ぷいっと後ろにそっぽを向くはんなり少女。 この行動パターンはバレンタインデーあたりで見た記憶があるかもしれない。

以下の相手に送信しました

秘密結社フリーパーソン ENo.606 雀部 ENo.607 我孫子

ハザマに生きるもの フェアリー ラフレシア

イグジスタンス ENo.128 吊るされた男 ENo.720 瞬

秘密結社フリーパーソン ENo.606 雀部 ENo.607 我孫子

1人の声だけが響いています。

秘密結社フリーパーソン ENo.606 雀部 ENo.607 我孫子

ハザマに生きるもの イナゴ イナゴ

442

425

イグジスタンス ENo.128 吊るされた男 ENo.720 瞬

秘密結社フリーパーソン ENo.606 雀部 ENo.607 我孫子

331

454