［基本］OK.　［戦闘］OK.　［取引］OK.　［スキル］OK.　

　次元竜。黄金色の甲殻や羽毛をしている、とある不思議な竜種を指す名だ。ウィルヘルムの記憶が確かであるならば、その名前を初めて聞いたのは、下天の世界《ティブロス・セキュアル》で虹色の塔に登っていた頃の筈だ。

　最初の名乗りは向こうから。しかし最低限の会話しか交わしていないウィルヘルムは、実際その『次元竜』なるものがどういう種族なのかを直接聞く事は出来なかった。だからという訳ではないが、当時のクリスが偽装外殻の不具合を何とか解消しようやっと落ち着いたある日の夜に、浅からぬ縁があるらしいヴィーズィーに問うた事がある。


「で、結局、次元竜ってどういう種族なんだ？」

「また難しい質問をするなおぬし」


　仮面越しにも険しい表情──というより、面倒くさそうな表情だったのかもしれないが──をしているのは何となく気配で分かった。実際、説明することそのものが難しいのは確かだったのだろう。しかしそれでも、酷く時間をかけて言葉を選びながら、ヴィーズィーは答えてくれた。


「アレは時間と空間を飛び越え、世界を渡り歩く界渡りの竜じゃよ。他者の因果律を利用し、ノイズの中に潜むことで界の内側へと潜り込んでおる。姿形は様々じゃが、本性としてはどの様な姿であれ黄金色の身体をしておるな。……まあ、色々と知れば知るほど、マトモな生物というのも怪しい所ではあるのじゃが……」

「それは本当に竜と呼ぶべきなのか？」

「疑問はもっともじゃが、竜種の概念を持つのは確かであるようじゃからな」


　苦笑しつつ、ヴィーズィーは片手間に淹れたお茶をウィルヘルムへと差し出しつつ続ける。


「わしもアレ等については一部しか知らんよ。ただ、おぬしも感じておるだろうが様々な異能を持っておるのは確かじゃ。……とはいえ、」

「？」


　固くなる声音に、怪訝げな眼差しを向けたウィルヘルムへとヴィーズィーは告げた。


「協力を仰ぐならば、相手は選ぶことじゃな。基本的には世界の狭間のどこかに引きこもって、他者には関わらん様にしておる生き物じゃ。『外』に出てきておる時点で曲者しか居らんと思ったほうが良い。特に胡散臭い奴には気をつけることじゃよ」


　やたら重みのある実感のこもったその言葉に、苦労しているんだなと思ったものだ。




「あの言葉からすると、クライカリオスは……信用出来る相手ではあるんだろうな」


　小脇に抱えたぬいぐるみを見下ろしつつ、帰路の途中にあるウィルヘルムは独りごちた。クライカリオスの工房から再びの位相転移で占いの館に戻った後の事、人の良さそうなそして──失礼ながら──どこか苦労してそうな顔立ちの青年を思い出しつつ、である。
　彼はヴィーズィーの協力者として偽装外殻の改修に関わっていたという。ヴィーズィーの言うような問題の在る次元竜なら、流石にこんな重大な問題には関わらせまい。それに、先程の説明でも不具合の可能性を気にしていたり、随分と責任を感じていた様子だった。

　彼から託されたこのずんぐりむっくりな竜のぬいぐるみが本当にクリスの役に立つのかは、ウィルヘルムには正直わからない。が、現状は藁にも縋りたい状態だ。あのラグナという男やクライカリオスの言葉がどこまで正しいかは別としても、試して見る価値はある。


「しかし、こんなぬいぐるみが解決策になる……と言われてもにわかには信じがたいな」


　改めてまじまじとぬいぐるみを観察するウィルヘルム。
　全体的に丸みの多い、ちょっと大きな抱き枕程度のサイズで、重量見た目の割に軽い。無造作に掴んだ場所を揉めば、小さなビーズの様な感触が中で移動しているのを感じる。さわり心地はサラサラと気持ちよく、シルクの布の様な滑らかさがあった。背中部分にある小さな羽が愛嬌を感じさせ、顔立ちもどこかとぼけたような愛嬌がある。


「クリスはこういうの好きだったから喜びそうなのが救いではあるのか」


　可愛いものが苦手な性格だったらさぞや嫌がったことだろう、と想像して苦笑などしつつ喜久田商店までウィルヘルムが戻って来たのは昼前の事だった。快晴の熱気に打ち水などしているイマに挨拶をして奥の下宿へと戻ったウィルヘルムは、早速クリスの部屋へと足を運ぶ。


「クリス、起きているか？」

「ん。起きてるよ」


　どうぞ、と招く声に礼を言って襖を開ければ、布団から起き上がる寝間着姿の子供の姿があった。


「調子はどうだ」

「ぼちぼち……喉が乾いちゃった」


　呟くクリスへと、枕元に置いてあったお盆の上の水差しを手にとったウィルヘルムは、水を注いだコップを差し出す。両手で受け取ったそれを少しずつ飲み干して、ふぅと息をつく様子を見守る。ほんのりと頬が赤いのは熱がまだ下がっていないからだろう。一言断った上で手を伸ばして額に触れれば、確かな熱気を感じた。


「部屋は暑くはないか？」

「そこは大丈夫。窓開けてるから。ときどき涼しい風も吹いてくるし」

「それなら良かった」

「そういえば、ウィルはどこにいってたの？　今日、仕事はお休みだったんでしょ？」

「嗚呼……ちょっとな。探しものがあって」

「さがし物？」


　問われて、思わず口ごもるウィルヘルム。クリスには、ヴィーズィーとの連絡が取れていない件はまだ伝えていない。少し考えた上で、敢えて無難な答えを返す。


「……えぇと、メランのな。こう、爪切りとかしてくれる店を探してたんだ」


　手帳を開いてから万年筆を閃かせると、白いページの隅で丸まっていた黒猫が現実の世界へと飛び出してくる。クリスの側へと駆け寄ってゴロゴロ喉を鳴らす様子を横目に、ウィルヘルムは小脇に抱えたままだったぬいぐるみを差し出した。


「……？　これは？」

「お土産だ。クリスが好きそうかと思って」

「えー……そんなボク、子どもっぽいかな？」

「い、嫌だったか？」

「……そんなコトはないけどさっ」


　なんか悔しい、と言いつつも満更でもなさそうな顔でぬいぐるみを抱きしめる様子にホッとするウィルヘルム。とりあえずは無事に受け取ってもらえたことに安心しつつ、続けて声をかける。


「そういえばソイツに名前をつけてやってくれないか」

「名前？　ボクが？　いいのかな」

「嗚呼……そのぬいぐるみを作ったっていう職人がな、持ち主に名前をつけてもらえたら嬉しいって言ってたもんだから」

「ふぅん？　そっかー」


　少し悩んでいた様子のクリスは、しかし暫しの時間をおいた後、うんと頷いた。


「決めた！　『マーネ』でどう？」

「マーネ、か。いい名前じゃないか。なぁ？　メラン」

「めにゃー……」


　複雑な顔をする黒猫をよそに満足気に笑うクリス。その姿にウィルヘルムは小さく笑う。ちゃんと教わったとおり、渡した上で名前をつけた。クライカリオスの言葉が正しいのなら、これで呪術的な繋がりがクリスと出来たはず。後は時間に任せるしか無いのだろう。


（しっかりと効果が出るまで、暫くは様子見だな……）


　そろそろ昼食の時間だと伝えるイマの声を遠くに聞きながら、ウィルヘルムはそんな事を思うのだった。

ウィル(72) に ItemNo.1 翌檜 を手渡ししました。

リン(1283) から 15 PS 受け取りました。

たまコ(1485) から 15 PS 受け取りました。

ウィル(72) に ItemNo.10 爪 を送付しました。
ウィル(72) に ItemNo.15 Wizard Robe を送付しました。

具現LV を 5 DOWN。（LV5⇒0、+5CP、-5FP）

変化LV を 10 UP！（LV0⇒10、-10CP）
装飾LV を 5 UP！（LV55⇒60、-5CP）

鳴(224) により ItemNo.4 光輝【棍】 に ItemNo.9 皮 を合成してもらい、何か固い物体 に変化させました！
　⇒ 何か固い物体／素材：強さ15／［武器］攻撃10(LV20)［防具］防御10(LV20)［装飾］共鳴10(LV20)／特殊アイテム

魔王(110) の持つ ItemNo.16 山査子 から装飾『禍々しい十字架』を作製しました！
たまコ(1485) の持つ ItemNo.6 駄物 から装飾『武器用留め具・駄物製』を作製しました！
リン(1283) の持つ ItemNo.2 ラベンダー から装飾『理力回路制御装置』を作製しました！

ハナ(1345) により ItemNo.4 何か固い物体 から防具『光蝶の護衣』を作製してもらいました！
　⇒ 光蝶の護衣／防具：強さ105／［効果1］防御10 ［効果2］－ ［効果3］－／特殊アイテム

ウィル(72) により ItemNo.4 光蝶の護衣 に ItemNo.13 ボロ布 を付加してもらいました！
　⇒ 光蝶の護衣／防具：強さ105／［効果1］防御10 ［効果2］敏捷10 ［効果3］－／特殊アイテム

枢木(296) とカードを交換しました！

薬師ノ智 （ファーマシー）


パワフルヒール を研究しました！（深度0⇒1）
パワフルヒール を研究しました！（深度1⇒2）
パワフルヒール を研究しました！（深度2⇒3）

ガードフォーム を習得！
ビューティーフォーム を習得！
ウィークネス を習得！
プロテクション を習得！
ディベスト を習得！
サンダーフォーム を習得！
肉体変調特性 を習得！
ワイドプロテクション を習得！

◇通常獲得：各CP･FPが5増加した！

クリス(62) は 頭蓋骨 を入手！
ウィル(72) は 頭蓋骨 を入手！
クリス(62) は 不思議な雫 を入手！
ウィル(72) は 腐肉 を入手！

ウィル(72) に移動を委ねました。

カミセイ区 R-7（沼地）に移動！（体調11⇒10）
カミセイ区 S-7（森林）に移動！（体調10⇒9）
カミセイ区 S-8（沼地）に移動！（体調9⇒8）
カミセイ区 S-9（沼地）に移動！（体調8⇒7）
カミセイ区 S-10（沼地）に移動！（体調7⇒6）

［816 / 1000］ ―― 《瓦礫の山》溢れる生命
［370 / 1000］ ―― 《廃ビル》研がれる牙
［367 / 500］ ―― 《森の学舎》より獰猛な戦型
［104 / 500］ ―― 《白い岬》より精確な戦型
［147 / 500］ ―― 《大通り》より堅固な戦型



―― Cross+Roseに映し出される。

　

　

　

　

　





　




チャット画面にふたりの姿が映る。

　





　





　








ドライバーさんから伝えられた内容に動揺している様子のふたり。

　





　

　

　

ザザッ――

　

チャットに雑音が混じる･･･

　

　

　




　

ザザッ――

　




　

ザザッ――

　




　




　

　

　

ザザッ――

　

　

　





　

　

　





　

　

　

チャットが閉じられる――