［基本］OK.　［戦闘］OK.　［スキル］OK.　

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　――学生の視点から"靄"の情報を集められないかしら。
　
　進級を目前に控えた春先のこと。
　雨森霖子からの目覚ましにぼんやりと返事をして登校した、とある日。
　ホームルームより早く真っ先に耳に飛び込んできたのは、上級生失踪の報だった。

　学生の間で靄の噂が広まって以来、行方を晦ます生徒の話は月に数度のペースで話題に挙がっていた。
　海棠市内のみならず、電脳都市と括られた隣町でも捜索願が相次ぎ。
　その大半は今も所在が掴めていないが、中には靄を言い訳に家出した者も居たようで。
　そういったおふざけが靄への恐怖心を薄れさせたり、好奇心を刺激したりして、徒に件数が増えていったのだろう。

　時期が時期だけに知り合いが名を連ねてはいなかったものの、
　靄が原因とされる行方不明者リストを元に幾つか情報を集めたところ、興味深い共通点が得られた。
　皆が電脳化していることもそうだが、彼らの周囲で特異な現象が発生したり突飛な言動が目立ち始めるなど、
　わたしにも当て嵌まるような明らかに普通でない特徴が多く見られる。
『靄は特異な力を持つ者を襲う傾向がある』との霖子の言葉に誤りがない裏付けにもなろう。
　であれば、確かにこれはわたしが調べる方が都合がいい話だ。


　それからは連日のように各学校の生徒名簿と警察の捜査記録に目を通し、靄自体の追跡にも力を入れた。
　対象の分布、失踪の間隔、靄の目撃場所など、可能な限りをまとめ上げ、頻度の高い地域を絞る。

　並行して"キベルネテス"を扱う為の鍛錬も欠かさない。
　尤も、具体的な内容はと言えば、イメージすることに尽きる。
　姿形は元より、それを手足の如く従える自分自身を連想する。
　双海の血に由来する力もまた柔軟な発想に左右される部分があるのだから、
　ただひたすらに想像力を養うことが重要だ、と霖子は言う。

　空間に貼り付けた電子情報を書き換えて、そこにあるものを消し、ないものを作り出す。
　前半部分は電脳の仕事でも、残りは自前の脳味噌でもって違和感を取り除かなくてはいけない。
　これを他人を騙す為に使うのなら、頭の回転の良さは必要不可欠である。
　鰐頭に自律して動き回る意思があっても、思考の伝達、共有を図るにはやはりシミュレーションは大事だ。
　"キベルネテス"に何が出来るか想定することと、実際の動作との擦り合わせは咄嗟の判断に役立つ。
　自分で作った幻を自分から偽物だとばらしては本末転倒も甚だしい。



　◆　◆　◆



"第二層。それは全てを呑み尽くす波濤。"



　◆　◆　◆



　そんなことを続けて、十数日。学期末の朝。
　登校の直前に一つの連絡が入った。
　曰く、普段の通学路の近くで黒い靄らしきものが観測されたのだという。
　ほんの数分前を示す記録時間に誘われるままに飛び出して、順路を少し外れた路地裏に急ぐ。


　室外機と太いパイプの群れに囲まれた、噎せ返るほどの熱気と湿気の中。
　通学カバンと、その中身が散乱している道の先に、大きく黒い塊が蹲って見えた。

「遅かったか」

　独り言に反応したのか、それは何やら蠢きながら向きを確かめて、やがて立ち上がる。
　木の幹のように幾重に堆積し、硬質化して捲れ上がった皮膚。
　全身に巻き付いた荊がギチギチと音を立て、
　頭部に開いた巨大な花弁の奥から覗く、二つの光が鈍く輝いた。
　辛うじて、人らしき面影を感じさせる靄の怪物は、こちらを見つめたきり動かない。

「……化け物相手に、躊躇う道理はないか」

　あれが獲物を求めているのなら、次は自分だ。
　他所へ行ってしまう前に役目を果たすのが、力を持つ者の義務でもあろう。

　己のこめかみに指を当て、"それ"を強く思い浮かべる。
　鰐の頭を持った半人半獣の人型。がっしりとした体躯、綺羅びやかな装身具。
　杖のような槍のような立派な櫂を携えて、迫る脅威を討ち払う緑光の守り人。
　お前には、あれに負けないだけの力が備わっているのだ、と。

「キベルネテスッ！」

　身体の内側から現れいでた人型は、一切の間を空けず靄の怪物へと跳んでいき、櫂を振り下ろす。
　対処する余裕を与えない初撃の動作は、これまで何度も予測した挙動の丸写しである。

「――――――ッ！？」

　分厚い腕を翳そうとはするものの、反応が遅れたのか怪物は櫂の一撃をもろに受けて地面に倒れ伏した。
　その機を逃さぬうちに二度、三度と叩きつけ、ある程度の距離を保ったまま様子を窺う。

「何だ……？」

　鰐頭に考えが伝わっていることに安心して気を緩めたりはせず、じっと目を凝らす。
　手応えは確かにある。攻撃が効いているのは間違いないとしても、怪物の動きが妙だ。
　これまで相対した靄と比べ異形の化け物らしさが増している割に、敵意めいたものが感じられない。
　身体の強靭さ故の余裕とも思えない、あれは。

「ふーーっ……」

　迷いは良い結果を生まない。そういう予感が頭の片隅にある。
　だからこそ、今のうちに無防備な"それ"にとどめを刺さなくてはならない。

　息を吸って、吐く。深く吸って、長く吐き出す。
　ただそれだけの短な時間が、何故だかひどく間延びした感覚に見舞われた。

「はーーっ……」

　櫂を逆手に握り、腕を上げる。
　しかと狙いをつけて、一直線に突き立てるように――

「マ、ッ――」

　ごしゃ、という音が耳に触れて、さながら西瓜が潰れる様を想起した。
　砕け散った花弁がたちまち靄状に溶けていく。
　不思議な呆気なさに包まれながら、今一度小さく息を吐いた。

「――フ……、タ――――」

　怪物の肉体が崩れては、取り巻いていた靄が一箇所に集まり、小さく固まって地面に落ちる。
　足元に転がってくるガラスの小瓶らしきものを拾い上げようとして、すんでのところで手が止まった。
　凡そ単語として判別出来ない断末魔の唸りの中に、そのとき自分を呼ぶものがあったように思えて。

ENo.195 天使様 とのやりとり


ENo.500 水月 とのやりとり


ENo.654 夏鈴 とのやりとり

ItemNo.7 エナジー棒 を食べました！
　体調が 1 回復！（0⇒1）
　今回の全戦闘において 活力10 防御10 が発揮されます。
　今回の結果でのスキル熟練度が伸びやすくなった！

料理LV を 45 DOWN。（LV62⇒17、+45CP、-45FP）

百薬LV を 5 UP！（LV17⇒22、-5CP）
付加LV を 50 UP！（LV0⇒50、-50CP）

じいや＆ねえさん(814) により ItemNo.28 燐灰石 から防具『『電装回帰の鱗』』を作製してもらいました！
　⇒ 『電装回帰の鱗』／防具：強さ204／［効果1］奪命20 ［効果2］－ ［効果3］－

兎乃(223) とカードを交換しました！

海開き （デスペラート）


クリエイト：キャノン を研究しました！（深度0⇒1）
クリエイト：キャノン を研究しました！（深度1⇒2）
クリエイト：キャノン を研究しました！（深度2⇒3）

上書き付加 を習得！
インフェクシャスキュア を習得！
衰弱耐性 を習得！
百薬之長 を習得！

◇通常獲得：各CP･FPが5増加した！

七夏(12) は ボロ毛布 を入手！
放課後探検部(723) は ペットボトル を入手！
アイ(783) は タイヤ片 を入手！
じいや＆ねえさん(814) は ボロ毛布 を入手！
じいや＆ねえさん(814) は 蒼小石 を入手！
七夏(12) は 紅小石 を入手！
七夏(12) は 不思議な食材 を入手！
七夏(12) は 翠小石 を入手！

アイ(783) に移動を委ねました。

チナミ区 D-2（ベースキャンプ）に戻りました！
体調が全回復しました！

採集はできませんでした。
　　 - 七夏(12) の選択は カミセイ区 S-13：チェックポイント《鰻屋》（未開放のため無効）
　　 - 放課後探検部(723) の選択は カミセイ区 S-13：チェックポイント《鰻屋》（未開放のため無効）
　　 - アイ(783) の選択は カミセイ区 S-13：チェックポイント《鰻屋》（未開放のため無効）
　　 - じいや＆ねえさん(814) の選択は カミセイ区 S-13：チェックポイント《鰻屋》（未開放のため無効）

MISSION!!
カミセイ区 S-13：チェックポイント《鰻屋》 が発生！
　　 - 七夏(12) が経由した カミセイ区 S-13：チェックポイント《鰻屋》
　　 - 放課後探検部(723) が経由した カミセイ区 S-13：チェックポイント《鰻屋》
　　 - アイ(783) が経由した カミセイ区 S-13：チェックポイント《鰻屋》
　　 - じいや＆ねえさん(814) が経由した カミセイ区 S-13：チェックポイント《鰻屋》

［842 / 1000］ ―― 《瓦礫の山》溢れる生命
［382 / 1000］ ―― 《廃ビル》研がれる牙
［420 / 500］ ―― 《森の学舎》より獰猛な戦型
［127 / 500］ ―― 《白い岬》より精確な戦型
［233 / 500］ ―― 《大通り》より堅固な戦型
［43 / 500］ ―― 《商店街》より安定な戦型
［27 / 500］ ―― 《鰻屋》より俊敏な戦型



―― Cross+Roseに映し出される。

　

　

　




　






　

　

　

落ち着きなくウロウロと歩き回っている白南海。





　




　

ゆらりと顔を上げ、微笑を浮かべる。

　













　

　

　






　




　

　




　




　

　

　

チャットが閉じられる――

チェックポイント。



再び現れる守護者。

　　




それは言葉を発すると共に襲いかかる！