なんであんなに人がいるとこで頑張ったんだっけ。
アイドルが集まる場所、
モデルさんや特技をもった人たちが
パフォーマンスをして評価される世界

そんな世界にいきたかった訳じゃない。
憧れていたのはキラキラ光るもので、
手に出来ればそれになりたかった訳じゃない。

愛されたかったわけではなく
愛したかったんだ。


ずっと、私が愛されない理由を考えていた。
それは、あの人達は私より秀でているものが好きで、
私は駄目だったからなんだ。

人と話すのが怖い。
話し方がおかしい。
普通じゃない。
いつも変なことをいう。

レッテルのなかで生きてきた。
そういう病気なのかとも疑ったけれど、
どうやらあの人たちは
私がおかしいと認めたくなかったようだ。

私はいつまでも自分がおかしいことに気づけず、
なおされることもできなかった。


それを恨んだわけではない。
あの人たちがいなくなって病院にいって知らされた。

僕は普通ではないこと。
なんだ、とむしろ嬉しかった。

ちゃんと私はでき損ないだったんだ。

安心してしまったんだ
大義名分のように
ふわふわと。

どうして自分が他の人とちがうのか理解ができなかったから。
違ったからだ、仲間はずれは僕だった。




--荊闘乱祭--

今度こそ、自分の意思で手を上げた。
はじめてそこでわかった、自分の今まで居た世界がどれ程狭くて
そして、どれ程皆が優しかったか。

私はこれまで誰かを見ていなかった。
これまで、はここの学校に来るまでの話。

クラスメイトだからとレストランに来てくれる人達。
先生や、先輩、後輩の皆。

……皆が笑っている理由と自分の笑っている理由が違うとわかっている。
自分は違和感を抱えて生きている。
けれど、私は

私は、此処に居るのを許されたような気がした。
きっとおかしなことを言って困らせる。
変な子だと言われる、変わってるねと言われることが
仕方ないなと前向きに思えるようになった。

変わっていても、やれることはあるんだって。

だから、どうかこの変わり者が
不出来なちょっとおかしい子が

居られる楽しい場所が、何時までも続けば良いなと

不覚にも、夢物語のように思ってしまったんだ。


お兄ちゃんの事を諦める気持ちを持ってしまったんだ。

運営のみんなと、友達と、まだ。遊べる。

まだ僕のお祭りは終わっていない。

▲	ハルト 「そうですね。楽しい話も、気付いたことも…沢山話しましょう。 俺たちも、分かったことがあればお話しますから まずは…道行さんのお話が聞きたいです。ここにきて、何があったのか」

▲	『そうだな。ああ、そうだね』 『そうできたなら、どんなによかったろうね』 『こんな場所だからこそ、平和を大事にする心こそ一番大事なものだって思う』 『でも、こういう世界で一番傷つくのも、そういう人たちで』

	『……道行も。傷つくくらいなら、少し冷たくなって自分を守ってほしい。って、思う』 『酷いこと言ってるようだけど。見たくないものを見ることも、これからあるだろうから』 『お、抜けてる自覚はあったのか？』 『なんてね。ああ、俺も覚えていよう。絶対だ』

	『最近エナジー棒ばっかだから道行の料理が恋しいんだけど、それ以外かあ』 『……そうだな。同行者に、よく君の手綱を握っておくように伝えておいておくれよ』 『もし、俺が俺の姿じゃなくて――兎やひよこだったとしても、食べないようにってね』

▲	安嗣 「ダイジョーブ、ダイジョーブ。オレってば正直者、嘘付かないことで有名だからさァ。 　割と分かりやすい方だと思うよ。ほら、ハレ高の制服着たまんまだしさ。」

▲	塩釜 「………………。 　さァな」

	塩釜 「オレの方が逃げてんだろうよ。 　やってることは同じなのに、 　直接ケリをつけられねぇんだろうな。 　女々しくて情けねぇぜ」

	塩釜 「だからもうちょっと気付かないフリしてくれねぇか。 　卑怯だって怒ってくれても構わねぇからよ。 　いや、お前は怒っていいんだぜ。怒ったほうがいい」

▲	アキ 「全くもって主語を明らかにせずに喋る癖があるな、あんた。 おれも人のこと言えないけどさァ。」

	アキ 「連れていく？　連れて行けるのか。 此処より先があるとあんたは知っているのか。 たとえそれが地獄でも。」

	アキ 「（雑音と共に少し音声がクリアになる。） …欲しいのは価値ではなかったし、結局のところあちら側のおれは――まあ今のおれ自身もだけど――どうにかして諦めたかっただけに過ぎないと思うぜ。 あんたは…冬真静はどうだ。本当に心から願っていたのか。 本当に救いたかったのは他人なのか。 …何処に行こうとしている？　あんたは。」

	アキ 「何処かに。行けるっていうのか？」

	アキ 『間に合わなかったら間に合わなかったでそんときはそんときだろ。 つーか表面化しただけじゃないの。 あっちでだってお前さあ（途中で文章が途切れた。）』

▲	灰闇 眩 「ふは。 　俺のほしいものも知らない癖に、なぁに言ってんだか。 　俺とあんたは違うよ。 　誰でも引っかかりそうな共通点を見つけては、 　同じだ似ているとかさぁ、薄っぺらい共感ですね。 　まぁ、誰でも誰しもする事だけどさァ。 　俺個人になんざ興味もねえし何も知らねえだろうよ、あんたは。 　それとも俺がそう思い込んでるだけで、あんたは知ってるのか？ 　どうだろうね？案外そうなのか？」

	灰闇 眩 「――俺の望みは唯一つだ。 　当てられたら褒めて差し上げましょうか？ご褒美は出ないけど。 　そんな未来はなかったから、俺は此処に居るんじゃないか。 　そんなさァ、やり直しが利きます？失敗したけど別の未来では？みたいな？ 　――ハ！なんだそれ。 　俺にはあんたみたいに都合の良い前世とやらはないんですよ。」

	灰闇 眩 「――命に次なんてない。 　記憶があるからなんなんだ？ 　別にそれ俺じゃないでしょ？ 　かけがえのない命に、選び直せない選択に、犯してしまった罪に、 　――次なんて事はあり得ないんですよ。」

	灰闇 眩 「あなただって替えの利かないものだ。 　精々、大事にしたらいい。 　――取り返しなんて利かないのだから。 　俺は、欲しいものを欲しがるだけ。 　それだけだ。……ま、気が向いたら応援してくださいよ。なんてね。」

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