［基本］OK.　［戦闘］OK.　［スキル］OK.　

　……。


　…………。




　M-5区。M-6区との境界近辺。
　竜の巣および石灰石の巨大な宮殿を背に、複数の人間が佇む。背丈　体格共に様々いるが、全員が同じ 竜を象ったサーコートを身に着けている。サーコート以外の武装は統一されていない。彼らはそれぞれの得物を手にしたまま、正面を見ている。そうして彼らは、敵襲に備え続けている。
　彼らは張り詰めた空気を纏ったまま 四半日程度その場で佇み、入れ替わる。それを繰り返している。
　ここは神なる調和竜と、神に近しい役目を持つ者が集う場所。
　『竜殺し』なる者が蔓延る中、絶対に墜とされてはならない場所。或いは最終防衛線。

　彼らを人は、『竜守』あるいは『竜守の守護者』と呼ぶ。後者こそが正式な名称であったが、重なる表現を避けて 単に『竜守』と呼ぶことの方が多い。

　―― I-7区にて、『竜殺し』との交戦が発生。調和竜の名において命令する。近辺の非戦闘員は撤退せよ。
　―― Q-3区にて、『竜殺し』の目撃情報があった。注意されたし。
　―― L-1区にて、『竜殺し』との交戦が発生。調和竜の名において命令する。近辺の非戦闘員は撤退せよ。

　近くの鈴から、けたたましい通達が響く。『伝達者』と呼ばれる者による警告だ。この警告を元に『守護者』は動く。『竜守』たちは動かない。『守護者』たちが『竜殺し』を食い止めきれず、この地に侵入したときのために『竜守』はいる。

　彼らの守るM-5区画に限っては、何事も起こることなく、時間が過ぎていく。

　また、『竜守』たちが入れ替わる。入れ替わった中に、鮮やかな橙の髪があった。得物らしい得物は持たない、ただ 盾だけを手にしている。―― 若くして『竜守』に成り上がった彼は、名を『リオネル』と言う。
　『竜守』としてこの場に立つのは、未だ慣れないが初めてでは無い。盾を手に、意識を集中させる。この時間は、あまりに長い。
　リオネル含む『竜守』達は、喋らない。
　通達が聞こえるたびに、『竜守』達は僅かに動く。今いるこの場所の通達でないと分かると、緊張が僅かに緩む。
　幾度となく、それを繰り返した。

　―― I-7区にて、『竜殺し』の鎮圧が完了した。

　そんな通達が聞こえた直後。リオネルを除いた『竜守』達はまた、緊張を緩めて得物を僅かに降ろす。
　リオネルだけは、左手に盾を構えたまま、―― 背後あたりに、寒気を感じた。半ば無意識に肘を入れると、そこに確かに手ごたえがあった。顔だけを動かしてみれば、視界の端に 蹲る人間。手には血のついたナイフ。自分は斬られていない。
　『竜守』に攻撃を仕掛ける者など、『竜殺し』しかいない。
　この変化に気付かない『竜守』はいない。リオネルの横にいた『竜守』が、蹲る『竜殺し』を捕えている。
　その間にリオネルは　仲間の背後を護るように動く。
　その時には、別の『竜殺し』が剣を手に迫っていた。
　リオネルは盾を構えて剣を受け流す。
　体勢を崩した小柄な『竜殺し』に、盾ごと体当たりを喰らわせる。
　他の『竜守』が、リオネルの背後に付く。
　それを確認してから、リオネルは『竜殺し』の得物を奪い その手足を拘束する。
　背後で、剣戟の音が響いていたが それもすぐに収まっている。
　傍で、別の『竜守』が『竜殺し』を捕えようとしている。
　その背後を護るように、再びリオネルは動く。

　これを、繰り返す。

　『竜殺し』は『守護者』および『竜守』を殺害するように動く。『竜殺し』が『竜守』を捕えようとする時、必ずと言っていいほど その背後を狙ってやってくる。無論 例外が無いわけではないが、今回は手本通りとも言える襲撃に見えた。加えて、疲弊も見られる。既に何度か交戦したのか。数は多いが、さほど問題にならない。
　ただ黙々と、同胞の背後を護る。盾で得物を受け流す。

　襲撃が落ち着いたころに、入れ替えの時間が訪れる。『竜殺し』は、『竜守』たちの入れ替わり直前を狙って襲ってきたと見えた。
　捕らえられた『竜殺し』は、既にほかの『竜守』が連れて行って 残っていない。
　リオネルは、壮年の『竜守』と入れ変わる。

「―― また手前が居る時に、襲撃があったのか」

　すれ違いざまに、そんな低い声が聞こえた。その言葉の本質を理解できないほど、緩い頭ではない。
　早い話が、手柄に対する妬み。
　『竜守』はその性質上、交戦の回数が少ない。そして交戦が発生した際にその場にいて、正しく対処する ―― そんな当たり前のことが、非常に高く評価される。妬まれる理由はもう一つあるのだが、それには気づいていないし 気づいたところでどうしようもない。

　兎に角、妬む声には、もう慣れている。リオネルはその言葉に応えることなく、『竜守』たちの宿舎があるM-6区に向かっていく。

　その途中で、『伝達者』の通達に耳を傾ける。―― 襲撃の通達はあったのか？

　―― M-7区にて、『竜殺し』が侵入。『守護者』はこれを直ちに排除せよ。
　―― L-1区にて、『竜殺し』の交戦が行われている。近辺の『守護者』は援護に向かえ。

　リオネルは舌打ちする。―― クソ、誰も、M-5区画について触れていないじゃないか。
　こういうことは、初めてではない。寧ろ、竜の巣近辺の警護中に襲撃が起こった時、それが通達されることは殆ど無い。
　それが意味するところは、まだ気付かない。
　疑問が無いのではなく、分からない。

　M-6区は主に住宅区だ。『竜守』だけではなく、戦いとは縁のない『役目』を持つ者も住んでいる。N区画も近く、小さな店も見られる。
　宿舎に向かう道中、視線を感じた。視線を追えば、それは店の前で掃除をしている者。子供を抱いた『揺り籠』と思しき女。店から出て来た客。他にも、リオネルに気づいた人間は皆、目を向けている。
　鮮やかな橙の髪も　年齢の割に随分高い身長も、どちらも人の目を集めるには十分な特徴であった。

「……竜のサーコート」
「……棒立ち騎士ね」
「『守護者』達は立派に戦っているというのに、『竜守』たちは立っているだけで何もしないじゃないか」

　そんな声が聞こえてくる。
　リオネルは、何も言わない。『竜守』がそのように思われていることは、既に知っている。5日に一度の守番帰り、交戦を経ていても いなくても、関係ない。必ず誰かから、そんな言葉が投げられる。彼らは、『竜守』に傷があったとしても、それを見ることは無い。『竜守』のサーコートだけを見ている。竜守が戦った通達は広められることも無い。
　人々から目を背け、宿舎に戻っていく。守番の無い日も、何もしないわけではない。腕が鈍ることのないように鍛錬を続ける必要があった。今日は、摩耗した心身共に、休める必要がある。

　これは『竜守』の日常である。
　『守護者』から『竜守』へと成り上がって半年。これがずっと繰り返されている。
　同胞の概念はあったが、『仲間』と表現できるような温かい関係でもない。
　彼の国に味方という概念は皆無だ。味方は『調和竜』だけ。名誉ある『英雄』に抜擢されるために、誰もが与えられた役割にしがみ付く。
　誰も他の生き方を知らない。

ENo.19 翠眼の怪物 とのやりとり


ENo.302 秋桐誠司 とのやりとり


ENo.388 ユイノ とのやりとり


ENo.581 ツクシ とのやりとり


ENo.658 天弖 とのやりとり

特に何もしませんでした。

装飾LV を 5 DOWN。（LV5⇒0、+5CP、-5FP）

領域LV を 5 UP！（LV20⇒25、-5CP）
防具LV を 10 UP！（LV50⇒60、-10CP）

カナリア(501) とカードを交換しました！

サモン：イエローマッチョ （ディスエンチャント）


サモン：シャドウ を研究しました！（深度0⇒1）
サモン：ウィスプ を研究しました！（深度0⇒1）
サモン：ノーム を研究しました！（深度0⇒1）

一望千里 を習得！

◇通常獲得：各CP･FPが5増加した！

シエ(11) は ボロ毛布 を入手！
不幸喰らい(546) は 鉄板 を入手！
シエ(11) は 皮 を入手！
不幸喰らい(546) は 不思議な食材 を入手！

チナミ区 I-14（道路）に移動！（体調19⇒18）
チナミ区 I-15（沼地）に移動！（体調18⇒17）
チナミ区 I-16（道路）に移動！（体調17⇒16）
チナミ区 H-16（チェックポイント）に移動！（体調16⇒15）
チナミ区 D-2（ベースキャンプ）に戻りました！
体調が全回復しました！

『チナミ区 E-5：チェックポイント《出発地》』へ採集に向かうことにしました！
　　 - シエ(11) の選択は チナミ区 E-5：チェックポイント《出発地》
　　 - 不幸喰らい(546) の選択は チナミ区 E-5：チェックポイント《出発地》

MISSION!!
チナミ区 H-16：チェックポイント《瓦礫の山》 が発生！
　　 - シエ(11) が経由した チナミ区 H-16：チェックポイント《瓦礫の山》
　　 - 不幸喰らい(546) が経由した チナミ区 H-16：チェックポイント《瓦礫の山》

［816 / 1000］ ―― 《瓦礫の山》溢れる生命
［370 / 1000］ ―― 《廃ビル》研がれる牙
［367 / 500］ ―― 《森の学舎》より獰猛な戦型
［104 / 500］ ―― 《白い岬》より精確な戦型
［147 / 500］ ―― 《大通り》より堅固な戦型



―― Cross+Roseに映し出される。

　

　

　

　

　





　




チャット画面にふたりの姿が映る。

　





　





　








ドライバーさんから伝えられた内容に動揺している様子のふたり。

　





　

　

　

ザザッ――

　

チャットに雑音が混じる･･･

　

　

　




　

ザザッ――

　




　

ザザッ――

　




　




　

　

　

ザザッ――

　

　

　





　

　

　





　

　

　

チャットが閉じられる――

チェックポイント。



再び現れる守護者。

　　




それは言葉を発すると共に襲いかかる！