ねぇ?
ねぇ、ねぇ…。
ねぇねぇねぇねぇ!!!!!!
なんで?どうして…?
おかしいの、不思議なの。どうして?不可思議な事が起こるの?
最初は、違和感だった
私がお姉様を思い慕っているわずかな間に
ソレは起こった。
私のお姉様が
“自らの器”の中に“虚無”以外を詰め込んでしまった。
お姉様は、私を見て言った
さみしいのだと
その感情を得てしまったが故、あのゴミだらけの世界の自分と混じっているのだと。
だから、私の求める魔狼出なくなる前に、お前は
『お前はどういった選択をするのか』と
どうすればいいの?
お姉様を作りなおしても同じだというの?
どうして。どうして?
お姉様には一点の曇りもあってはいけないわ。
だって、ソレこそ私達《分家》がお仕えする魔狼様の姿なのだから。
“一族《わたし》”の魔狼様が
汚らしいゴミへと変わってしまう…!!!!!
いやだ、いやだ、耐えられない…!そんなの耐えられない!
その闇より黒い毛皮を白く染めないで
その光の宿らない瞳に私以外を映さないで。
その愛を知らない手で愛を渡そうとしないで
―――――――私を―――――――
―――――――私を―――――――
私をワタシをわたしをワたシをわタしをわ私しをわた私をワタシをわたしをワたシをわタしをわ私しをわた私をワタシをわたしをワたシをわタしをわ私しをわた私をワタシをわたしをワたシをわタしをわ私しをわた私をワタシをわたしをワたシをわタしをわ私しをわた私をワタシをわたしをワたシをわタしをわ私しをわた私をワタシをわたしをワたシをわタしをわ私しをわた私をワタシをわたしをワたシをわタしをわ私しをわた私をワタシをわたしをワたシをわタしをわ私しをわた私をワタシをわたしをワたシをわタしをわ私しをわた私をワタシをわたしをワたシをわタしをわ私しをわた私をワタシをわたしをワたシをわタしをわ私しをわた私をワタシをわたしをワたシをわタしをわ私しをわた私をワタシをわたしをワたシをわタしをわ私しをわた私をワタシをわたしをワたシをわタしをわ私しをわた私をワタシをわたしをワたシをわタしをわ私しをわた私をワタシをわたしをワたシをわタしをわ私しをわた私をワタシをわたしをワたシをわタしをわ私しをわた私をワタシをわたしをワたシをわタしをわ私しをわた私をワタシをわたしをワたシをわタしをわ私しをわた私をワタシをわたしをワたシをわタしをわ私しをわた私をワタシをわたしをワたシをわタしをわ私しをわた私をワタシをわたしをワたシをわタしをわ私しをわた私をワタシをわたしをワたシをわタしをわ私しをわた私をワタシをわたしをワたシをわタしをわ私しをわた――――――
 |
『……――――ルプス』 |
ワた、死の
『わTAシの名前を―――』
『私の名前を呼ばないで―――ッ!』
そう叫んだ刹那。
狂乱と殺意と愛憎の牙が自我を得ようとする狼の首めがけて飛んでいく。
姉と慕われた狼は地に堕ちるようにその地面に柔らかな四肢を放り出しては赤い紅い空と同じく
朱い液体を地面へと染み渡らせる。
その瞳は恐ろしいほどに美しく
そして恐ろしい程に何も映さない。
映さないはずなのに、その奥底に少しの揺らぎが見えるを
妹と言った狼がつんざくような咆哮と共に抉り出した。
姉ではない、姉ではない、と叫んでは
姉ではないといわれた狼の中にある理想の姉を見つけ出して作り直して
そうして15回を超えた破壊と創造の後で
はた、っと姉を作り直そうとした少女は思い返す。
アンジニティは否定の住人
否定を存在意義として、否定されるほど産まれて生きる。
つまり
 |
―お前が『魔狼』を否定するたび、俺はお前によって生かされる― |
殺されて嬲られて作られて
そうした結果、お前が『理想の姉』を『自分の求める主《魔狼》』を殺しているのだと
そして生まれてきたのは『魔狼ではないかもしれないナニカ』なのだと
じ、っとその静かな瞳が狂った目の少女を映していた―――
『半狂乱で逃げ出した狼の日記』